流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin 韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。


漢の韓信-57

韓信は出撃を前にして、精鋭を周囲に置き、
これを常に自らの周囲に配置することにした。
親衛隊のようなものである。
それは大軍となった漢と諸国の連合軍の中で
指令系統が乱れ、軍の収拾がつかなくなったときのための
最後の切り札であり、つまりはこの諸国間連合の
行く末が楽観できないという
彼の気持ちのあらわれであった。

しかしそんな韓信の思いをよそに、
漢を始めとする連合軍は、
はやる気持ちを抑えもせずに西楚の首都、
彭城へなだれ込んだ。
総勢五十六万の蹂躙。
車馬の列が奏でる大地が裂けるほどの轟音。
あらゆるものをも焼き付くすかのような大火。
そして、敵味方を問わず浴びせられる罵声。

もはやその姿はひとつの目的にしたがって
行動する軍隊などではなく、
五十六万の意思がとりとめもなく散乱する
ただの混沌でしかなかった。
その混沌が、楚の首都彭城を包み込んだのである。
尽きることのない悪意の数々。
城内に財宝が発見されると、
早い者勝ちで兵たちはそれを奪おうとする。
宝の奪い合いが殺し合いに発展し、
その結果勝利を得た者が財宝を手中にした。
しかしやがて上官が現れると
その兵は斬り殺され、
財宝は上官のものになるのだった。

将兵たちは楚兵の首を囲んで酒宴を開き、
女を見つけるや老若を問わず見境なしに犯し、
欲求を満足させると、その女を殺した。
家を見つけては食料を奪って山分けし、
奪い尽くすとそれに火を放った。
そして彼らはそれに飽き足らず、
高価な副葬品を見つけ出そうと墓を掘り返した。
めぼしい物が見つかると、
兵たちはまた殺し合いを始めるのである。

韓信は目を背けたくなった。
軍のたがが外れてしまった。
もはや私に統御できる段階ではない……。
彼らには義も不義も関係なく、
欲を満たせればそれでいいのだ。

本来彼らには戦うための理念というものがなく、
楚が弱まれば漢に味方し、
漢が弱まれば楚に味方する。
うまい汁を吸える方になびくだけなのだ。
何もかも放り出して、逃げ出したくなった。

しかし当然のことながら大将としての立場が
それを許さない。……
諸君、よく見ておくのだ。
これが人間の本性というものだ。
欲望に身を委ね、思いのままに行動しているうちは、
人々は自らの身の危険を考えない。
実に愚かなことだ……。

彼らは今、項王の存在を失念してしまっているのだ」
韓信は直属の親衛隊に向かってそう話し、
予期される項羽の反転に関して注意を喚起した。
嘆く気持ちを抑えつつ、
韓信項羽の帰還経路を推測して
それに備えるよう努力したが、徹底しないこと甚だしい。
もはや軍規の緩みは諸国連合の
核ともいうべき漢軍にも及んでいた。

漢王も漢王だ。あの方こそしっかりしておれば、
こんな事態にはならなかったものを……。
張子房どのも、いったいどこで何をしている?
その韓信の思いをよそに、
漢王劉邦はこのとき空前の勝利に浮かれていた。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.

愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



わかれ川 石原裕次郎&八代亜紀




人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる












P R

カビの生えない・きれいなお風呂

furo



お風呂物語