流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想……

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
明日という日はミステリー、
今日という日はプレゼント
(贈り物)


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

幸せな家庭生活が妻の病死により一転、
悲しみの毎日へと変わった。
幼子を抱えて生きてゆくには多くの人々の支えがあった。
精一杯生きる中での様々な出会いと
悲しい別れを繰り返し、
不思議な出来事にも遭遇する。
そして、そこには新たな愛が存在していた。……


Author: 壇次郎


どんぐりからの手紙 (第9話・甘え)

隆は私に似て、身体の大きな子供でした。
病気一つせず、元気に保育園に通っていました。
しかし、自由時間は友達と遊ぶこともせず、
いつも独りっきりで絵を描いている様子でした。
周りの子供に比べ口数も少なく、
保育士の先生方はそんな隆を心配していました。
まだ、幼い隆にとっては、
母親の愛情が必要だったのかもしれません。
父親の愛情とは何かが違う、
母親の優しさを求めたかったのかもしれません。
しかし、隆がどんなにそれを要求したとしても、
もう、叶うことは出来ません。
周りの大人が、それを与えることも出来ません。
私は隆を元気付けようと、遊園地に連れ出しました。
その日はとても天気の良い日曜日でした。
父「隆、何に乗ろうか?」
隆「・・・・・」
父「今日は、隆の乗りたいもの、
 何でも乗っていいんだよ」
隆「・・・・・」 隆が嬉しそうなのは解ります。
しかし、言葉として感情がなかなか出てきません。
ジェットコースター、観覧車、回転木馬
コーヒーカップ、びっくりハウスと、私たちは、
ありとあらゆる遊具で遊びましたが、
隆の口からは感動の言葉が出てきません。
その日唯一、隆がおねだりしたものは、
ソフトクリームだけでした。
売店前のパラソルの下、私もソフトクリームを舐めながら
隆を見ていました。
周りは殆どが家族連れです。
隆と同じくらいの子供たちは、皆、母親に甘えています。
そんな光景を黙ってじっと眺めている隆の口の周りは、
溶けたソフトクリームでべとべとになっていました。
遊園地の中に、「動物ふれあいコーナー」がありました。
羊、ヤギ、ウサギなどが柵で囲まれた中に
放たれていました。
隆は一頭の羊を追い掛け回していました。
追いついては抱きつくことを繰り返していました。
羊の身体は暖かくて気持ちがよかったそうです。
その日、どんな遊園地の乗り物よりも、
隆にとっては羊との触れ合いが
一番楽しかった様に見えました。
帰りの電車の中、私の隣に座っている隆からは、
あの独特な動物臭さがいつまでも漂っていました。

気が小さく優しい性格の隆は、
一人の保母さんを慕っていました。
その保母さん、百恵先生は、
当時22歳のかわいい素敵な女性でした。
彼女は子供たちの心をよく理解してくれる保母さんでした。
ある日、私が保育園に隆を向かいに行ったら、
隆は百恵先生に抱かれています。
「たかし、帰るよ」と、私が声を掛け、
振り向いた隆の顔には、
大きな引っかき傷がありました。
先生が目を離した隙に、おもちゃの取り合いで、
女の子に頬を引っかかれたそうです。
隆は人形を抱きしめたまま、
欲しがる女の子には貸そうともしなかったので、
女の子が無理やりに取ろうとし、
隆の顔に爪を立てたそうです。
でも、隆はいっさい仕返しをせず、
じっと人形を抱きしめていたそうです。
百恵先生は、隆の母親が他界したことを知っています。
隆の心に寂しさがあるのでしょうと、
百恵先生は言っていました。
そして、隆を抱いたまま、何度も私に頭を下げる
百恵先生でした。
その日以来、朝、隆は保育園の門をくぐると、
真っ先に百恵先生の胸に飛び込んで行く様になりました。
そんな隆を百恵先生は、
ためらいもせずにぎゅっと抱きしめてくれました。
帰りに隆を迎えに行くと、
いつも隆は百恵先生と手を繋いで出てきます。
別れ際、百恵先生は、隆を抱きしめ、頬擦りしながら、
「プイプイプイ、またあした」と言って、
隆と別れてくれました。
自分の産んだ子供でもないのに、
ここまでも子供を愛せる女性がこの世にいるとは・・・、
私はただ、ただ、心の中で感謝することしか
出来ませんでした。
多くの保母さんからの愛情を受け、
隆には次第に笑顔が戻って来る様になりました。
自由時間には友達と庭で走り回る様になりました。
家では私に保育園での出来事を話すまでにもなりました。
幼い子供にとって、実の母親の
愛情に勝るものは無いでしょう。
しかし、周りの大人が、たとえ他人であろうとも、
深い愛情で接すれば、
子供の心は満たされるのかもしれません。
私は、この保育園の先生方の愛情に、
深い感動を貰いました。

続く

Author: 夢庵壇次郎
http://www.newvel.jp/library/pso-1967.html


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…




三波春夫 村田英雄共演
浪曲忠臣蔵「義士の本懐」





誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる






P R
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