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流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

妄想劇場一樂編

妄想劇場一樂編

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

いしだあゆみ 「砂漠のような東京で」
作詞:橋本淳:作曲:中村泰士

決して私は言葉では
愛を知ろうと思わない
生まれながらの純情と
この手であなたを受けとめる
砂漠のような東京で
貴方一人のしもべとなって
花になるのよ枯れはてるまで
私は私は決めたのよ





「どこが痛いの?・・・」

浅木陶子はもうすぐ5歳になる息子が泣きわめくのを見て、
溜息をついた。
「パパ、パパ~」テレビのCMで一家団らん、
幸せそうに食事をするシーンが映し出された。
鍋料理に使う調味料のメーカーのものだ。

それを見ていて、突然、息子の哲史が
「パパに会いたいよ~」と泣き出したのだ。
陶子は、いわゆるシングルマザーだ。
何も好き好んでそうなったのではない。
夫が浮気をしていたのだ。それも、ずっと騙されていた。

1年半ほど前のこと。
陶子が勤めていた会社の後輩の女の子から
電話がかかってきた。
久しぶりの声に、話が弾んだ。
「ランチ時に外へ出る仕事があって、  
陶子さんの家の近くまで行くのでお茶でもしませんか」と
言われた。

ずっと、育児に追われて疲れていたので、
「行く行く!」と誘いに飛びついた。
駅前のカフェでケーキを食べながら、
30分ほど勤めていた時分の噂話で盛り上がった。
社内恋愛で結婚したので、
陶子と夫のことを後輩の彼女もよく知っているのだ。
別れ際に、後輩は言いにくそうにポツリと漏らした。

「陶子先輩・・・実は・・・」
それが、夫の浮気の話だった。
社内では、知らぬ者のいないほどの噂になっているという。
相手は、こともあろうに、陶子と同期の女性だった
。もちろん、信じられなかった。 信じたくなかった。
それだけに、夫に問いただすのが怖かった。
怖くて怖くて、夫が帰る前に、
会社の電話番号を押していた。

浮気相手と教えられた同期の女性に電話を回してもらう。
「浅木の家内ですが・・・」と、それだけ告げると、
相手は絶句した。
お互い次の言葉を発することなく、無言の状態が続いた。
そして・・・。
もう、あの日のことは思い出したくもなかった。

しかし、月に一度、どうしても思い出さざるをえない日が
やってくる。
離婚後、息子の哲史を夫に合わせるという
約束になっているのだ。
本当は、哲史を元の夫に会わせたくはない。
しかし、哲史は「パパ、パパ」と、ものすごく慕ってるのだ。
「あんな人」と言うと、反発して泣き出す。
「そんなこというママはきらいだ」と言われた。
ショックだった。
先週の日曜日が、「その日」だった。
元・夫が哲史をアパートまで迎えに来る。
もう2度と会いたくないが、まさか5歳の子供を
一人で電車に乗せるわけにもいかない。
かといって、悔しくて悔しくて、
こちらから送り届ける気にはなれない。
それが、離婚して5回目の面会だった。

帰ってくるなり、哲史はハイテンションになっていた。
「ママ~、パパがねぇ、これ買ってくれたよお~」と
無邪気に見せにくる。
それは、少年誌で 空前の大ヒットをしている
マンガのキャラクター・シールだった。
それも、何十枚もセットになっている。
「あら、いいわねぇ」と口にしつつも、
陶子は右頬をゆがませた。

それは、元・夫が毎週欠かさず楽しみにして読んでいた
マンガだったからだ。
取り上げて捨ててしまいたくなる気持ちを、
グツと抑えた。
陶子が夕食を作っている間、哲史は黙って
テレビを見ていた。
父親に会った日は、いつもより素直になる。

「ご飯よ~、手を洗ってらっしゃい」そう言って、
居間を覗いて言葉を失った。
「何してるのよ!」陶子は思わず大声で叱った。
今日、父親からもらったマンガのシールを
あちこちにベタベタと張りまくっていたのだ。
テレビ、机、アルミサッシのガラス窓、
エアコンやビデオのリモコンなど、 それこそ部屋中が
シールで埋め尽くされていた。
いけないとは思いつつ、頭を叩いてしまった。
あっ、と思った時には遅かった。

「ごめん、てっちゃん」と呼ぶ前に大声で泣き出していた。
陶子は強く、哲史を抱きしめた。
哲史を寝かせてから、部屋中のシールを
剥がしてまわった。
このところ、だんだん元の夫に顔つきや仕草が
似てくるようで辛かった。
心の中で、「やっぱり、自分が引き取るんじゃ
なかったのかな」という思いがよぎった。

そして、翌日の月曜日。パートの仕事の帰りに
保育園へ哲史を迎えに行き、家に戻る。
ちょっと休憩をすると、疲れがドッと出て動けなくなる。
哲史には夕飯までの間、お菓子を与えておき、
その日の洗濯を片付けることにした。
このところの仕事や育児の疲れ、
そして、元の夫のことなどを考えるとストレスが
ピークになっていた。

朝からの偏頭痛がひどくなり、耳鳴りもする。
陶子は、市販の鎮痛剤を2錠飲み干した。
洗濯から戻ると、昨日1時間以上もかかって剥がした
テレビや机に、 何やら茶色のものがくっ付いているのが
目に入った。
近づいて見ると・・・それは、傷テープだった。
「てっちゃん!」大声で怒鳴った。
引き出しの薬箱から傷テープを取り出して、
マンガのシールと同じように部屋中にベタベタと
張りまくったのだった。

もう、怒る気力さえなかった。
テレビのアニメを見ていた哲史が、
陶子のほうを振り返った。
「もう、あんたなか知らない!」そう言うと、陶子は
寝室のベッドに倒れこんだ。
鎮痛剤は、いっこうに効き目がないようだった。
吐き気がするほど頭が痛かった。
それ以上に、心が痛くて、涙がとめどもなく流れてきた。

哲史がやってきた。「ママ~、ママ~どうしたの?」
なぜ叱られたのか、わからないようだ。
陶子も、わかっている。子供のことだ。
シールをあちこちに張るくらい大したことでは
ないかもしれない。
しかし、その向こうに元の夫の影を見てしまうのだった。
「ママ~」 「ごめんね、てっちゃん」
なんとか自分を抑えてそう言った。
「あっちで、テレビ見ててね」
「どうたの?」
「ママ、頭が痛いの」 「大丈夫?」
「うん、お薬飲んだから大丈夫だよ」
それを聞いて安心したのか、哲史は居間へ駈けて行った。

現金なものだ。 心配はしてくれるものの、
きっとアニメのほうが大切なのだ。
そう思っていると、再び哲史がやって来た。
「ママ~、どこが痛いの?」とうつ伏せになっている
陶子の顔を覗き込んで言う
。「ここがね、痛いの・・・」
本当は、頭が痛いのだけれど、少し身を起こして
左胸を指差した。嘘ではない。
事実、心が痛いのだ。そう答えると、

哲史が手にしていた物を、なにやらゴソゴソとやり出した。
「え!?」陶子は息子の声のほうを向いて、
身体を起こした。 すると、哲史が
小さな小さな手を陶子の左胸に押し付けてきた。
「・・・え?なになに?」
薄いピンクのブラウスの左胸に、少しシワができた
傷テープが張られていた。
「ママの痛いの治るかなぁ」陶子は、
心配そうな目で見つめる哲史をギュッと抱きしめた。


……終わり

Author:志賀内泰弘




Mituo 人の為(ため)と
書いて
いつわり(偽)と
読むんだねぇ 

 
 
 
子を持つも持たぬも人の宿命(さだめ)なり 
日に日に努めて行かむ
あなたの人生なんだから好きなように
お行きなさい(生きなさい)



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる




『水晶髑髏 』 オーパーツ




ヘッジス・ドクロの伝説・水晶ドクロ

1927年、フレデリック・アルバート・ミッチェル・ヘッジスは
養女アンナを連れてマヤ遺跡(ルバアンタン)の
発掘隊に参加した。
アンナは何か光るものを発見し、父を呼んだ。
こうやって発見されたのが、水晶ドクロである。

このドクロは「ミッチェル・ヘッジズのドクロ」または
「ヘッジス・ドクロ」、「ヘッジス・スカル」と呼ばれるものである。
極めて本物の頭蓋骨にそっくりで、
まるで頭蓋骨標本のようである。
調査の結果、機械加工の跡は見られなかった。 
このドクロを機械加工なしで作るとしたら、
150年~300年程度はかかるとみられている。

「マヤの遺産」「150年以上かかる」というのは、
ヘッジスがそう言っているという事以外、
全く証拠も根拠も掴めない。
発見のいきさつについても、ヘッジスが
ルバアンタン遺跡の発掘に参加していたのは確かだが、
アンナが参加していたという資料は全く無い。
ルバアンタン遺跡の発掘参加者や発掘された写真は
沢山残っている。
ヘッジスは確かに写真に写っているが、
アンナが写っている写真は一枚も存在しないし、
本来なら大発見のはずの水晶ドクロも写っていない。
しかも、ヘッジスは水晶ドクロ発見前の
1926年に、発掘現場を離れイギリスに帰国していることが
明らかになっている。

近年同じような水晶ドクロを、
ブラジル人の一家が半年程度でつくってしまったという。
見事な工芸品を手に入れたヘッジス親子の
でっちあげた話だというのが、最終的な結論だ。

大英博物館のドクロ
メキシコのアステカ文明の工芸品とされ、
1897年から大英博物館に収蔵された水晶ドクロが存在する。
ウェールズ大学教授、大英博物館科学調査部長
イアン・フリーストーン博士が調査を行った結果、
水晶ドクロはおそらく19世紀ブラジルの水晶を使って
ヨーロッパで作られたものである可能性が
非常に高いという結論に至った。
回転式の工具が用いられていることと、
水晶の材質がメキシコではなくブラジルで
産出されるものの特徴を持っていたことが
大きな根拠である。



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば言い訳になるから……