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流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

妄想劇場・番外編(18禁)

妄想劇場・番外編(18禁)

信じれば真実、疑えば妄想……


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18歳未満の方は
ご遠慮下さい。 
 
 
  
 
 
メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!
アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい。


ぼくのパパは、変わってる。
ぼくのパパは、ニートだ。
でもぼくは、そんなパパが好き。……
若すぎた父親、揺ぎ無い愛を求めていた母親、
何も知らない無垢な子供。“幸せな家庭”の日常

ニートパパ』 (1)

今日はとても暑い日だ。風もないし、遠くの地面には
蜃気楼が見える。
「はぁ、はぁ、はぁ」そんな暑い日なのに、
ぼくは走っていた。急いで家に向かっていた。
その理由は、帰って早くゲームをやりたいから。
走りながら、ぼくは人を轢くところや、
銃で撃って頭が吹き飛んで血が飛び散るシーンなどを
想像していた。
すれ違う車はYボタンを押せば乗れそうな気がしていた。
「はぁ、はぁ、はぁ」ランドセルの中が
ゴトゴト、ガシャガシャ、と音をたてているのも
構わなかった。とにかく今は、一秒でも早く帰って
クーラーか扇風機つけて
アイスを食べながら、ゲームをやりたい。

ようやく家に到着して玄関を開け、
お父さんただいま、と言おうとした。
けれど、言えなかった。
「なにこれ……」外はまだ明るい。
夕方になる前だった。それなのに、
家の中は薄暗い。バタン、ガシャン!
突然、閉まりきってなかった玄関の扉が閉まった。
「え、ナニ?」すぐに開けようとしたけれど、
鍵をかけていないはずなのに掛かっていた。
「ナニ、何で?」とにかくつまみを回して鍵を開け、
ノブを回してドアを押す。
けれど、扉はピクリとも動かない。
「お、おとぉ、さぁん……」
恐ろしくなってお父さんを呼んだ。
声が勝手に震えてしまう。

ふと、リビングの方から何かが聞こえる。
「ウゥ、アァ~、マぁキぃ……」
ぼくは一瞬でどんな状況かを想像した。
もしかしたら強盗が家に入って、お父さんに
何かしたのかもしれない。
「お父さん!」靴を脱ぎ捨てて駆け出した。
リビングの扉は少し開いていたので、
勢いよく押し出す。

キャハハハハハハ!「わあああああ!」
甲高い笑い声といきなり目の前に現れたモノに、
ぼくは驚きのあまり仰け反って、尻餅をついた。
「人形? ……ぬいぐるみ?」
それは昔、クレーンゲームでお父さんが取った
ワケのわからない人型のぬいぐるみで、
ぷらんぷらんと揺れながら首吊り状態になっていた。

笑い声は、家にあった笑い袋の声と
同じだと気づいた。
どういう仕掛けなのかわからないが、人形の中に
笑い袋が仕込まれてるようだ。
「お父さん、どこにいるの!」
怯まず(ひるんでたけれど)家に響くほどの
声量で叫んだ。
ガタガタガタ――突如物音が聞こえて
ビクンと身体がすくんだ。お風呂場の扉の音だ。
ぼくは家の中の物音をほとんど聞き分けられる。
「お、お風呂場にいる、んでしょ?」
必死で強がりたかったけれど、どうしても声が震えた。
とにかく家の中を明るくしたくなって、パチンと
電気のスイッチを入れる。「アレ?」
ちゃんとスイッチを入れたのに、電気が点かない。
それが何故なのかはわからないけれど、
ぼくは即行で動き出し、閉まっているカーテンを
シャッと開けた。

もうオマエはこの館からデれなイ
ヒッ、と息を呑んだ。窓に新聞紙が張り巡らされていて、
血のように滴っている赤い文字でそう書いてあった。
ぼくは言葉を失くして、泣いてしまそうになっていた。
いや、ホント言えばもう、ちょっと涙が溢れてる。
「お父さん!」涙を堪えて大きな声で叫んだ。
とにかく、早くお父さんを見つけ出してこの状況を
終わらせなきゃいけない。
勇気をだして、ものすごく警戒しながら
お風呂場へ移動した。
扉が閉まっていて、「お父さん……」と
恐る恐る呼びかけながらゆっくり開いていく。
浴槽が視界に入ると、悲鳴をあげそうになった。
真っ赤な水が目一杯溜まっている。
何かあるだろうと予想はできていたから、

恐怖は最小限に抑えこめた。……そういえば昨日、
お母さんに「お風呂の湯を捨てないで」って言ってたっけ。
ドンドンドンドン!ビクン、とまた勝手に身体が震えた。
階段を駆け上がる音だ。そうして、どこかの扉が開き、
強く閉められた。大きな音だったけれど、
それほど怖くなかった。「お父さん、いるんでしょ!」
声をあげてぼくもドンドンと音をたてながら廊下を駆け、
階段を上っていった。二階も真っ暗で、窓には
新聞紙が貼り付けてある。

ふと、微かな音をとらえた。
ものすごくやばい感じがするBGM。
幽霊の呻き声みたいなのが聴こえる。
ぼくは記憶を探った。それで、思い出した。
たしか、前にお父さんがやっていた年齢制限のある
ホラーゲームのBGMだ。
「お父さん、この音はあの怖いゲームのBGMだね!」
強い声で言い放ってやったが、何の返事もなく、
家中にぼくの声が響いただけ。

階段の右側、お父さんとお母さんの寝室の扉に
目をやると、リビングと同じように隙間が開いていた。
お父さんはバカだ。ぼくが二度同じ手に
引っかかると思っている。
「ははっ、こんなの子供騙しだよ。
どうせ開けたらまたなんか起こるんでしょ? 
同じ手にひっかかると思ったぁ?」
勝った。お父さんの仕掛けは破れた。

「わっ!」「うわぁ!」振り返りざまに驚いて、
よろけて、後ろの扉にぶつかり、開く。
イヒヒハハハハハハ!「うわああああ!」
どすん、と尻餅をついた。
ヒヒヒハハハハハ!
頭上で笑い袋が仕込まれたぬいぐるみが、
首を吊ってぶら下がっていた。

「クックックック――」目の前には、
両手でお腹を押さえて笑ってる人がいる。
「お父さん!」ぼくが怒って声をあげても、
お父さんはくっくと笑い続けた。
「すごい怖かったよ!」
時々お父さんはぼくを驚かしてくるけど、
今回のは今までと比べるとスケールが違った。

「いやぁ――ハハッ、あー、悪いな。
でも最後のは良かったよ」そう言ってまたくっくと笑う。
「ヒドイよお父さん!」立ち上がろうと腰を持ち上げると、
足が震えてよろけ、立てずに床にお尻をついた。
「大丈夫か?」お父さんがサッと手を伸ばしてくる。
だけど、ぼくはプイっとそっぽ向いてやった。
「がーん」お父さんがそう言った。
お父さんはショックを受けると「がーん」と口にするんだ。
「ごめんマキ、今回は度が過ぎた」
「過ぎすぎだよ!」ぼくが声を張り上げると、
お父さんは肩をすくめた。

じっと睨むように見つめてやる。
するとお父さんは申し訳なさそうに視線を外した。
ぼくは、お父さんとは反対方向に顔を向けた。
ふいに、お父さんがその場にしゃがみこむ。
横目にそれが見えた。
そっぽを向くぼくの顔を覗き込もうとしてきて、
顔を合わせたくなかったからぼくは逆を向いた。
それを追うようにお父さんはぼくを覗いてくる。
更に逆を向いてみせる。

「マキ」真剣そうな呼びかけに、チラッとお父さんを見た。
「ぷっ――」視界に飛び込んできたのは、
顔の原型を全く留めてないお父さん。
口を曲げ、鼻の穴は拡がり、目は完全にイっちゃってた。
思わず吹き出してしまった。「笑わせないでよ!」
屈辱だったから、笑うのをなんとか抑え込んで
睨み気味に声をあげた。すると、お父さんは微笑んだ。
「すごいじゃないか」

いきなりそう言われて、「なにが?」と返す。
「お父さんの全力&渾身の作をもってしても、
お前を泣かせられなかった。おれの負けだ」
ぼくは、言葉を失くした。
「見ろ」お父さんはTシャツのシミの部分を引っ張って
隙間明かりに照らす。
「マキを泣かせるために頑張って、お父さんは
もうこんなに汗だくだ」夏の暑さも手伝って、
余計にお父さんの服は汗まみれだった。
「これを完成させたときは、一年前に行った遊園地の
お化け屋敷を超えたと思ったんだがな」
「お化け屋敷の方が怖いよ」
すかさずそう言ったけれど、
お父さんは「がーん」と言わなかった。

「お父さんは、お化け屋敷を超えたと思った
なのにマキが泣かなかったのはショックだよ。
ものすごい敗北感だ」
残念そうに言ってお父さんは立ち上がる。
「だから、お化け屋敷より怖くなかったもん」
「そうなのか?」
「うん」
「よし、ならまた今度―」
言われる言葉に気づいて焦った。

「ホントは泣きそうだったよ、すっごい怖かった! 
死ぬかと思った!」
お父さんはふふっと笑った。「もうやらないよ。
どんなに頑張ったところで、おれにはマキを
泣かせられるような代物を作れないだろうからな」
そう言われると、ちょっとだけ誇らしい気分になれた。
「さて、片付けようか」
「……ぼくも?」うん「マキも」

「えー! お父さんが全部一人でやったんじゃんかぁ」
「冷たいこと言うなよ、新聞紙ビリビリ破くのきっと楽しいぞ」
お父さんはすぐ傍の、窓の新聞紙をビリビリと剥がす。
防がれていた陽の光が暗がりの廊下に飛び込んで、
眩しくなった。
「クーラーつけてくれるんならやる」
「何言ってんだよ、父さんお手製お化け屋敷によって
涼しくなっただろ? 又は暑さを忘れていただろう?」
「暑いからゆったんじゃんかあ」
でも、確かに暑いのを忘れてはいた。
大して涼しくもなってないけど。
「ビリビリ破ったあと扇風機に当たればきっとものすんごく
涼しいって」
そう言って、ビリリ、と勢いよく破る。
お父さんは次々に新聞紙を裂いていった。
「どりゃあ!」とか「うおりゃあ!」とか、
子供みたいに大げさな声を出しながら、どこか
楽しそうに破っていった。
「面白い?」
「ああ、スキッとするよ」そう言うとお父さんはまた
「うおりゃあああ!」と大げさに破く。そして
そのまま寝室に入っていった。

寝室の中でも「きええええい!」とか
「おんどりゃああああ!」とか、
無茶苦茶な声をあげながら新聞紙を破いていた。
何が楽しいのか。ぼくは、お父さんのような子供じゃないから、
そんなことはしない。
お父さんの激しく叫ぶ声と新聞紙が破れていく音を
耳にしながら、階段を下りていく。
リビングに入って、窓へ駆け寄る。
「うおりゃあああああ!」声をあげて新聞紙を破いていった。

「全部破いたよ!」
リビングも和室のも全部破いたので、大きな声で報告した。
「おう、ありがとう! 冷蔵~じゃなくて冷凍庫に
アイスあるから!」
家のどこかからそんな返事が聞こえた。
そのどこかに向かって、「ゲームやっていい?」
と投げかける。「勝手にやればいいだろ、
あっ、後はお父さん片付けるから、やってていいぞ!」

そういうつもりで言ったわけじゃないけれど、
「勝手に」がその返答みたいだったから、
アイスを用意して扇風機をつけて、ゲームを起動した。
もちろんやるゲームは、街にゾンビが徘徊する
あの殺戮ゲーム、『ハザードタウン』だ。
かなり無茶なゲームで、普通の人間側になれたり、
知能の高いゾンビ側にもなれたりして、
すごく笑えるし楽しいんだ。

ちなみにそのゲーム、実は十八歳未満は
やってはいけない。そのはずなんだけど、
お父さんはぼくが「やりたい」と言ったら
「お父さんもやってみたいから買うかな」
などと言って買ってくれた。

待ちきれない思いでゲームの起ち上がりを待って、
少し長めのロードも待って、ようやく始まった。
しばらくして、お父さんがリビングにやってくる。
扇風機の前にきて「あー」と声を出していた。
それから、ぼくがゲームしているのを見ていた。
続けていると、攻略につまずくポイントにぶちあたる。
なかなかクリアできなくて、お父さんが
「ちょっとおれにやらせて」と言ったので交代した。
「ねえお父さん」
コントローラーを握って画面に見入るお父さんに声をかけた。
「なに?」と、視線を外さずに返事がされる。
「変なこと訊いていい?」
「変なことならなおさら訊いていいよ」

「うん。このゲーム、ぼくはやっちゃいけないんじゃないの?」
「ああ、法律的には」
「最近仲良くなった、ユウト君っていう人に
このゲームのこと話したらね、すっごいうらやましがってた」
「良かったじゃん」
「ユウト君は、お母さんから『暴力的なゲームは
やっちゃいけない』って言われてて、
すごく驚いてたんだよ、ぼくがこのゲームやってること。
小学校三年には早いって言われてて、
格闘ゲームもやらせてもらえなくて、
やれるのは頭使うやつとか、人間の出てこない
アクションゲームだけなんだってさ。
ゲームを買う前にはお母さんの許可をもらわないと
買えないって言ってた。
あと、ゲームは一日三時間だけだって言われてるみたい」

「もしそのお友達をこの場に連れてきたら、
驚愕して目覚めるかもな」
意味がちょっとよくわかんなかったけれど、
ぼくはふふっと笑った。
「なんでお父さんはやらせてくれるの?」
ニートだから? と付け加えようとしたが、それはやめた。
お父さんはスタートボタンを押してゲームを止める。
コントローラーを置いて、身体ごとこっちを向いた。

「マキは、ニュースでよくやってるみたいに、
ゲームの影響を受けて実際に誰か、
人を殺したくなるのか?」
「ううん、ないよ――」ぼくは馬鹿にするように笑った。
「ゲームはゲームだもん」お父さんはふふっと笑う。
「なに?」
「いや、なんにも。お前の言ったその言葉が答えだよ。
マキがどんな子供か――お父さんは働いてないから、
いっつもお前と一緒だ。だからよくわかってる。

おれもそうだけど、お母さんもマキのことすごく大事だから
マキが何をしたとしても責任が持てる」
何をしたとしても、という言葉にぼくは引っかかった。
「じゃあもし、ぼくが誰か殺しちゃっても責任がもてるの?」
「それは……その相手はお前にとって相当憎い相手
だったんだろうと思うよ。
殺してしまいたいほどにな」言葉無くぼくはうなずく。

「その友達、ユウト君のお母さんは、
きっとニュースとかみて必要以上に恐れてるんじゃないかな。
お父さんの推測だけど、ユウト君、
学校ではちょっと暴力的な面…誰かをぶったり、
すぐカッとなったりすることがあるんじゃないか?」
……その通りだった。実際ぼく自身も叩かれたことがある。
それはぼくがユウト君に対してなにかをしてしまったとき、
サッカーやバスケットでボール奪うとき
強くぶつかってしまった時なんかに、
すぐ反撃されて必ず倍ぐらいに痛みを返されていた。

「お父さんの言うとおり」
「そうだろ」
「なんでわかったの?」
「お父さんだからな」
お父さんは、なんでもわかってしまう。いつもそうだった。
大人だから、ということなんだろうか。
「男の子には男の子たちにしかない世界があって、
女の子には女の子たちにしかない世界がある。
ユウト君のお母さんは、きっと暴力から遠ざけて
子供を守りたいんだろうけど、男の子って
暴力が標準装備されてるから――」

意味がわからないから言葉をだいぶ聞き流していた。
「それを無視してると、行き場のない暴力が
溢れちゃうんだよ」
お父さんは両手を広げて「ぶわーっ」と言った。
その両手がぼくの頭の前にきて、ガシリ、と掴まれた。
それから、頭をわしゃわしゃっと触られる。
「なんにでも、理由があるんだ。人がひどいことしたり、
言ったりするのは、ちゃんとした理由がある。
ユウト君はそうならざるを得ないんだろうね」

……ぼくのお父さんがお父さんじゃなかったら、
ぼくもユウト君みたいに暴力をふるうのかな。
好きなゲームもできないし、それを想像したら
なんだか嫌になってきた。
「お父さん」
「なぁに?」
「ぼくのお父さんが、お父さんで良かった」
そう言ってみせると、お父さんは目だけを見開いて
驚いていた。
表情は微笑みに変わり、何回かうなずく。
そして、両手を伸ばしてきた。「ほら、おいで」

「……ハグするの?」「ああ。アメリカンだろ?」
アメリカじゃ当たり前なんだぞ、とかお父さんは
よく言うけれど、やっぱり恥ずかしい。
でも、距離も近かったし、
お父さんが優しそうな笑顔を浮かべていたので、
拒まず寄っていった。それで、お父さんは
ぎゅっとぼくを抱きしめて、また頭を触ってくれるんだ。
恥ずかしいけど、嫌な気はしない。
……暑苦しかったけど。

つづく

Author :水谷広人


 エデンの雨 マルシア -小泉麻耶




Tinko_2 人の為(ため)と
書いて
いつわり(偽)と
読むんだねぇ





子を持つも持たぬも人の宿命(さだめ)なり
日に日に努めて行かむ
あなたの人生なんだから好きなように
お行きなさい(生きなさい)



P R
    カビの生えない・きれいなお風呂
    
    お風呂物語 



ありがとうございました。