流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

歴史・履歴への許可証

歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


Kobanasi_3



おネズミがお死んでる
むかしむかし、ある田舎の娘さんが、
町のお金持ちの家へ働きに行きました。
でも、田舎で育った娘さんは、
ていねいな言葉をうまく使うことができません。
お客さんに、お茶を出すときも、
「茶を飲め」などと言うので、
お金持ちのおかみさんは困ってしまいました。
そこで娘さんに、「お客さんには、
ていねいな言葉を使わなくてはいけません。
何でも言葉の初めに、
『お』という字をつけて言いなさい。
そうすれば、ていねいな言葉になりますよ」と、
注意したのです。

茶に『お』をつければ、 お茶。なるほど、
『お』という字を つければいいんだな)
それから娘さんは、 いろいろな言葉に
『お』という字を つけてみました。
ネコは→おネコ、カラスは→おカラス、
カボチャは→おカボチャ。
(これで、もう大丈夫!)娘さんは
『お』という字をつけた言葉を、
早く使いたくてたまりません。

家の前でウロウロしていたら、
ネズミがどぶに落ちて死んでいました。
娘さんはさっそく、おかみさんの部屋にかけつけて、
「おおかみさん、
おネズミがおどぶに落ちてお死んでる」と、
言いました。
おかみさんと一緒にいたお客さんは、
それを聞いて大笑いです。

お客さんが帰ったあと、
おかみさんは娘さんに言いました。
「何でもかんでも、
『お』という字をつけてはいけません。
役に立つときだけ、『お』の字をつけなさい」
(そうか、役に立つときだけか)

さて、その晩のこと。お金持ちの家族が
晩ごはんを食べているところへ、
娘さんがお味噌汁を運んできました。
ふとおかみさんを見ると、おかみさんのおでこに、
おひたしのなっぱがついています。
そこで娘さんは、大声で言いました。

「かみさん、でこにひたしのなっぱがついて、
かしいだよ」(・・・・・・・
ああ、この娘には、何と言ったらわかるのだろう)
おかみさんは、ガッカリして、
「そういう時は、
『おかみさん、おでこにおひたしのなっぱがついて、
おかしいですよ』と言うんですよ」と、
言い聞かせました。
すると娘さんは、ニッコリわらって、
「おやっぱり『お』の字をおつけたほうが、
おいいんだべ」と、言ったのです。


おしまい


虹の鳥 (Rainbow birds)
きれいな色の鳥と、そうでない鳥がいる理由とは。



二羽のカモ

むかしむかし、京都に一人の男が住んでいました。
男の家は貧乏でしたが、
お嫁さんと二人で仲良く暮らしていました。
ある日の事、お嫁さんに赤ちゃんが生まれました。
ところがお嫁さんはお産のために体が弱っていたので、
あまりお乳が出ません。
そこでお嫁さんはお肉を食べて力を付けようと思い、
夫に頼みました。
「わたし、お肉を食べたいのですけれど・・・」
それを聞いて夫は、「それは、もっともだ。
肉を食べて、はやく元気になってもらわないとな。
お前のためにも、赤ん坊のためにも」と、言いましたが、
しかし男は貧乏で、お肉を買うお金がありません。
男はいろいろと考えたあげく、
「よし、そうだ。自分で鳥を取りにいこう」と、言いました。

次の日、男は朝早く起きると、弓矢を持って家を出ました。
そして、ミミドロ池という池にやって来ました。
この池にはあまり人が来ないので、
きっと水鳥がたくさんいると思ったのです。
男は池まで来ると岸に生えた草の中に身をかくして、
じっと水の上を見つめていました。
すると一羽のカモが、草むらのかげから泳いで来ました。
続いてもう一羽がやって来て、
二羽のカモは仲良くこちらに近づいてきます。
それは、メスとオスのカモでした。
男はそっと、弓に矢をつがえましたが、
(夫婦だろうか? 仲の良いカモを殺すなんて、

kamo

しかし男は、また思い直しました。
お肉を食べたがっている、お嫁さんの事を思ったからです。
(仕方ない。カモよ、許しておくれ)
男が矢を放つと、矢は真っ直ぐに
オスのカモに当たりました。「それ、当たったぞ!」
男は大急ぎで池に入って獲物を拾い上げると、
すぐに家へ帰りました。
男はさっそく、お嫁さんにカモの取れた事を話しました。
そして、「あすの朝は、
カモを料理して食べような」と、言うと、
カモをさおにかけて寝ました。

さて、その夜中の事です。
男は、さおにかけたカモがバタバタと
羽を動かしている音に目を覚ましました。
「おや? あのカモが、生きかえったのかな?」
男が不思議に思いながら、
あかりを持ってさおのところに行きました。
すると昼に取ってきたカモは死んだままで、
そのそばを一羽のカモがバタバタと
羽ばたいているではありませんか。
「あっ! メスのカモだ。

ミミドロ池でオスとならんで泳いでいた、
あのメスガモに違いない。
殺されたオスをしたって、あとをつけてきたのか」
男はメスのカモを、じっと見つめました。
カモはあかりを持った人間がそばに立っているのに
少しも恐れる様子はなく、
死んだオスのまわりを離れようとはしません。

男はつい、ポロリと涙をこぼしました。
すると、外の音に起き出したお嫁さんもやって来ました。
お嫁さんは男の隣でじっとカモを見つめると、
夫に言いました。
「カモも人間も、相手を想う気持ちは一緒なのですね。
ねえ、明日あのカモのお墓を作ってあげましょう」
「しかし、カモを食べないとお前の体は・・・」
「いいえ。わたしは病気ではありません。
日がたてば、また元気になれますから」

その朝、男はオスガモを持って、
また池にやって来ました。
そしてていねいにうずめてやると、
小さなお墓を作ってやりました。

それからしばらくたつと、
お嫁さんはすっかり元気になりました。
そして赤ちゃんと三人で、
しあわせに暮らしたという事です。


おしまい

 

みのる

人の為(ため) と書いて、いつわり(偽) と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……

時は絶えず流れ、
  今、微笑む花も、明日には枯れる  
  





 



furo
P R

きれいなお風呂・宣言 


お風呂物語