流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

歴史・履歴への許可証

歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

夢はでっかく、根はふかく。
花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 
根はみえないんだなあ


Kobanasi_3


『スーホーの白いウマ』モンゴルの昔話

むかしむかし、モンゴルの草原に、
スーホーという歌の上手な若者がすんでいました。
スーホーはお母さんと二人で、
ヒツジをかってくらしていました。

ある日スーホーは、ヒツジに草を食べさせにいったきり、
日がくれても帰ってきません。
お母さんが心配していると、スーホーは
生まれたての白い子ウマをだいて帰ってきました。

「まあ、きれいな子ウマだね。どうしたんだい?」
お母さんが聞くと、スーホーはうれしそうにいいました。
「帰るとちゅうで見つけたんです。
持ち主もやってこないし、母ウマもいないんです。
夜になってオオカミにでも食われたらかわいそうだから、
つれて帰ってきました。うちでかってやりましょう」

スーホーは白い子ウマをとてもかわいがって、
だいじにだいじに育てました。
子ウマはどんどん大きくなり、やがて雪のように
まっ白な、りっぱなウマになりました。
スーホーと白いウマは、なかのよい兄弟のように、
いつもいっしょです。

ある日のこと、村にすばらしい知らせがつたわりました。
王さまが若者たちを集めて、
競馬(けいば)大会をひらくというのです。
そのうえ優勝したものは、王女のおむこさんに
むかえられるというのでした。

それを聞いた村の人たちはいいました。
「スーホー、いっておいでよ。
おまえならきっと優勝できるよ」

そしていよいよ、競馬大会の日がやってきました。
国じゅうから、じまんのウマをつれた若者が集まりました。
けれど、白いウマにのったスーホーにかなうものは
一人もおらず、スーホーが優勝したのです。

「あの若者と白いウマを、ここへよびなさい」と、
王さまはいいました。
スーホーは、大よろこびです。

ところが王さまは、スーホーが貧乏(びんぼう)な
ヒツジ飼いだとわかると、王女のおむこさんにするのが
いやになってしまいました。
王さまは、つめたくいいました。
「その白いウマをおいていけ。そのかわりに、
黄金三まいをおまえにやることにする」
これを聞いたスーホーは、ビックリです。

(この白いウマは家族のようなものだ。
それをお金で買おうなんて、なんてひどいことを)
スーホーは、王さまの命令をことわりました。
すると王さまは、顔をまっ赤にしておこり出し、
「王のいうことを聞かぬぶれい者め。
この者をムチでたたくがよい」

家来たちはスーホーを、ムチでピシピシうちました。
キズだらけになったスーホーは見物席の外へ
ほうりだされ、王さまは家来に白いウマをひかせて
帰っていきました。

スーホーは友だちに助けられて、やっと家に帰りました。
ムチのために、すっかりボロボロになったスーホーは、
何日もねたきりでした。
でも、お母さんのひっしのかんびょうで、
だんだん元気になりました。

ある晩のことです。トントンと、
門の戸をたたく音がしました。
「だれだい?」返事はありません。
「なんの音だろう?」外に出たスーホーはビックリ。
白いウマが、門のそばにたっていたからです。

「お、おまえ、帰ってきたのかい」
スーホーはかけよって、思わず白いウマをだきしめました。
ところが白いウマの体には、何本ものするどい矢が
つきささっているではありませんか。
「なんて、ひどいことを!」
スーホーは夢中で矢をひきぬき、
お母さんといっしょにキズの手当をしてやりました。
けれど白いウマは、つぎの日、死んでしまいました。

やがてスーホーは、白いウマがもどってきた
わけを知ることができました。
王さまは白いウマを手に入れたのがうれしくて、
人びとをよんで酒もりをはじめました。
ところが、おおぜいの人びとのまえで
白いウマにのろうとしたとたん、白いウマは
王さまをふりおとしてしまったのです。

おこった王さまは、家来たちにむかってさけびました。
「あのあばれウマをつかまえろ。
つかまらなければ、殺してしまえ」
家来たちは、にげていく白いウマにむかって、
雨のように矢をあびせました。
それでも、白いウマは走ったのです。
体に矢がささりながらも、なつかしい
スーホーの家にむかって、死にものぐるいで
走ったのです。

白いウマは自分をかわいがり、
育ててくれたスーホーのそばで死にたかったのでした。
白いウマが死んでから、
スーホーは悲しくて、くやしくて、
夜もなかなかねむれない日がつづきました。
そしてある日、スーホーは弓矢を取り出すと、
その弓矢の手入れを始めました。
白いウマのかたきをうつため、
この弓矢で王さまを殺そうと思ったのです。

待っていろよ。あしたの朝、あの王さまを殺して、
おまえのかたきをうってやるからな
その日の晩、スーホーのゆめの中に、白いウマが
あらわれていいました。
「スーホーさん、わたしのかたきをうつことを
決心してくれてありがとう。ほんとうにうれしいです。
でも、もう、わたしは死んでしまっています。
王さまを殺しても、わたしが生き返ることはありません。
それどころか、あなたも殺されてしまうでしょう。
どうか、かたきうちはやめてください。
それより、ひとつお願いがあるのです。

どうかわたしの体で琴(こと)をこしらえてください。
わたしは琴になって、いつまでもあなたのそばにいます」
つぎの日、スーホーは白いウマの骨としっぽをつかって、
琴をつくりました。
さおの先は、白いウマの頭のかたちをきざみました。
やがてスーホーは、草原でヒツジのばんをしながら、
いつもこの琴をひくようになりました。

美しい琴の音と、むねにしみるそのしらべは、
ほかのヒツジ飼いたちにとっても、
このうえないなぐさめとなりました。
スーホーの琴が聞こえてくると、みんなは
一日のつかれをわすれて、じっとしずかに
その音色に耳をかたむけるのでした。


おしまい
 
 


人の為(ため) と
書いて、
いつわり(偽) と
読むんだねぇ 

 
 
誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴と、言い訳になるから……。



小泉八雲の怪談「小豆とぎ橋」




時は絶えず流れ、
  今、微笑む花も、明日には枯れる  
 
 

P R
カビの生えない・きれいなお風呂

お風呂物語
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