流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin
韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。


漢の韓信-53

張良が関中に入り、この時点で
漢軍は蕭何、張良韓信の三名の
建国の功臣を得るに至った。
蕭何は治において、張良は策において、
韓信は武においてそれぞれ後世に
語り伝えられる大功をおさめるに至る。
これより後の世、それぞれの分野で
彼ら以上の勲功をたてた人物もいないことはないが、
劉邦が歴史的に評価されるところは、
彼ら三名をを同時に得ることができた点であろう。

現在では中国文のことを漢文、中国の文字を漢字、
代表的な中国の民族のことを漢民族と我々は呼び、
「漢」という語はひとつの王朝を指す以上に
中国そのものを示しているといっても過言ではない。
その起源が約二千二百年前のこの時代であり、
漢がまともな王朝国家となる以前、
蕭何・張良韓信の三名が集結したこのときこそが
その歴史の出発点であると言える。

韓信張良や蕭何に函谷関から外に出て
中原へ進出する必要性を、このとき主張している。
韓信にとってそれはもはや絵空事ではなく、
充分に勝算があった。
項王が斉討伐に動いている今こそが、
そのいい機会だ。と思ったが、
韓信には一抹の不安がある。
韓が防壁となっていることで、
あるいは張良が出兵を渋るのではないか。
しかし当の張良はまったく異を唱えなかったので
韓信は意外に思った。

「子房どの、韓の地にはあなたと旧知の関係にある者が
多数おられましょう。にもかかわらず
討って大丈夫なのですか」と韓信張良に質問した。
これに対し張良は、「いかにもその通りではあるが、
彼らを解放するには、少しばかり戦渦に
巻き込むことも受け入れねばなるまい。
そのあたりは……将軍がうまくやってくれることを
祈っている。
実はすでに王族につながる者を探し出して、
その者に一軍を率いさせている」と述べた。

「なるほど」韓信は相づちを打ち、話の先を待った。
「その者は軍の統率にまだ不慣れで、
単独では鄭昌の軍を破ることはできない。
だから、将軍にお任せするしかないのだが
……いいだろうか?」
「無論です」
「そこで頼みがあるのだが、
決定的な場面……つまり鄭昌その人を討つことは、
その者にやらせてほしいのだ。
その者に武勲をあげさせ、
大王に韓王として認めさせたい」
「わかりました」
「戦場でもわかるくらいの、とびきり背の高い男だ。
彼の姿を認めたら、武勲を譲ってやってもらいたい。
頼むぞ」
韓信はこれを受け入れ、王の許可を得て、
関の外へ出兵することとなる。

関外進出に決定がなされた背景には、
あらたに手中にした漢中、巴蜀の地が
思いのほか豊穣であったことがあげられる。
山々に閉ざされた土地を想像し、
漢軍の誰もがどうしようもなく土壌の痩せた
荒廃した地だと思い込んでいたが、
実はそうではなかった。
気候は温暖で土地は肥沃、
人々は悠々と米作を営み、
また大きな湖もあることで水産物にも事欠かなかった。
漢軍は大きな食料庫を与えられたようなものであった。
そして、その管理は蕭何がやってくれる。
後顧の憂いのなくなった漢軍は、
まずは河南の地を攻めて、
これをいとも簡単に陥落させた。
しかしその先には王鄭昌に率いられた韓が控えている。
鄭昌は先述した通り、もと項羽の部下である。
それも功を賞されて王位に就いたというよりも、
漢軍を抑えるために必要上
王権を授けられた、という部類の男であった。

いわば鄭昌は楚の雇われ王であり、
韓人にとっては、畏敬の対象ではない。
そのような者が王である以上、
韓の主権は楚にあると言っていい。
自らの意思ではなく、上からの命令で
韓を守っていた鄭昌は、
漢軍が武威を見せても降伏しようとはしなかった。

それもそのはず、安易に降伏してしまえば、
あとになって項羽から断罪されるのである。
韓信はそんな韓の事情を察し、
張良にいわれた通り、うまくこれを処した。
間諜を用いて韓軍全体の感情を揺さぶり、
前衛部隊の気力を削ぐことに成功すると、
ためらいもなく中央突破をはかり、
韓軍の中枢部へと兵を進めた。

前を守る者たちは漢軍に通じていたので、
道を開けるばかりである。
あっという間に漢軍に囲まれた形になった
鄭昌の直属の部隊はある程度抵抗したものの、
数の差において漢軍が圧倒した。
韓信はここまでお膳立てをして、
後の処理を張良に言われた韓の王族に連なる男に託した。

例のとびきり背の高い男である。
「斬りかかる必要はない。
鄭昌は王ではあるが、事実上楚の将軍と変わらない。
状況もわきまえず、必死で楚のために働こうとするだろう。
こういう手合いには近寄らないに限る。
数では圧倒的に有利であるから、
落ち着いて遠巻きに弓矢で射よ」
そのときの韓信の助言である。

その言のとおり、鄭昌は最後まで抵抗して粘りを見せたが、
部下が自分より先に降伏してしまう状況ではどうしようもなく、
ついに観念して降伏した。
韓信は民衆の命をほとんど損なうことなく、
韓の地を制圧した。

張良はこれに感激し、韓信の手を取って
ひと言だけ、言ったという。
「ありがとう、将軍」
韓の地には亡き韓王成の甥がたてられて王とされた。
劉邦が初めて任じた諸侯王がこの人物ということになるが、
これが先に韓信が助言を与えた人物であった。

余談であるが、この人物は名を信という。
韓の王族につながる男なので姓は韓である。
よってこの人物も韓信なのだが、
漢の大将の韓信と混同を避けるため、
韓王信と表記されるのが一般的である。

つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、 花に例えた旧い歌
今さら聞いても、歌っても、
何処に置いても、飾っても
歌も花も、枯れてゆく....
人生、絵模様、万華鏡...



山の湖 ・ 石原裕次郎 & 浅丘ルリ子




人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








furo
P R

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