流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想特別編

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin 韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。



漢の韓信-43
項羽はついに関中へ達し、天下に覇を唱えた。
しかし韓信はこのとき、楚軍の中での
自分の存在に必要性を感じなくなり、漢に出奔する。
彼は自分の可能性にかけた。
だが、彼も人の子であった。
自らの判断の正しさに確信が持てなかった彼は、
漢軍内においても自身の必要性を感じることができずに、
無為な日々を過ごすのであった。
しかし、それでもなお眼力のある人々は、
彼の中に大きな輝きを見出したのである。
まったく、人を導くのはやはり人であるということを
示すよい事例だと言えよう。

鴻門での会見の結果を受けて、
項羽は咸陽への入城を開始した。
総勢四十万の項羽率いる楚軍が、
雪崩を打ったように関中へ侵入し、
先々の都市を飲み込んでいく。
沛公軍の面々は、少し離れた覇上という地から
その様子を眺めることしかできなかった。
項羽の征服の仕方は凄まじく、
有益なものはすべて接収と称して略奪し、
そして取りあげるものがなくなると、
都市ごと火をつけて焼き払った。
秦の民衆はこれに失望したが、
やはりできることは何もなかった。

やがて咸陽に到達した項羽は、
士卒たちが財物を漁り、
宮女を追いかけ回すのを止めようともせず、
なすがままに任せた。
かつての帝都は、欲望を抑えることのない
人の姿をした鬼によって支配される現世の地獄と化した。
この略奪、蹂躙こそが勝利の証であった。
敗者には何もくれてやらない。
温情を施しでもしたら、のちのち彼らは叛逆する。
情けは無用、徹底的に破壊し尽くし、
人民どもを屈服させることが重要なのである。
これが戦国時代の論理であった。

項羽はこの論理に忠実に基づいて行動し、
まず始めに秦王子嬰を有無を言わさず殺すと、
広大な咸陽宮および阿房宮から金銀財物を奪った。
奪い尽くすとこれに火を放ち、
後々の利用価値など考えず、残さず焼き尽くした。
火は大火となって燃え広がり、
あえて消火しようとする者もいなかったので
その後三か月に渡り燃え続けたのだった。
残さず焼き尽くすくらいなら、
沛公にくれてやってもよかったのではないか……。

韓信は眼前の炎を眺めながら、そんなことを思う。
どだい項羽の目的は、
秦を自分の手で滅ぼすという名誉欲しかない。
次の世をどう築いていくか、などという考えは
まるでないのだ。
関中は峻厳な山々に囲まれ、守りやすい。
そのうえ中原を見下ろす高台に位置しており、
攻めやすい。
当時の中国大陸の中心から大きく
西に偏った位置にありながら、
秦が天下統一を果たし得た要因として、
その地理的優位を除外することは不可能である。
項羽は、それをわかっていない。

この地を抑えずして、どうやって
天下を望むことができよう。
天下を望みながら、その方法を知らぬ、ということだ。
韓信が楚を見限ろうと決心したのは、
あの日鴻門で樊噲の姿を見たときが
きっかけになっている。
主君のためにあれほどの気迫をもって
突入をはかった樊噲の姿……。
あれほどの忠臣は見たことがない。

私もあの武人のように誰かを守ろうとして戦いたいものだ。
もしかすれば沛公とは私をそのような気にさせてくれる
存在なのだろうか……。
すくなくとも項羽は、そのような存在ではなかった。
項羽は自分の身は自分で守れるからである。
よって彼は第三者の意見を、あまり聞かない。
守る価値がないというよりは、その必要がないのである。

関中がどれほど重要か説いたところで、
項羽は聞く耳を持つまい。
すでに咸陽が焦土となった今となっては、
もはや説いても無意味なことではあるが……。
そう思い、韓信は陣中を去り、楚軍を見限った。

しかし士卒たちはみな略奪に我を忘れ、
軍隊らしい規律など無きに等しい状態であったので、
韓信の逐電に気付いた者は誰もいない。
燃え盛る炎の熱が、わずかな地上の水分を蒸発させ、
それが上昇気流に乗って空に蓄えられた。
やがてそれが限界を超えると、
蒸発した水分は再び液体となり、
雨となって咸陽に降り注いだ。
乾いた黄土が雨に塗れ、色の濃さを増していく。

しかし、それでも咸陽の炎は消えることがなかった。
消えない炎は、あたかも人間の行為の
罪深さを象徴しているかのように思え、
韓信は逃げ出したくなる。
しかしどうにかそんな感情を抑え、
目の前の現実を受け止めようと、
彼は心の中でもがいた。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
花に例えた旧い歌
今さら聞いても、歌っても、
何処に置いても、飾っても
歌も花も、枯れてゆく....
人生、絵模様、万華鏡...



大阪ボレロ




人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる









furo
P R 
きれいなお風呂・宣言 

お風呂物語