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流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

妄想劇場・特別編

妄想劇場・特別編

信じれば真実、疑えば妄想……
 
Mituo2_2

昨日という日は
歴史、 
今日という日は
プレゼント 
明日という日は
ミステリー

 
夢はでっかく、根はふかく。
花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 
根はみえないんだなあ


Author :長野県の山田久美さん。
『笑われても馬鹿にされても』

その年の6年生は荒れていました。
だんだんと大人になっていく自分を
もてあますかのように 先生を馬鹿にして
授業放棄をしたり、同級生や下級生に
暴力をふるったりといった児童が多く、
全校でも大きな問題となっていました。
もうすぐ音楽会という時期でした。
6年生は全クラスで一つの歌を 一緒に
合唱することが例年の恒例となっています。

ですが荒れに荒れた雰囲気の6年生は、
先生が指揮をしてもふざけて遊んでいるばかりで
みんなで歌うことができません。
そこで児童の中から指揮者を出すことになり、
以前他の学校から転校してきた
Mくんが選ばれました。

Mくんは張り切って、その大役に挑みました。
指揮台に立ち、全身で感情を
ほとばしらせるように指揮棒を振りました。
ですがそんなMくんを迎えたのは、
同学年の児童からの嘲笑でした。
彼らにはMくんのあまりに一生懸命な、
全身を大きく動かす指揮が目新しく、
おもしろおかしく感じたのでしょう。

「いいぞー!やれやれー!」
「なんだ、あれ?」といったヤジや
爆笑が起きました。
当然まともな合唱にはなりません。
ですがMくんはそこであきらめませんでした。
笑われても、からかわれても、
一生懸命、 全身全霊を注ぎ込むような
指揮をやめませんでした。
何日も何日も、何回も何回も、
Mくんは一心に指揮棒を振り続けたのです。

そのうち、子どもたちのMくんに
対する目が変わってきました。
だんだんとMくんの指揮に合わせて歌う児童が
増えていきました。
しばらくたつと全員がMくんの指揮に合わせて
合唱をしていました。
Mくんのまっすぐな努力が子どもたちに
迎え入れられた瞬間でした。

音楽会の日、プロ顔負けの
大きなアクションをつけ、
一心に指揮をするMくんと、
普段は荒れて暴れていることが多い
6年生の美しい合唱に、
全校児童も保護者もひきこまれていました。

会場となった体育館は静まり返り、
ピアノと6年生のきれいな歌声が響きます。
演奏が終わった後、客席から
大きな拍手が起こりました。
Mくんは他の6年生と共に客席を向き、
笑顔でおじきをしました。
またさらに大きな拍手が起こりました。

保護者の中には感動して目をハンカチで
押さえている方々もいました。
同学年の児童から信頼をよせられたMくんは、
中学生になってからも必ず合唱の際には
指揮台に立っているそうです。

思春期の子ども、特に男の子にとって、
友達から笑われること、
カッコ悪いと言われることは非常につらく、
受け入れがたいことだと思います。
一生懸命やるよりも、気のりしなさそうに、
仕方なくやるといったスタンスのほうが
かっこいい、 と思ってしまいがちな年頃でもあります。

ですが、あきらめずに自分が信じた方法を
貫き通し、 最終的に周りから絶大な信頼を得て
学年全員の姿勢を変えたMくんは、
多くの人に感動を与えました。
笑われても馬鹿にされても、
自分の信念を貫き一生懸命やりぬくことの大切さ、
尊さをMくんから学びました。。


《終わり》


【見知らぬ女性】



四葉のクローバ』

「ねえねえ、覚えてる?」
近藤響子は、自分よりも20センチ以上も背の高い
夫の智也を 見上げるようにしていった。
「なになに?」半歩先を歩く智也が振り返って聞き返した。
町の端を流れる大きな川の堤防。
気分転換に散歩も兼ねて、
スーパーへ買い物に出掛けた帰り道のことだ。
土手の下の河川敷では、草野球の試合が行われている。
「ピチャー、たるいよ~」 「打てる! 打てる!」
そんな声と重なり、響子の声が聞こえなかったらしい。

「あのね、一緒になった頃さあ、
あなたがまだ仕事に就いてなくて、  
どこへも行けなくて・・・」
「ああ、貧乏だったよな、ごめん」
「ううん、そうじゃないの。
ディズニーランドとか行けなかったから、  
お弁当を作って、よく近くの公園で食べたわよね」

響子と智也は大学の同級生。
二人は卒業と同時に結婚した。
しかし、智也は悩んだあげくに大学院に進んだ。
研究者として、教授に見込まれたのだ。
本人は研究を続けたいと思っていた。
そんな気持ちを察して、響子が背中をポンッと押した。

「私が食べさせてあげるわ」
響子は、小さな会計事務所に就職が決まっていた。
税理士の資格を持っているわけではない。
給料はすこぶる安い。 でも、
「なんとかなるだろう」と思った。

貧しい生活の中でも、工夫をして楽しみを見つけた。
それが、公園でのお弁当だった。
アパートから歩いて20分から30分で行ける範囲の
あちこちの公園へ、 毎週末のように出掛けた。
雨の日には、ショッピングモールのフードコートの席で、
自前のお弁当を食べたこともある。

響子は暮れから翌年の6月くらいまで、猛烈に忙しい。
個人の確定申告と会社の決算があるからだ。
資格がないので、ほとんど言われるままに働くしかない。
残業などという言葉はなかった。
繁忙期は10時、11時まで働くのが当たり前だった。

一方、智也も同じだ。研究室に1週間くらい
泊まり込むこともあった。
それだけに、二人で公園で食べるお弁当は、
格別の味がした。 幸せを感じるひとときだった。
そんな公園で、お弁当を食べ終わると、
響子はいつも地べたにしゃがみこんだ。
四葉のクローバーを探すためだ。

「ねえねえ、覚えてる?」
「なになに?」
「私さ、四葉のクローバーを探すの名人だったでしょ」
「そうだったなぁ」
「あなた、いつも悔しがってさ」

不思議だった。一緒になって四葉のクローバーを探すのに、
智也は見つけられないのだ。
それに比べて、響子は何本も見つけた。
一本見つけると、その近くに群生しているかのように、
次から次へと見つかった。

「こっちへ来てよ、たくさんあるから」と言って、
智也を呼び寄せると、不思議なくらい見つからなくなる。
四葉のクローバー探しの天才だな。
それはお前に任せるよ」と言われたものだ。
堤防に沿って歩くと、小さな児童公園があった。

「ねえねえ、ちょっと荷物を置いて、
あそこで四葉のクローバーを探さない?」と響子が言った。
「懐かしいねえ、いいよ」
実は、響子がそう言いだしたのには訳があった。
ただ10年前のことを懐かしんでのことではない。
それを心の中で理解していたので、
智也は同意したのだった。
このところ、いくつかの辛いことが続いていた。

響子の父親が脳梗塞で倒れた。
幸い、命はとりとめたが左半身に障害が残った。
長く住んでいたアパートを追い出された。
家賃が安くて助かっていた。
大家さんが高級マンションに建て替えるという。
それも分譲だ。 とても買える金額ではない。
右往左往して探した結果、
毎月の家賃の負担が3万円も増えた。
それでも子供がいないので、なんとか暮らせた。
しかし、悪いことは続く。
智也に目をかけていてくれた教授が大学を退官。
それとともに、校内の派閥抗争のとばっちりを受けて、
大学を追い出されてしまったのだ。
なんとか別の大学の講師の口を見つけたが、
給料はガクンと下がった。

他にもある。響子の腰痛がひどくなった。
父親の看病に疲れた母親が、
毎日のように深夜に電話をしてくる。
自分も疲れているので、早く切りたいが切れない。
まだある。洗濯物をハトがフンをして汚された。
隣室の子供のピアノがうるさい。
冷蔵庫が壊れて買い替えなくてはならなくなった。

響子は、児童公園のベンチに食材の入った
レジ袋を置くと、 花壇の周りに生えている
クローバーに駆け寄った。 目を凝らすようにして探す。
「僕もやろうかな」 「うん、探して」
最初は、すぐに見つかると思っていた。
なにしろ「四葉のクローバー探し」名人と言われた
響子である。 ほんの3分もかからないと思っていた。

ところが・・・。探しても探しても見つからない。
イライラしてくる。
響子は、占いを信じる方ではない。
必ずといっていいほど、女性雑誌には
占いのページがある。でも、ほとんど見たことがない。
しかし、このところの不運続き。
何かに頼りたいと言う気持ちが強くなっていた。
四葉のクローバーを見つけることで、
何かしら良い方向へと人生を
変えられるのではないかと思ったのだ。
それなのに・・・。

自信があっただけに暗くなった。
「ちょっと風が冷たくなってきたよ。もう帰ろうよ」
時計を見ると、40分くらいが経っていた。
智也にそう促されて、仕方なく立ち上がった。
持病の腰痛が、よけいに痛みだした。

薄暗くなりかけていた部屋の灯りを点けた。
気分を紛らわせるために、テレビをつけた。
智也は家に帰るなり、なにやらゴソゴソと
押入れの中を探し始めた。
「どうしたの?」と訊くと、
「う、うん」という生返事。
「夕ご飯は7時でいいかしら」

それにも答えず、押入れの奥から
大量の本を取り出していた。
研究者らしく、本に囲まれて生活している。
ただ、困るのは置き場所だ。
仕方がないので、押入れが本の倉庫になっている。
響子にはさっぱりわからない専門書ばかり。
半分は英語らしい。

「あった~!」 「なに?」
「うんうん、これこれ」急に微笑んで響子の方を見る。
智也が一冊の本を差し出した。
「え?」 「これ」
ずいぶん古い本だ。やはりタイトルは英語。
「扉のページを開けてみてよ」
言われるままに扉を開けてハッとした。
そこには、薄く茶色になった四葉のクローバーが
挟まっていた。
「これ、キミがくれたんだよ」

思い出した。智也が大学院を卒業して、
母校の講師になったときプレゼントしたものだった。
なぜ、覚えていたのか。
その時、一緒に渡した一筆箋も挟まっていたからだ。

そこには、「就職おめでとう!  
小さくてもいいから、幸せな家庭を作りましょうね。
響子」と書かれていた。

響子は思った。こんな近くに
四葉のクローバーがあったんだ!
幸せは、すぐ近くにある。
智也の笑顔を見て、 こころの底から
力が湧いてくる気がした。


Author :志賀内泰弘


【バトンタッチ】



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる







P R

きれいなお風呂・宣言 

furo

お風呂物語