流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。



韓信-28

宋義率いる楚の主力軍は
卿子冠軍(けいしかんぐん)と称され、
趙に遠征することとなる。
このとき韓信項羽のもとに配属となったが、
その地位は郎中という警備役に過ぎなかった。
俸禄は多少もらえる。我慢すべきだ。
自分にそう言い聞かせ、心中にわだかまる不満は
外に漏らさないようにした。というのも、
それなりの役得があるからである。

韓信は貴人の護衛を理由に項羽の周辺に
常にいることを許された。身分は低く、
よほどのことがなければ発言も許されないが、
軍の中枢部に近いところにいれば、
なにか得るところもあるに違いない、
そう思えたのである。

しかし、このときの項羽は近づけないほど荒れ狂っていた。
「なぜだ! なぜわしが関中に向かうことを許さぬのだ!」
項羽は怒り、周囲の者はひれ伏してなだめるしかない。
近侍の者に責任があるわけでもあるまい。
不満があるのなら懐王に直接言えばいいのだ。
韓信は少し離れたところにいるからこそ、そう思える。

これが項羽の怒気の飛沫を浴びる距離にいたら、
やはりひれ伏すしかなかっただろう。
項羽はさらに吠える。
「いくさ下手の劉邦などが関中にたどり着けるわけがない。
そうなればこの作戦自体が失敗だ。
このわしが行けばあっという間にことはおさまる。
それなのになぜ懐王はわしではなく劉邦を選んだのか!」

項羽という男にとって、世の中は
敵か味方かしかなかった。
敵に従うものはどういう事情があろうとも、
すべて敵であり、中間は存在しない。
襄城の一件がいい例であった。
城中の市民は「襄城に住んでいる」という理由だけで
敵とみなされ、項羽によって兵もろとも
生き埋めにされたのである。

懐王は項羽のそのような残忍さを嫌い、
その結果、このような人事になったようである。
韓信は思う。項羽という人は、
己の感情で世界を支配しようとしているかのようだ。
好きか嫌いかで敵味方を判別しようとする態度は……
実にわかりやすい。欠点は多いが……
政治的ないやらしさがないことだけは事実だ。

そして、その対極にいるのが、宋義だ。
彼を大将に据えるとは、
懐王はよほど項羽が嫌いらしい。
宋義は名家の出とはいっても、
基本的に文官であり、
軍の指揮などは経験したことはない。
それをあえて大将に任じたのは、
明らかに項羽に対する当てつけであった。

かつて懐王は斉からの使者に
次のように言われたことがあった。
「宋義どのは武信君の軍が敗れることを
私にほのめかしておりました。
私はそのときは半信半疑でありましたが、
数日するとはたしてその通りになりました。
戦わぬうちから敗れるとわかるとは、
兵法を知った者のなせる業でございましょう」

それを頭から信じるほど、
懐王は馬鹿ではない。懐王にとって
趙を救援することは擬態であり、
極言すれば戦う必要はなく、
そのふりをすればいいだけなのである。
よって宋義でもその任に堪えると思ったのであった。
宋義にはせいぜい行軍に時間を割き、
戦況が決したころに鉅鹿に到達するように言い含めた。

劉邦などは関中王の位を与えてやっても、
余は御していく自信がある……。
しかし項羽がそうなっては、手が付けられない。
宋義、これは内密だが、
軍中で項羽が不穏な動きを見せたら、
口実を見つけて処断せよ。よいな」
「……わかりました。きっと、そのように」


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、 花に例えた古い歌  
今さら聞いても、歌っても、 
何処に置いても、飾っても  
花も歌も、枯れてゆく....   
人生、絵模様、万華鏡...



惚れた女が死んだ夜は 杉本眞人

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……


人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる






P R
お風呂物語