流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想……

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

幸せな家庭生活が妻の病死により一転、
悲しみの毎日へと変わった。
幼子を抱えて生きてゆくには
多くの人々の支えがあった。
精一杯生きる中での様々な出会いと
悲しい別れを繰り返し、
不思議な出来事にも遭遇する。
そして、そこには新たな愛が存在していた。……


Author: 壇次郎


どんぐりからの手紙 (第10話)

隆がもうすぐ小学生になる頃です。
保育園最後の日のことでした。
この日は百恵先生にとっても、
最後の保育士生活の日でもありました。
彼女は結婚して栃木県宇都宮市
嫁いで行くとのことでした。その頃の隆は、
百恵先生に頬擦りしてもらって別れることからは、
すでに卒業していました。
百恵先生は隆と最後の別れ際に、
「たかし君、たかし君、
先生も今日でお終いだから、
最後にプイプイしよう?」と言ってくれました。
しかし隆は、「いやだよ!
じぁあね。バイバイ !」 と言って、
さっさと私の車に乗り込んでしまいました。
私はこんな優しい百恵先生に、
全く言葉が出ませんでした。
お礼を言いたいことはたくさんあるのに、
一言の言葉にもなりませんでした。
私は、百恵先生に深々と頭を下げました。
「元気でね」と、隆に手を振る百恵先生の
大きな瞳から、一粒の涙が零れ落ちるのを
私は感じました。
百恵先生、是非とも幸せになって下さいね。
そして、また、機会があったら、
多くの子供たちの寂しい心を
満たしてあげて下さいね。
今まで、本当に、どうも有難うございました。

隆は元気良く、小学校に通っていました。
その日は、隆が小学校一年生の
運動会の日のことでした。運動会には、
私の姉夫婦もお弁当を持って
来てくれるとの事でしたので、
隆はとても楽しみにしていました。
しかし、姉の義兄の親類に不幸があり、
姉夫婦は急遽、その葬儀に行かねば
ならなくなってしまいました。
姉たちは朝早く、お弁当を届けに来てくれて、
そのまま葬儀に向かいました。
隆はひと足先に登校し、私は姉の
手作りのお弁当を持って小学校に向かいました。
日当たりの良い小学校の中庭に場所を確保したら、
私は隆の走る姿を写真に撮って回りました。
お昼の時間になりました。
隆は私を見つけるなり、走り寄って来ました。
徒競走で一等賞を取ったことを
何度も自慢気に話していました。
姉の作ってくれたお弁当は、
とても美味しそうなお弁当です。
しかし、二人では量が多すぎます。
隆は黙って大好きないなりずしをほおばっていました。
口をもぐもぐさせながら、
周りの家族の風景をじっと眺めていました。
どこの家庭でも、おじいちゃん、おばあちゃん、
お父さんがいて、母親が子供に
お弁当を食べさせている様子を、
隆は口をもぐもぐさせながら
黙ってじっと見つめていました。
そんな時でした。
我々からさほど離れていない場所で、
母子二人だけでお弁当を広げている親子の姿が、
ふと、私の目に止まりました。
隆の同級生の美紀ちゃんと、そのお母さん、
美恵子さんです。
私は美紀ちゃんのお母さんに見覚えがありました。
近所のスーパーでレジを打つ、
笑顔の素敵なとっても感じの良い女性でしたので、
私は半ば、心惹かれていたところでした。
美恵子さんは、小柄でほっそりとした女性でした。
瞳が大きく、長いストレートの黒髪を
いつも後ろでひとつに束ね、
特に化粧をするわけでも無い笑顔には、
男として心休まる雰囲気を感じることが出来ました。
その素敵な女性に、
我が子と同じ歳の子供がいたなんて、
少し、残念にも感じてしまいました。
美紀ちゃんが我々に気付くと、
「あっ、たかし君だ!」と、叫びました。
そして美紀ちゃんのお母さんは、私を見るなり、
びっくりした様子で、
「ご一緒にいかがですか?」と、
我々に声を掛けてくれました。
私と隆は、そんな言葉に遠慮もせず、
自分たちのお弁当を持ち、尻尾を振る様にして
美紀ちゃん親子の元へと向かいました。
美恵子「いつもお店に来て下さいますよね」
剛「ご存知でしたか?」
美恵子「ええ、いつもお一人でいらっしゃっていますし、
 男性の方お一人のお買い物って、
 けっこう目立つものですから・・・。
 それに、お身体が大きいですから、
 余計に目立っていますよ」
剛「それは、それは、お恥ずかしい。
 今日はご主人、お仕事ですか?」
美恵子「いいえ、うちは母子家庭なものですから・・」
剛「えっ、これは失礼しました。
 宜しかったら、これ、いかがですか? 
 美味しいですよ。我々だけじゃ、
 食べ切れませんから・・・」
美恵子「わぁ~、奥様、お料理上手なんですね」
剛「いいえ、これは私の姉がこしらえた物で・・・。
 うちは父子家庭なもんですから・・・」
お互いに、それ以上、家庭の事など聞きもせずに
会話がどんどん弾んで行きました。
私が草野球をしていると聞くや否や、
美恵子さんも野球が好きで、
ドラゴンズのファンだとの事でした。
更に私たち二人は今年のペナントレース
話に盛り上がって行きました。
隆も美紀ちゃんも、あっけに取られた様な顔をして、
私と美恵子さんの会話を覗き込み、
口をもぐもぐさせながら、じっと聞いていました。
一年生の運動会は、早めに終了してしまいます。
私はいつまでも美恵子さんと
話をしていたかったのですが、
名残惜しい気持ちを抑え、隆の手を引いて帰りました。

続く

Author: 夢庵壇次郎
http://www.newvel.jp/library/pso-1967.html


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



そして・・・雪の中 
唄・永井裕子





誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる






P R
きれいなお風呂・宣言 

f:id:campbll:20150127195502j:plain
 カビ汚れの無い、お風呂
バスタブ・タイル目地の黒カビ !!
~今日でさようなら~
バスルームの、
簡単・カビ防止コート剤!! 

カビシャット