流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想……

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。

衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。 
 
漢の韓信-68ー西魏王の娘


「女というものは男に愛されてこそ幸せなのだ。
韓信のような女の扱いも知らぬ奴のところに送っては、
かの娘が可哀想ではないか。
子房よ、君は女心がわからんのか」
立場上、張良は次元が低いこのような話題にも
真摯に付き合わねばならない。
「大王……魏蘭は武装しておりました」
「今さらなにを言う。そこが印象的だったのだ」
「おそれながら、大王は武装した女と
寝所をともにできますか。
ああいう女に気を許すと、寝首をかかれる
可能性が大でございます。
魏蘭のような女を御していくのには韓信のような
堅物の男が最適でございましょう」
このころの劉邦は若いときよりも
保身に敏感になっている。
目の前の美女よりも優先すべきは、
自分の身の安泰であった。
それは漢の命脈を保つためか、
老いによって生じる生への執着のためかは、
劉邦自身にもはっきりしない。
いずれにしても、彼は諦めるしかなかった。

「蘭にございます」韓信の前で深々と
頭を下げた魏蘭の姿は、印象的なものだった。
目は細くはないが、目尻がはっきりとしており、
それがきりりとした印象を相手に与える。
髪はおろしていたが、それでも
肩にかかるくらいの長さでしかなく、
この時代の女性としては極端に短い。
口は大きくなく、真一文字に結ばれている。
肌は白く、背筋はぴんと伸び、胸を張っている。
立場は人質だが、にもかかわらず
態度は堂々としており、
全体的に凛とした雰囲気を醸し出していた。
韓信も確かに蘭の姿に感じるものがあった。
一度見たら忘れられない女というのは
こういう女に違いない、と内心で
思ったくらいである。

しかし口に出しては、単刀直入にこう言った。
「君はどうしてそのような格好をしているのか」
魏蘭は表情を変えずに話し始めた。
「きっかけは臨済で章邯に襲われたときです。
あのときは一族もろとも逃亡したのですが、
私は父から男装していた方が目立たないと言われ、
このような姿で臨済を脱出したのです」

韓信はふうむ、と相づちを打ち、さらに聞いた。
臨済を章邯が襲った、というのは、
斉の田儋が討ち死にしたときのことだな。
あのとき魏王咎は民衆の安全を確保したのち
焼身自殺した、と聞いている。……
しかしそれからすでに相当の歳月が経っているな。
にもかかわらず君が今もって
その格好をしているのはなぜだ」
「父が許さないからです。

臨済を脱出し、さし迫った危機を
乗り越えたとはいっても、乱世の中では
女は生きにくいものだし、
父も安心できないと……。
私もぞろぞろした宮女のような格好よりは、
このほうが気に入っております」
韓信は話の内容に納得したような表情をしたが、
口に出して言ったことはそれと正反対であった。

「ふむ、そうか。……では今後、君が
陣中をそのような格好をして歩くことを禁ずる」
このとき、はじめて魏蘭の表情が変わった。
つかの間であったが、眼を見開き、
驚きを表したのである。
「理由を……お聞かせ願いますでしょうか?」

韓信は別になんでもないとでも言いたそうな
素振りを見せて、答えた。
「理由は簡単なことだ。君のような
妙齢の女子がいると、陣中の兵士が落ち着かない。
兵たちの多くは家族を引き連れて
各地に出征しているので、君はその中に混じって、
軍装を解き、女として暮らせ。
髪もゆるゆると伸ばすがいい」

「嫌です!」急に感情をあらわにした魏蘭に、
今度は韓信の方が驚いた。
「……わかっていないな。
これは君のためでもあるのだ」
「どういうことですか……」
「私の見たところ、君の軍装は格好だけだ。
実際に戦場で敵を殺したことはない。
どうだ、違うか?」
「…………」「そのような未熟な、
しかも女を戦地に立たせることはできない。
まして君は大事な人質なのだ。
私としても、無駄に死なせるわけにはいかない」

魏蘭は唇を噛み、韓信を睨みつけた。
「たとえ将軍のおっしゃる通り、
私の軍装は格好だけだったとしても……
誰しも初陣というものがあるはずでしょう? 
私は女だからという理由でそれさえも
許されないのでしょうか」

「無理に戦場に立つ必要はない、と言っているのだ。
君の態度はおかしく、怪しいな。
ひょっとしたら魏豹の命を受けて
、私なり漢王なりを暗殺するつもりではなかろうな?」
「それは、ございません。私は漢の側に
立って戦いたいのです。
将軍のもとで……お疑いだとしても
証明するものは何もございませぬが……」
韓信には、蘭がどうしてこれほど
戦地に立ちたがるのかが、よくわからない。

対処に困った韓信であったが、
そのとき急を告げる伝令が現れ、
彼らの会話を遮断した。
「申し上げます。西魏王豹は蒲津(ほしん)の関を塞ぎ、
漢に敵対する構えを見せております!」
韓信は驚かなかった。やはり来たか、という思いで
眼前の蘭に視線を投げ掛ける。
しかし当の蘭に動揺した様子はなかった。
「……魏王豹は人質である娘を見捨てる覚悟らしいな。
いわば、君は捨て駒というわけだ」


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.

愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る



歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



作詞:萩原四朗・作曲:上原賢六

(男)夕陽の丘のふもと行く
    バスの車掌の襟ぼくろ
    わかれた人に生き写し
    なごりが辛いたびごころ
(女)かえらぬ人の面影を
    遠い他国で忘れたさ
    いくつか越えた北の町
    目頭うるむたびごころ


夕陽の丘 ・ 石原裕次郎&浅丘ルリ子

 

(1963)日活で同じタイトルで映画化され、
翌年に公開されました。
松尾昭典監督で、主演はこの歌をデュエットした
石原裕次郎と淺丘ルリ子。

原作は菊村到の小説。
やくざの篠原健次(石原)は、
服役中の兄貴分・森川(中谷)の
情婦・聖子(浅丘)と恋に陥ち、
その現場を見て脅迫する子分を殺して逃走、
聖子の妹・易子(浅丘2役)のいる函館に来るが、
同時に組織の命令で森川の命を狙う
殺し屋もやって来る。
聖子は自分たちの幸せのため、
殺し屋に森川の居所を知らせてしまう。
健次が駆けつけたときには、
すべて終ったあとであった……。



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








P R
カビの生えないお風呂

お風呂物語

furo