流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想……

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
明日という日はミステリー、
今日という日はプレゼント
(贈り物)


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

幸せな家庭生活が妻の病死により一転、
悲しみの毎日へと変わった。
幼子を抱えて生きてゆくには多くの人々の支えがあった。
精一杯生きる中での様々な出会いと
悲しい別れを繰り返し、
不思議な出来事にも遭遇する。
そして、そこには新たな愛が存在していた。……


Author: 壇次郎


どんぐりからの手紙 (第8話・悲しみ)

数ヶ月に及ぶ、辛い治療に耐え抜いた咲子も、
ようやく体調が安定するまでに回復してきました。
私も隆も、咲子のベッドの横にまで、
近づける様になりました。
顔色も好くなってきた妻の元には、
元気な隆も安心して見舞うことが出来ます。
剛「駅前通り商店街に、端っこの方だけど、
 空き店舗があるんだ。お店を出すには、
 いい場所だと思うけど・・・」
咲子「そうね。私も前から、
 あの辺りがいいなと思っていたのよ」
剛「じゃあ、決まりだね。
 咲子の夢、叶う日が来たね」
咲子「ありがとう。でも・・・」
ある日曜日でした。五歳になったばかりの隆は、
まだまだ母親の愛情を求める年頃です。
隆は咲子のベッドの横にちょこんと座り、
静かに妻から絵本を読んでもらっていました。
咲子の片手は、隆の小さな手を握り締めていました。
時々、微笑みながら隆を見つめる咲子の目には、
涙がいっぱい溜まっているのが解りました。
私は、そのつかの間の幸せな光景を
じっと眺めていましたが、
溢れ出しそうな涙をこらえ、
そっと廊下へと出て行きました。
足元には、真黄色に色づいたイチョウ並木の間から、
オレンジ色の夕陽が長く差し込んでいました。
剛「そろそろ帰るね。ゆっくり休むんだよ。
 もうすぐ退院だよ」
咲子「うん・・・」
隆「バイバイ・・・」
咲子「バイバイ・・・」
言葉少ない咲子の病室を後にして、
私は隆の小さな手を引いて、病院を後にしました。
その帰り道、私と隆はマクドナルドのハンバーガーで
夕食を済ませた後、アパートへと帰りました。
私は隆を寝かしつけ、缶ビールを
冷蔵庫から取り出そうとしたその時です。
急に冷蔵庫の横に置いてあった電話が鳴り出しました。
私はなんとなく、受話器を取ることをためらっていました。
鳴り続ける電話が五回ほどベルを鳴らした時です。
私は恐る恐る受話器に手を伸ばしました。
それは、やはり病院からの電話でした。
咲子の様態が急変したとのことです。
すぐさま、私は寝付いたばかりの隆を抱き上げ、
走って駐車場に置いてあった車に乗り込みました。
「さっきまで、あんなに元気だったのに、
どうしてなんだ。咲子、頑張れ。
頼むから、頑張ってくれ」
そんな願いも届く事無く、
私と隆が病院に着いた時には、
すでに咲子の顔には白い布が掛けられていました。
私はまだ温もりの残っている咲子の手を握り締め、
何度も、何度も、名前を呼びました。
彼女の頬に手を当てて、名前を呼び続けました。
しかし、咲子の目が、
もう一度開くことはありませんでした。
奇跡が起きることなんて、
私たちの場合には、全くありませんでした。
妻、咲子は、30歳という若さで、
当時五歳の隆を置いて、
私にも、幼い隆にも決して手の届くことがない
遠い所へと旅立って行ってしまいました。

私は弔問客に気を使いながら、
夢を見ているかのごとく、妻の葬儀を終えました。
「悪夢であったら、早く覚めて欲しい」
私は、そう願い続けてもいました。
まだ5歳の隆には、母親の死ということを
どの様にして説明したらよいのでしょうか。
葬儀中、親類の子供と一緒になって、
はしゃいでいる隆の姿は、
参列者の涙を誘っている様でした。
そして、誰もそんな光景を止めるなんてことは
出来ませんでした。
咲子の初七日が過ぎました。
私の横で眠る隆は、咲子が入院した日以来、
母親の枕を抱いて寝ています。
そんな隆が抱いている咲子の枕は、
隆自身の涙で、びっしょりと濡れていました。
私は、隆が物心ついた頃から
「隆は男だ。男は強いんだ。泣かないんだ」と、
言っていました。そんな言葉は、
まだ幼い五歳の子供にとっては、
辛い思いをさせてしまう事になっていました。
そんな隆の寂しそうな寝顔を見たとたん、
とうとう私も涙をこらえることが出来なくなりました。
人間と言うものは、
こんなにも涙が出るものなのでしょうか。
葬儀中は、弔問客に気を使うあまり、
殆ど涙を見せなかった私でしたが、
その晩の私の涙は、
枯れることを知りませんでした。

続く

Author: 夢庵壇次郎
http://www.newvel.jp/library/pso-1967.html


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



雪椿 小林幸子
作詞:星野哲郎・作曲:遠藤実


やさしさと かいしょのなさが
裏と表に ついている
そんな男に 惚れたのだから
私がその分 がんばりますと
背(せな)をかがめて 微笑み返す
花は越後の 花は越後の
雪椿


 


別れる男に、花の名を1つ教えなさい。
花は毎年必ず咲きます。 ……
枯れない花はないが、咲かない花はある。


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる






P R
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