流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

妄想劇場・番外編(18禁)

妄想劇場・番外編(18禁)

信じれば真実、疑えば妄想……



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18歳未満禁止の内容が
含まれています
18歳未満の方は
ご遠慮下さい。 

 
 
 
 
メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!
アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい。


ぼくのパパは、変わってる。
ぼくのパパは、ニートだ。
でもぼくは、そんなパパが好き。……
若すぎた父親、揺ぎ無い愛を求めていた母親、
何も知らない無垢な子供。“幸せな家庭”の日常


ニートパパ』 (4)

「じゃあ先週言った通り、今日は検定をします」
先生の言葉で、もうそんなにも時間が
経ったんだなあっとしみじみ思った。
「前回と同じように、検定は二人ずつやります。
これは勝負ではありませんので、隣の子を意識して
張り切り過ぎないように」
ぼくの中でちょっとひっかかる。レナとのことが。
「まだ五十メートル泳いでない人も、
二十五メートル泳いでない人も、
いけるのなら百メートルを泳いでもらっても
構いません。

ただ、絶対に無理をしないように。
ダメだと思ったら足をつきましょう。
待ってる子はプールサイドで泳いでる子を
応援してあげましょう。
終わった子は、勝手にプールへ入らないように。
なんか質問ある人いる?」
先生は軽く手を挙げる。「いないね? 
じゃあ番号順から」
呼ばれた二人がプールに入り、
位置につき、先生の笛でスタートした。
次々と泳いでいき、すぐにぼくの番がくる。
「菅原真崎君、鈴木勇人君」
ちょっとだけ緊張しながら、どうせ無理だけど
一応頑張る気で立ち上がった。

「よし、マキにオレたちのパワーを送るぞ」
カズキの声が聞こえた。応援してくれるのかな、と、
顔をそちらに向ける。「およぐなーおよぐなー」
よしひろ君と一緒に、両手をぼくに向けて
変な念を送られていた。
……いつもそうだ。二人の仲はすぐに
元通りになってる。
「そんなことしなくたって泳げないよ」
「ハァ~、およぐなーおよぐなー」
二人してそう言いながら、ぼくにパワーを送り続ける。
そのまま奥に目をやると、レナと視線を合わせてしまって、
すぐに逸らした。
「マキ君」先生に呼ばれ、プールを見ると
もうユウが入っていて、奥のコースに向かっていた。
ぼくは早歩きで移動して、プールに入った。

「がんばれよマキ」
第二コースに入ったユウがそう言ってくれた。
「ユウも頑張ってね」「おう」
でも、百メートル泳ぐなんてぼくとは
比べ物にならない頑張りだな。
「じゃいくよー。よーい――」 ピッ!
笛の音に弾かれて、ぼくはスタート。

バシャバシャと必死で足を動かしながら、
水を掻いていく。最初の数メートルはいい。
微妙だけど、息継ぎができてる――気がする。
けれどやはり、半分ほど進んだところで
苦しくなってくるんだ。
そんななか、先生とみんなの声が耳に入ってきて、
例の二人は「泳ぐなパワー」をぼくに送ってんだろうなぁ、
なんて考えていた。息の限界までいくつもりだったから、
苦しくなってからもなんとか耐えて進み続けた。
自分は、どこまで息がもつだろう。
その終わりはどこなんだろう。
本当の限界まで行けば、ぼくは
どうなってしまうんだろう。

無理を続けると、いっぱいの酸素が欲しくなってきて、
さすがに足をついたほうがいいんじゃないかと思った。
だけど、もう二秒前へ、もう一秒前へ、と進む。
胸の苦しさが強まり、息を吐き出した。
泡がぼくの視界を遮る。もう先には行けない。
よく頑張ったな、と自分を褒めつつ足をついた。

「あー、マキ君おしい!」
呼吸を荒立てながら確認すれば、
前回立ったところを越していて、ゴールまで
残り五メートルほどの場所まで来ていた。
でも、これ以上頑張っていたらぼくは溺れていたと思う。
隣のコースを見ると、すでにユウは折り返していた。
泳ぐ姿をぼうっと見つめつつ、
「ユウがんばれ」と心で呟いてプールを上がった。

ユウはぼくよりも運動神経が良い。
その証拠に、百メートルを泳いでしまった。
例の中村二人の番になる。
ぼくはニヤニヤと笑みを浮かべながら彼らに
「がんばってね」と言ってあげた。
するとカズキは「どうせおよげねぇよ」と返した。

言った通り、本当にカズキは泳げない。
スタートからすでに溺れているかのような、
必死に向こう岸へ辿り着こうとしてるような
危ないクロールで進んでいき、ぼくが行ったところよりも
だいぶ後ろの方で足をついた。
よしひろ君は、それよりももっと後ろで足をついた。
かくして、元々決まっていたようなものだったけれど、
ぼくらの居残り水泳教室は決定した。

レナの番がきて、第一コースに入ったレナは
静かに、先のゴールを見つめていた。
みんな静かに見つめてるものなんだけど、
レナだけはそういう印象がひと際強かった。
陽射しが水面で反射して、ゆらゆらとした
光に照らされるその横顔をじっと見ていると、
ユウの言っていた“いいふんいき”というのが
なんとなくわかった気がした。

先生の笛が鳴り、水にゆったり身を任せるように
レナはスタート。
彼女のフォームは、泳げる子たちと
なんら変わりない気がした。
「あいつ、フツーに泳げんじゃん」
ユウにもそう見えるらしい。
「息が続かないんだってさ」
「ふーん……」ただ、しっかりと浮いてるし、
息継ぎはちゃんと行えているように見えるので、
あれで本当に息が続かなくなるのか疑問ではあった。

今までレナが泳ぐところをまともに
見たことがないのでわからないけれど、
もしかしたら休みの内に泳ぐ練習をしたのかもしれない。
半分を過ぎ、それからもレナは問題なく泳いでいく。
ついにぼくが止まったところも越してしまった。
これは泳ぎきったな、とぼくは確信した。
けれど、レナはそこで足をついた。
ぼくをほんの少し、越した地点で。
見た目にも綺麗に泳いでいたから、なんだか
違和感を覚えた。

「レナちゃんおしぃ!」
先生の言葉に反応してレナは振り向く。
その顔は残念というより、無表情に近かった。
上がって戻ってきたレナは、友達に
「やっぱり息が続かなかった」と言っていた。
できることならぼくも「泳ぎ方すごくよかったよ」と
声をかけたかったけれど、女子側に行ってまで
それを言うなんてできるわけもなく、
ただじっと次の子を見ながらレナたちの会話に
耳を傾けていた。
その後、女子の泳げない子たちも泳げないままで、
結局全員の居残り水泳教室が決まった。


つづく
Author :水谷広人


「献身」 山口かおる 




Tinko_2 人の為(ため)と
書いて
いつわり(偽)と
読むんだねぇ 

 
 
 
子を持つも持たぬも人の宿命(さだめ)なり
日に日に努めて行かむ
あなたの人生なんだから好きなように
お行きなさい(生きなさい)



入れてもらえば気持ちは良いが、
  どこか気兼ねなもらい風呂





P R
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ありがとうございました。