流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

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子を持つも持たぬも人の宿命(さだめ)なり 
日に日に努めて行かむ
あなたの人生なんだから好きなように
お行きなさい(生きなさい)



「新人ドライバー」

少し前の話ですが、不景気のせいでしょうか。
このところタクシーに乗るたびに、
新人の運転手さんに当たります。
新人ということもあって、大変礼儀正しい。
だから、清々しい気持ちで乗ることができます。
しかし、ちょっと油断をすると大変なことになることも。

ある日のこと。
タクシーに乗った時の話です。
「ちょっと、すみません。 これって道が違いますよ」
車内で携帯電話で仕事の打ち合わせをしていて、
ふと気付くと、ずいぶん遠回りをしてしまっていたのです。

「すみません。新人なものですから」と言い訳されました。
乗車するなり、
「はい、名古屋駅までですね。かしこまりました。
○○タクシーの山田(仮名)です。よろしくお願いいたします」と、
実にソフトな接遇だったので任せ切りにしておいたら…。
腹が立ちました。

料金が2メーターは余分にかかります。イライラしながら、
「次の信号を右へ。その後、直進してください」
そう口にする自分の口調が刺々しいことがわかりました。
ふと、助手席の背もたれの背面に書かれてある
運転手さんのプロフィールに目が留まりました。
名前・・・山田○男
趣味・・・草野球、釣り
出身地・・・沖縄

名古屋の某タクシー会社では、どの車もこのようなプロフィールが、
掲示されているのです。
大の「沖縄」ファンである私は、
「へぇ、沖縄の方ですか。 沖縄はいいですよね」と話しかけました。
平身低頭で何度も謝っておられた運転手さんの口調が、
パッと明るくなりました。

「そうですか。 沖縄はどちらへ行かれましたか」
それをきっかけに会話に花が咲きました。
沖縄は有効求人倍率が全国でも最低の県です。
今も層厳しい状況とのこと。
それで家族を置いて、単身出稼ぎに来ているといいます。

腹を立てていた自分が恥ずかしくなりました。
誰にでも、初めてはあります。
私も、就職してすぐのころには、冷や汗のかき通しでした。
そんな新人時代の気持ちを忘れていたのでした。
「おたがいさま」
そう思うと、少し優しい気持ちになることができました。

さらに、忘れていたこと。タクシーに乗ってやるのではなく、
乗せてもらうのだという謙虚な気持ち。
お金を支払う側だと思うと、人に厳しくなってしまうのでした。
そして、何より大きなこと。忙しい忙しい、と思っていると、
心に余裕がなくなってしまう。それはエゴに繋がります。

訊けば、その方は、ドライバーになって3日目とのこと。
降りる時、ちょっと格好を付けて言いました。
「頑張ってください」すると、
ものすごく元気な声が返ってきました。
「ありがとうございます。忘れ物はございませんか」
以来、新人のドライバーさんと話をするのを
楽しみにしています。

Author:志賀内泰弘



『魔法の結婚式」』

中村典義さんは、有限会社クロフネブライダルを立ち上げて、
全国で出張ウエディングやセミナーを開催しておられます。
その中で、強い印象を残したカップルさんの紹介です。

二人は高校の同級生でした。彼は彼女のことを好きになるのですが、
ずっと告白出来ずに卒業式を迎え、別々の道へ・・・。
しかし、二人は2年後に再会することとなります。
それは成人式のことでした。
華やかな振袖姿の彼女を見た彼は、「やっぱり彼女しかいない!」と
改めて思ったそうです。 そして、彼の猛アタックが始まりました。

やがて、彼の気持ちは彼女に届き、お付き合いを始めることになりました。
もう彼は、天にも昇る気持ちで、まさにバラ色の毎日だったそうです。
しかし、そんな幸せな毎日がわずか一ヶ月で、
音を立てて崩れていきました・・・。
彼女が車で帰宅途中、カーブを曲がり切れず
センターラインをはみ出してきたトラックと衝突・・・。
命は助かったのですが、瀕死の重傷でした。
そして、彼女は寝たきりの入院生活となってしまったのです。

医師から、「どこまで回復できるか・・・」と宣告された彼女は、
「どうしてこんな目に合わなきゃいけないの?」と泣き続けました。
彼は毎日病院へ通いました。でも、会わせてもらえませんでした。
彼女の気持ちはわからなくもありません。
好きな彼に会う時は、入念にヘアメイクをして、
可愛い服を選んで会っていたのです。
今の彼女は身だしなみを整えるどころか、
お風呂に入ることも髪を洗うこともできません。
しかも顔も体もアザだらけで、手術の後もあちこちにあります。
若い女の子がそんな姿を好きな人に見せたいでしょうか?

しかし、彼はそれでも毎日病院へ通います。
病室を訪ねると、彼女のお母さんが病室の外に出てきて
状態を話してくれます。
彼はそれを聞いて安心して帰っていく。そんな毎日でした。
彼女は彼が帰ると、涙を流しました。
そして必ず、 「『もう来ないで』と伝えて」とお母さんに言いました。

やがて、お母さんは彼と病院の入口で会うようになりました。
きっと娘の心をこれ以上乱したくなかったのでしょう。
彼女は「やっとあきらめてくれた」と思っていました。

それから数カ月経ったある日、彼女は掃除のおばさんから
こんな一言を聞きました。
「羨ましいねぇ、毎日お見舞いに来てくれるステキな彼氏がいて」
「えっ、誰のことですか?」
「あなたですよ。今日もさっき下でお母さんと話してたわ」

彼女はこの時、彼が今もまだ彼が通い続けていることを知りました。
そして翌日、彼女はお母さんにこう言いました。
「次に彼が来たら病室に入ってもらって。  
元に戻らないかも知れない私より、  
他にステキな人を見つけてもらいたいから。  
私もいつまでも引きずっていたら辛いだけだし・・・。  
だから私の口からお別れを伝えたいの」

その日の夕方病院にやってきた彼は、
ついに彼女の病室に通されました。
そして翌日。昨日まで泣き続けた彼女が、回診の時、
主治医の先生にキラキラした顔でこう宣言したのです。
「私どんな手術にもリハビリにも耐えます。
だから私の体を元通りにしてください」

主治医の先生は驚きました。「何があったの?」
そう問われた彼女は、昨日のことを話しはじめました。
「彼は、私の体の状態を母から聞いて全部知っていました。  
それでも、こう言ってくれました」  
『ずっと言いたかったことがある。結婚してほしい』って」
その時彼女は、元通りの体にならないかも知れない自分が
彼のそばにいてはいけないと思い、
「別れてくれ」と頼んだそうです。でも彼は、
「そのままのあなたでいい・・・あなたでなければだめなんだ・・・」と
譲ることはなかったそうです。
平行線のまま数時間が経ちました。
彼の根気に疲れ果てた彼女は、
「もう好きにしてよ・・・」とつぶやきました。

すると彼は、体に触れるか触れないかほどの、
本当に優しい力で彼女の体を抱きしめてくれたそうです。
その腕のなんてたくましかったこと。
その胸のなんてあったかかったこと。
彼女はその時こう思ったそうです。

「私が何を言おうとこの人は信念を曲げない。
だったら彼のとなりに立った時に  
彼の足手まといにならないように、私は元通りの体になりたい!」

それから彼と彼女の二人三脚の日々が始まりました。
辛いリハビリにも彼はいつも笑顔で付き添ってくれます。
頭を洗ってもらい、体を拭いてもらい、
着替えも手伝ってもらいました。
傷が治ってくるたびに、二人で喜んだそうです。

私は、結婚式の一週間前にこの話を彼女から聞かされました。
「私を見て気が付きませんでした?」
笑って言う彼女に、私はただ首を横に振るだけが精一杯でした。
そして一週間後、ウェディングドレスを着た彼女は
見事なまでに美しく、 華やかな笑顔でゲストを魅了しました。
そして、式の終盤に彼女のお母さんからの手紙が披露されました。

「娘に出会ってくれてありがとう。娘を愛してくれてありがとう。  
あなたのおかげで娘は人生を取り戻すことが出来ました。  
あなたになら喜んで娘を託せます。
どうか幸せにしてやってください」

会場中に涙が溢れました。 私には二人の娘がいます。
いつかどこかの誰かが私の元から奪っていくでしょう。
でもどうせ取られるならこんな男に取られたい
・・・そう思わずにはいられませんでした。

彼はイケメンでも背が高いわけでもありませんでした。
でも彼はとてつもなくカッコ良かった。
それは信念を貫くブレない男のカッコよさでした。
女として生まれたなら、こんな„ブレない男"に愛されたい・・・。

こんな男性が「あなたでなければ・・・」と
命をかけて愛するのはどんな女性でしょうか?
あなたはどんな女性になりたい? ・・・
そんな想像の先にシンデレラのガラスの靴が
あるのかも知れません。…

Author:中村典義



長渕剛 素顔 』





時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる


添うて苦労は覚悟だけれど、
  添わぬ先から、この苦労