流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

妄想劇場・番外編(18禁)

妄想劇場・番外編(18禁)

信じれば真実、疑えば妄想……

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18歳未満禁止の内容が
含まれています
18歳未満の方は
ご遠慮下さい。 
 
 
 

 
メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !! 
アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい。


母子家庭で、生真面目な人生を送ってきた
高校生の涼也。
ある日、母親から、東京で夜の仕事をしていた
25歳の従姉が家に来て、一緒に住むと告げられる。
涼也は、◎◎をふるう従姉が大嫌いだった。……


『アベレージ』 エピローグ

どんな人生を送ってきたとしても、どんな職業に
就いていようとも、それは性別に関係ない。
弁護士だろうが、ミュージシャンだろうが、
AV女優であろうが、子を持つ専業主婦であっても。
女性には女の子らしさがずっと根っこにある。
涼也は彼女と過ごして、そう理解していた。

奈々は生きてきた過程の中で孤独を
抱えざるを得なかった。
少なくとも僕は父と母に本気で殴られたことなんてないし、
父は離婚して家に居ないけど、会えば色々話してくれる。
母は口うるさいところもあるけれど、
息苦しくなるほどきついわけではない。

奈々は普通の女の子ではいられない場所で
生きてきた。
僕が奈々のような環境に居たのなら、
きっと耐えられなかっただろう。
異端視していたけれど、彼女は同じ人間だ。
冷静に考えればそんなの当然。
面白いことには笑い、嫌な言葉には怒る。
涙を流して手首を切る。痛みを感じる。
ただのゲームに感情を動かされる。
気遣いをする。悪戯をする。
楽しいことはもう一度やろうと言う
。これらはきっと当たり前のこと、
人としての普通。
奈々は純粋に、人間らしい。

「さっきから何ヒトの顔みてんの?」
食事している奈々の横顔をじっと見ていると、
彼女はその視線に気付いた。
「いや……」
「涼也、好きなら好きって告白しなよ」
そう言って母は冗談のように笑う。
前も言った言葉だった。
「ケイコさんそれ前も言ったよね~」
「涼也があんまりなっちゃんのこと見つめるから、
気になっちゃって仕方ないの」

「きもちわるぅい」
奈々からそんなふうに言われるのは、
涼也にとってショックだった。
「見てて悪かったね」
「なんで涼也はなっちゃんのこと見てたの? 
あ、怖いからだっけ」
「まだあたしのこと怖いの?」
嘲るように奈々は笑う。
「いや、もう怖くないよ」
「じゃあなんでなっちゃんのこと見てたの?」

この際、言ってやろうか。
母は案外認めてくれるかもしれない。
奈々はどうなってしまうか、わからないけれど。
少し沈黙して、涼也は母と奈々の顔を交互に見た。
そうして奈々に視線を合わせる。
「好きだから」


ぶっ、と二人が同時に吹き出した。
「この子、ホントに言った」母は一口お茶を飲んだ。
「冗談でも止めてよ」奈々もお茶を飲む。
「冗談でもない」涼也が言い放ってみせると、
母がお茶を吹きそうになった。
噎(む)せて、何度も咳いた。
「ほら、リョウがおかしなこと言うから……」
奈々は母の背中をさする。「ケイコさん大丈夫?」
「母さんが元々おかしなこと言い出したんじゃん。
それに、僕は本気で言ってるからね」
奈々のさする手と母の咳が止まった。
「この子、本当に本気みたいよ?」
「えぇ、そんなこと言われても……」
奈々は動揺して目を泳がす。視線が涼也に合った。

「あたしなんか、好きにならないほうがいいよ」
「もう遅いよ。とっくの前に大好きになったんだから」
ギャー、と母が声をあげた
。「よくお母さんの前でそんなこと言うのねえ」
「母さんが言うきっかけ作ったんじゃん」
「そうかもしれないけど……」
母は奈々に顔を向ける。「なっちゃん、どうするの?」
「どうするって言われても……」
なっちゃんと涼也は親戚同士だから、
結婚もできるけれどねえ」

奈々はうろたえていた。表情が暗い。
口にしてはいけない言葉だっただろうか
別に僕のこと、好きでもなんでもないのかもしれない。
断られてしまうのが怖い。もう、先に手を打とう。
「冗談だよ」涼也は笑ってそう言った。
二人は同時に「え?」と声をあげる。

「ちょっと涼也、それはひどい」低い声音で母が言った。
涼也は「え?」と声をあげる。
「本気かと思って真剣に悩んじゃった……最低」
「あーあ、なっちゃんの乙女心踏みにじった」
「えー!」
奈々は、はあっと溜め息をつき、
「最悪……」と言って両手で顔を覆う。
涼也は意味がわからなかった。
どうしてこんな状況になっているのか。
次第に奈々は「最低」と呟きながら、啜り泣き始める。
そんな彼女の頭を母が撫でた。
「涼也がなっちゃん泣かせた」
「リョウに告白されて、嬉しかったのに」
なっちゃん、涼也のこと好きだったの?」
「わかん、ない……でも、男の子から告白されたら、
 嬉しいよ」
それなのに、それなのに。
奈々は繰り返し呟いて小さく嗚咽する。だが、
それは本気で言っているようには思えない。
怪しすぎた。「演技でしょ?」
「うわーん!」 突然大きな声で泣き出した。
「もお、涼也はデリカシーがないんだから……。
ごめんなっちゃん、こんな息子で」
「ケイコさん悪くない」
「ううん、私が育てたんだから私の責任。
なっちゃん綺麗だし可愛いし、
男なんていっぱいいるんだから、涼也のことなんて忘れて」
「忘れ、られるかなあ」奈々がえぐえぐと泣く。
それがわざとらしすぎた。
やはり演技としか思えなくて、涼也はじっと二人を観察する。

奈々がチラッと涼也を見る。その目は赤くなっていない。
「泣いてないでしょ?」
「泣いてないよ?」と、あっさり認めて顔を上げた。
「リョウの心は冷たいから騙せないか」
「もうちょっとなっちゃんのこと心配してあげなさいよ」
母はアドリブで合わせていたようだ。
「ちょっとは心配したよ」
「あ、したんだ」と、奈々は嘲笑する。
「ちょっとじゃなくて、もっとちゃんといたわりな」
説教的に言って母はきゅうりの漬物を口に頬張った。
「女の子は繊細なんだからね」
奈々もしょうが焼きを頬張った。
母と奈々の顔を見比べるとよくわかるが、
奈々は楽しそうに顔を緩ませていた。
穏やかで、幸せそうにみえる。
そんな顔を見ていると、涼也は未だに「愛川なるみ」の
DVDが入っていたケースを持っていることに罪悪感を覚えた。
……部屋に戻ったら、もう捨ててしまおう。
あれを見られて奈々の表情を曇らせたくない。

奈々は咀嚼しながら、ふと涼也を見る。
目を合わせて、そっと微笑んだ。
それが涼也の胸をつつき、ときめきをくれた。
涼也も彼女に微笑みを返す。
彼女は、笑っている。
その自然な笑顔がまさしく、
平均的な普通の女の子である証拠だった。

終わり
Author :水谷広人



『潮騒のゆくへ』-桐原エリカ-





Tinko_2 人の為(ため)と
書いて
いつわり(偽)と
読むんだねぇ
 
 
 

子を持つも持たぬも人の宿命(さだめ)なり
日に日に努めて行かむ
あなたの人生なんだから好きなように
お行きなさい(生きなさい)



P R
    カビの生えない・きれいなお風呂     
     お風呂物語  

 ありがとうございました。