流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

妄想劇場・番外編

妄想劇場・番外編

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、



東京ラプソディ- 小柳ルミ子




「東京ラプソディ」藤山一郎主演の音楽映画。
P.C.L.映画製作所、佐伯孝夫原作、
永見柳二脚本、伏見修監督作品。


金持ち文化人が歌手を育てる計画を練り、
選ばれた歌の上手い洗濯屋が、
町一番のラッキーボーイになるはずだったが…、


その日以来、鳩子は、若山を想うばかり、
ぼーっとした生活になり、
商売の煙草を間違えたりするようになる。
そんな鳩子の店に、洗濯屋の従業員が、
若旦那のポスターを貼らせてくれと持って来る。
ある日、マキと鳩子の家に、とある屋敷でのパーティに
来てくれと言う若山の事務所からの招待状が届くが、
貧しい自分達への当てつけと受取ったマキは、
鳩子の目の前で破ってしまう。
招待状を送った別井は、そのパーティがあった夜、
若山、ハルミと共にタクシーで帰りながら、
何故、鳩子たちが来てくれなかったのかと戸惑っていた。
素直に喜んでくれると思い込んでいたからだ。
途中で、喫茶店に立ち寄った彼らの姿を見かけた
ある女性客グループが、若山の姿に気づく。
その内の一人に声をかけられ、
相手を観た若山は驚く、それは幼馴染みだった
千代子だったからだ。しかし、
仲睦まじく話している二人の様子を観ていた猪俣は、
若山を下品にからかう。
若山の歌声は、ラジオ等からも
頻繁に聞こえるようになって来る。
すっかり売れっ子状態になり、
事務所に釘付けになった若山に、
たまには息抜きをさせてやろうと、
猪俣は、彼を強引に料亭に誘う。
一方、すっかり縁遠くなってしまった鳩子だったが、
それでも、風で煙草屋に貼ってあった
若山のポスターが飛ばされると、
拾いに行って、写真の若山をジッと見つめるのだった。
渋々、料亭について来た若山だったが、気分は上の空。
そこへ現れた芸者蝶々が彼に声をかけて来たので、
振り返ると、何と、あの幼馴染みの千代子ではないか。
先日の喫茶店での様子を勘違いした猪俣の計らいだった。
気を利かせた猪俣が、早々に席を立ってしまったので、
二人きりになった若山と千代子は、
幼かった頃の想い出話に花を咲かせる。
病弱の父親や妹、弟があった為、
若くして芸者に売られてしまった千代子は、
あの無邪気だった頃に返りたいと打ち明けるのだった。
同情する若山に、でも近い内に遠い所に行くので…と
言いかけた千代子だったが、
驚く若山の顔を観て、今のは冗談と打ち消した後、
又、来てくれと頼むのだった。

翌日、相変わらず自由がない事に
不機嫌な若山の様子を観た猪俣は、
夕べの芸者との一件の事だろうと、
ハルミに耳打ちする。
それを聞いたハルミは、そのゴシップは宣伝に使えると、
早速新聞社に伝え、若山と芸者のゴシップ記事が
新聞に載ってしまう。
それを読んだマキは、ますます鳩子に、
もうあんな男の事を想い続けるのは止めろと忠告する。
煮え切らない鳩子の様子を見かねたマキは、
ホールに出かけると、船橋と相談し、
一緒に、おそらく金目当てで若山に近づいていると思われる
芸者の元へ直談判しに行く事にする。
そんな事態になっているとは知らない別井は、
その日もホールにやって来るが、
目当てのマキがいない事を知る。事務所では、
新聞を読んだ若山が、事実無根の内容だから、
新聞社に抗議に言って来ると息巻いていたが、
ハルミは、宣伝のため、わざとこちらが
提供したネタだからと引き止める。
それを聞いた若山は、そんなにまでして売れたくないと、
その日予定していた吹き込みをキャンセルして
外に飛び出して行く。
久々に、靴磨きのとし坊に会った若山だったが、
もうとし坊は歓迎してくれなかった。
何故か、店にいない鳩子も泣いている。
もう、おじさんとは会わないだろうと聞かされた若山は
愕然とする。
その頃、マキと舟橋は、鳩子を連れて料亭に向うと、
指名してやって来た千代子に対面していた。
短気なマキは、開口一番、
若山には、この鳩子と言う恋人がいるのだから、
懐目当てに近づくのは止めて欲しいと切り出す。
それを聞いた千代子も、懐目当てと言われ、気色ばむ。
自分と若山とは、幼馴染みに過ぎないと言うが、
頑固なマキは信用しない。
そこに割って入った船橋が冷静に、
若山との事を尋ねると、新聞記事はねつ造に過ぎず、
二人の間には全く何もないのだと千代子が説明する。

その後、今後、自分は二度と若山に会わないと
約束するので、一度、この鳩子と二人だけで
話させてくれと言う千代子。
二人きりにすると、巧く丸め込まれるかも知れないと
警戒するマキを説得し、舟橋は部屋の外に
一緒に出て行く。
鳩子と二人きりになった千代子は、
窓際に一緒に腰掛けさせると、自分は、
後4、5日後に、九州の小さな温泉場に行く事になっている。
芸者なんて、お金一つでどこへでも
やらさせる立場なのだと告白しはじめる。
その打ち明け話を聞き、マキや船橋にも教え、
自宅に帰って来た鳩子は、
部屋で待っていた若山と出会う。
その頃、若山が飛び出して行ったとハルミから
聞かされた別井は、自分達の考えは
間違っていたのではないかと言い出す。

鳩子の部屋では、若山がもう、
自分は歌手なんかになるつもりはなく、
皆と同じような生活に戻りたいと打ち明けていた。
しかし、今日、千代子と会い、
九州へ飛ばされる彼女の不幸な境遇を聞いたと
打ち明けたマキは、若山に事情を話し話し、
彼女を助けるためにも、
そんな意気地のない事を言ってはいけないと
叱咤激励する。
鳩子も、及ばずながら、これまで溜めて来た
なけなしの貯金を出す事にしたと言う。
舟橋も、私たちは、まだ若いんだからと励ます。
友人たちの激励を聞いた若山は、
自分の考えを改め、すぐに事務所に戻ると、
ハルミに、これまで自分は
人に無理矢理やらされて来たと思っていたが、
これからは自分自身が町中の人々に
歌いかけてみたいと決意を話す。
それを聞いたハルミは、待ってましたとばかり、
猪俣に電話を入れると、予定していた
「東京ラプソディ」の吹き込みを明日やりたいと報告する。
やがて、町中に「東京ラプソディ」の歌が流れ、
町の人々の誰もが、その曲を口ずさむようになるのだった。
そんな中、若山は鳩子に婚約指輪を渡していた。…

おわり


浮世舞台の花道は  表もあれば裏もある
花と咲く身に男がいれば、咲かぬ花には、
女あり ...



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる






P R
きれいなお風呂・宣言 

お風呂物語