流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想……

妄想劇場・番外編

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、

落語の原型とも言われている江戸小咄は、
話の春画ともいうべきもので、
江戸時代の庶民の楽しみとして広く伝わって
現代にまで至っています。
 

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これは、昔の宿屋でございますが、
今で申します・・・あいまい宿、
いかがわしい営業をしている宿屋の一つでございます。
宿の亭主というのが、エ、田舎から出て来たばかりという
家出娘を専門に狙って、
えー、けしからん稼ぎをしている。
親切ごかしにだまして、自分の宿へ連れこんで、
えー、泊めまして、ムリヤリに、
この・・・客をとらせるんですナ。
亭主「おいおい、ねえちゃん、ねえちゃん・・・
ええ、おう、そこ通るねえちゃん!」
娘「へ、へえ、おらですだか?」
亭「あァ、その”おら”だ・・・ウン。どうしたね、
え、見れば、藁草履(わらぞうり)をひきずって、
おうおう、ほこりまみれになって、
ずいぶんクタびれてる様子だ。どっから来たね」
娘「ヘエ、安孫子の在から、夜通し歩いて来ましただ・・・」
亭「いやア、そりゃたいへんだ。で、どこへ行きなさる?」
娘「行くアテはねえだ。どっか奉公サしてえと思ってるだ・・・」
亭「うーん、そいつア危ねえ話だなア。
 江戸てェところは、生き馬の目ェ抜くってェくれえなもんだからナ」
娘「エ、あンですだと?」
亭「生きた馬の目の玉ァ抜くんだよ」
娘「ハレ、馬の目玉ァ抜いてどうするだ、
 つくだ煮にでもするのけエ?」
亭「なに、馬だからつくだ煮にゃしやしねえ、
 ウマ煮にして・・・あ、いやいや、
 そんなくだらない話をしてるんではない・・・。
 西も東もわからねえで、ましておめえさんのような
 きれいなねえちゃんが、マゴマゴしてると、
 悪いやつにブツかったら、とんだ目に会う。
 奉公口なら、どうだ・・・。
 私が世話してもいいんだぜ・・・」
娘「ハレマ、フンとですだか・・・」
亭「あア、なんならうちへ奉公してくれてもいいんだ。
 サ、サ、ま、くわしい話はあとにして、
 疲れていなさるだろう。うちへ上がって、お休みなさい」
娘「おら、宿賃持ってねえ・・・」
亭「そんなもの、心配いりゃしねえ。さアさ・・・
 足ィすすいだら、この階段をトントントントーンとあがってナ、
 廊下ァ、まっすぐ行くと・・・右へまっすぐだぜ。
 左へまっすぐだど、非常口から落っこちて、
 小便つぼへはまるから・・・。右へまっすぐ行って、
 一番奥の部屋・・・ああ、六畳だ。
 そこがあいてるからナ、勝手に押し入れから
 ふとんひっぱり出して休みなせえ」
娘「へ、ヘエ、すみましねえだ」
亭「昼間ンうちは、忙しいから、相手はできねえが、
 夜になったら、部屋へ行って、
 とっくりと相談に乗ろうじゃねえか、
 あ、真っ暗な中じゃ、人違いでもしたらいけねえ。
 ここに、麻裏の羽織がある。
 こいつを裏ッ返しに着て行くからナ。
 暗がりでも、手でなでて・・・。
 あァ、なでてごらん、エ、その手ざわりをよく覚えておくんだ、
 ナ。その手ざわりが入って来たら、
 黙って中へ入れるんだ。
 どんな悪いやつが狙うかわからない、
 その手ざわりがなかったら、大きな声を出してさわぎなさい。
 この手ざわりがあったら、黙ってる、
 えッ、何があっても声を出さない。いいね、わかったね?」
娘「へエ、ありがとうごぜえます。
 そんならおことばサあまえまして・・・」
トントントントンと二階へあがる。
亭「おう、悪いヤツにゃ気をつけるんだぜ、おい・・・」
なに、てめエが一番、悪い・・・。

客「おう、おやじさん、いるかい?」
亭「へえ、いらっしゃい、おう、旦那ですかい?」
客「どうだい、近ごろア・・・
 たまにゃ、かわったいい娘ァいるかい?」
亭「あ、ちょうどよござんした。今夜いるよ、
 もうできたてのホヤホヤ・・・」
客「つきたての餅じゃァねえや。
 なンだい、そのホヤホヤてえのは?」
亭「ヘエ、田舎から出たばかりってエ、
 まじりっけなしのオボコ娘を仕入れたんで・・・」
客「おやじさんのオボコ娘はあてにならねえや、
 こないだなんかは、てえへんなアバタ面をあてがわれたじゃねえか。
 文句いったら、顔に、ボコボコ穴があいてるから、
 オボコ娘だ・・・ッてやがる」
亭「いえ、あのう、今日はもう間違ェのねえところで・・・」
 ええ、糸も通したことがねえという新鉢なんで・・・。
 その代り値はちっと張りますぜ」
客「いくらだい?」
亭「二分です」
客「二分?二分とはまた、気張りやがったナ、
 格子女郎なみだ。ま、いいや、
 新鉢ってェなら・・・ホラよ、二分金だ」
亭「ヘエ、どうも、ありがとう存じます」
客「女ア、どこにいるんだ?」
亭「ええ、この二階をトントーンと上がりましてネ、
 右へまっすぐ行って、右ですぜ。
 左ィ行くと非常口から落っこちる。
 右ィ行って廊下の一番奥の部屋なんで・・・。
 あッ、この羽織をね、裏返しに着てっておくんなさい。
 手ざわりでもって、黙って迎え入れる話が、
 デキてるんですから・・・」
客「あ、そうかい。じゃ、ちょいと行って來らア」
亭「ヘエ、行ってらっしゃい。あ、右ですぜ。
 左ィ行くと落っこちるから・・・」
トントントントーンと二階へ上がって行きまして、
半刻もすると、トコトコ、トコン、トコン・・・降りて來る。

亭「いよッ、旦那ァ・・・おたのしみ。どうです。
 よかったでやしょう?」
客「(ため息)何ヲ言ってやンでえ。
 おう、おやッさん、何がオボコ娘だよ、
 あれが・・・えッ、何が新鉢でえ!」
亭「へッ、ど、どうしたんで?」
客「羽織の手ざわりも何もありゃしねえや。
 部屋へはいると、いきなりしがみついて来て、
 鼻息を荒くしてよ・・・」
亭「はてネ?」
客「下ァ大ほころびが切れてやがって、
 たちまち、グショグショになりやがって・・・」
亭「へーえ?」「腰ァ使う、茶臼ァつく、
 おまけに、おれが一ぺん行くうちに、
 三べんも行きゃァがった。
 あれがオボコ娘たァすさまじい、金ェ返せ」
亭「おかしいナ、そんなはずァねえんだがナ。
 廊下のつきあたりの・・・左ィかわの
 部屋にへえったんでしょうナ」
客「なンだかしらねえが、おめえが右々とさわぐもんだから、
 右ッ側の部屋に入った」
亭「えッ、右ッかわ?し、しまったあ!」
客「ど、どうしたんでえ?」
亭「そ、そりゃァ・・・あたしの、女房です・・・・」
おあとはよろしいようで…



歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても仕方がないが
 何処に置いても飾っても
  歌も花も、枯れてゆく……
  人生、絵模様、万華鏡…


夜の阿呆鳥 小林旭



定本艶笑落語
さるお屋敷の若様がお嫁さんをおもらいになりました。
ところがこの若様というのが堅いお人で、
いまだ童貞でございまして...
さて、初めてのお床入りということになりますが、
いったいどうしたらどうなるのか、
皆目見当もつかない。そこで、爺にこっそりときいてみた。
爺 では、若、こういたしましょう。
 この爺めが次の間に控えまして、
 太鼓にて合図をいたしましょう。
若 太鼓にて、ふむ。で、いかがいたすのじゃ?
爺 さよう。まず、若が姫様の上に、お乗り遊ばしませ
若 予が、上に乗るのじゃな
爺 御意  しかる後、若のお道具を姫様の秘め所に
 おあてがいなさいませ
若 うむ、予の抜き身を姫の秘め所にな
爺 御意  そのとき、拙者が太鼓をひとつ叩きまする。
 その一番を合図に、まず若はお道具を秘め所に、
 ズズイ、とお進めください
若 なんと、ズズイと...差し込むのじゃな
爺 御意  しかる後、拙者が二番太鼓を打ちますれば、
 こんどは中ほどまでお抜きくだされ
若 中ほどか。全部抜くのではないのだな。
 ふむ。一番で入れ、二番で中ほどまで抜くのじゃな。
 ふむふむ...
爺 三番でまた入れ、四番で抜く。
 つまり太鼓の拍子の通りになさいませ
若 うむ! 心得た。大儀であるぞ
どーん...どーん...どーん...
爺は忠義の心をバチに込めまして、
ゆっくりと一番、また一番、おごそかに太鼓を打ち続ける。
すると、襖が三寸ほど開きまして
若 爺...
爺 はっ!
若 もう少し早打ちにいたせと、姫が申しておる...
そもそも、「姫」という言葉の響き自体が
エロティックだ...と思うのは私だけでしょうか?
お後がよろしいようで…



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる





P R
きれいなお風呂・宣言 

お風呂物語