流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

妄想劇場・番外編(18禁)

信じれば真実、疑えば妄想……


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18歳未満禁止の内容が
含まれています
18歳未満の方は
ご遠慮下さい。 
 

 
 

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!
アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい。


ぼくのパパは、変わってる。
ぼくのパパは、ニートだ。
でもぼくは、そんなパパが好き。……
若すぎた父親、揺ぎ無い愛を求めていた母親、
何も知らない無垢な子供。“幸せな家庭”の日常


ニートパパ』 (6)

夜、ふと目が覚めて、何か聞きなれない音を聞き取った。
じっと耳を澄ましていると、それが隣の
お父さんたちの寝室から聞こえているんだということが
わかって、お母さんの声だと気づいた。
前も、似たような声を聞いたことがある。
まるで動物の鳴き声のようだと思った。
お父さんがお母さんを虐めているのだろうか。
けれど、お父さんがそんなことするわけもなく。
眠気がぼくを襲う。瞼を閉じる。

いってらっしゃい、といつものようにお父さんと二人で
お母さんを見送った。
ぼくも、水着の用意とか準備して行かなきゃいけないんだけど、
玄関が閉まったタイミングでお父さんに質問をした。
「昨日なにしてたの?」
「はっ?」過剰に驚かれた。
「昨日の夜。なんか声がしてた」
「……どんな声?」
「お母さんの鳴き声。えーん、って泣くほうじゃないよ?」
「起きてたのか」
「うん。でも眠くてすぐに寝た」
「そっか……」
「ずっと前もおんなじ声がしてた。なにしてるの?」
「んー……」

お父さんは唸りながらリビングへと入っていく。
ぼくもついてった。
「お母さんと仲が良い証拠かな」
ふいに止まってお父さんは言う。
背中にぶつかりそうになった。
悲鳴みたいな声も聞こえたのに、
「仲が良い証拠」なんてなんかおかしい。
お父さんは振り返って、不思議そうにするぼくを見た後、
視線を外して少し間を空けて、こちらを見た。
「あんまりこんなこと言うの好きじゃないんだけど、
マキが大きくなったらいずれわかるよ」
「大人になったらわかるの?」
「そぉ――だな。恐らく小学六年より後か、
もしかしたらその前に知るかも。
いつか学校の授業でもやるかもね」

ますますワケがわからなくなった。
「学校の授業でやることをしてたの?」
「ごめん、訂正する。学校の授業で、教わる。
実際にそれをするわけじゃない」
ぼくは思いきり首をかたむけた。
「もっとよく知りたい?」
無言でうなずく。
するとお父さんはいきなり、ぼくを抱きしめてきた。
後ろに回した手で頭を掴まれながら、
ぎゅっと強く力をこめられる。
「おとうさん――」
嫌がってみせたけれど、お父さんは力を緩めない。
「おとうさん、苦しいよ。暑いよ」
「今日は曇ってるし、昨日よりはいいよ」
抵抗する言葉を失くす。お父さんも何も言わない。
言葉の無い時間が流れる。なかなか離してくれなかった。
抵抗する気が無くなったぼくは、じっとしつづける。
そのうち頭を撫でられた。

「お母さんとは、こんなふうに抱きしめ合ってた
ようなものだよ」
「抱きしめ合ってあんな声が出るの?」
「抱きしめるよりも深いことをしてたんだ。
お互いにちゃんとした愛情を伝えてた、って感じかな」
それ、ぼくの質問に対する答えになってない。
訊こうと思ったら、ようやくお父さんはぼくを離して
立ち上がった。口を開こうとしたけれど、
どこか怖い表情で見下ろされる。

「マキは、お父さんとお母さんが仲良くするの、嫌?」
「ううん」首を振った。
お父さんのことも、お母さんのことも好きだ
(特にお父さんのほうが面白いから好き)。
その二人の仲が良いのは、良いこと。
「お父さんが、お母さんを抱きしめるのは、嫌?」
「全然」また首を振った。
「お父さんはぼくばっかりで、お母さんのこと
全然抱きしめないんだもん。
もっとお母さんを抱きしめたほうがいいよ」
そう言ってみせるとお父さんは微笑んだ。
「そんなふうに言えるマキは良い子だな」
ちょっと嬉しかった。

「マキ」反応するように「なに?」と返事。
「責任を持って、人を愛するんだぞ」
また、怖い雰囲気でぼくを見下ろしながら、そう言われた。
「自分の欲だけで人と交わろうとするなよ」
「しないよ」
お父さんの言った意味はわかんなかったけれど、
抵抗するように口にした。
「変なこと言ってごめんな」お父さんは微笑み、
時計などが置いてある棚の方に目をやった。

「まあ、マキが人の愛し方を間違えるはずもないか……」
そう呟いて、ぼくに視線を戻し、「マキ」と呼ぶ。
「なに?」
「時間、もうやばいぞ」
ハッとして、時計を見た。確認したその時間は、
歩いて行ったら確実に遅刻になる。
「お父さん!」怒り気味に言ったのに、
目の前の人はくっくと笑う。それを尻目に、
ぼくは家の中を走った。

確かに、今日は昨日より暑くない。
けれど、じめじめとしていて不快だった。
「はぁ、はぁ、はぁ」風も無い。
走っても、蒸し暑い空気がぼくの身体に纏わりつくだけ。
巨大なサウナの部屋でランニングしたら、きっとこんな感じ。
「はぁ、はぁ、はぁ」それでも、走った。
だって通学団の人たちはもちろん、
道の先には登校している人たちもいなかったから。
ランドセルの中がゴトゴト、ガシャガシャと音をたてても、
構わなかった。どれだけ身体が熱を上げても、
一時間目はプールの授業だから逆に気持ちいいはず。

「――あァッ!」……思い出した。
走るのをやめて歩き出す。手荷物を確認。
なんにも持ってないけれど。水着を、忘れた。
「はあ……」溜め息が出た。
ぼくは泳げないけどプールは好きだ。
だが今から戻れば、絶対に遅刻することになる。
「とうさんのバカ……」
プールを諦めて、真っ直ぐ学校に向けて走り出した。


つづく
Author :水谷広人

『センチメンタル・番外編 』(センチメンタルゲイブルース)




Tinko_2
人の為(ため)と
書いて
いつわり(偽)と
読むんだねぇ 

 
 
 
子を持つも持たぬも人の宿命(さだめ)なり
日に日に努めて行かむ
あなたの人生なんだから好きなように
お行きなさい(生きなさい)



入れてもらえば気持ちは良いが、
  どこか気兼ねなもらい風呂
 

 
 



P R
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