流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

歴史・履歴への許可証

歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー



Kobanasi_3



むかしむかし、一人の男が荒地(あれち)を
畑にしようと掘り起こしていると、
「ガチン!」と、クワが思いっきり
石を叩いてしまったのです。「しまった! 
大切なクワが!」クワが割れてしまったのです、
男はクワを直してもらう為に鍛冶屋(かじや)へ
向かいました。

その途中、手に棒を持った子どもたちが、
捕まえたキツネを叩いていじめていたのです。
「こら、お前たち、やめねえか。
キツネが、可愛そうだろう」
「だって、これはおらたちが捕まえたキツネだ。
どうしようと、おらたちの勝手だろう」
子どもたちは、キツネをいじめるのを
止めようとはしません。

そこで男は、「それなら、
そのキツネをおらに売ってくれんか?」と、
男はクワを鍛冶屋で直してもらう為のお金を
子どもたちにやって、キツネを買い取りました。
そしてキツネを子どもたちのいない所へ行って
逃がしてやろうと思ったところで、
ふと思いました。 

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 「おらは、
何をやっているんじゃろう?
新しい畑を作るには、クワがいる。
そのクワを直してもらうには、
鍛冶屋に払うお金がいる。

でも、そのお金がなくなってしもうた。
このキツネが、クワを直してくれるのならともかく。
・・・こりゃ大変だ。
キツネよ、悪いがそう言う事だ」

男はまた子どもたちのところへ行って、
キツネを渡してお金を返してもらいました。
すると子どもたちは、前よりも
もっとキツネをいじめるのです。
それを見かねて、
男はまた子どもたちのところへ行くと、
「止めてくれ、今度は本当に買うから」と、
またお金を渡して、キツネを買い戻しました。

そしてキツネを山へ連れて行き、
「もう、二度と捕まるなよ」と、言って、
逃してやりました。

それから数日後、男の家に
あの時のキツネがやって来て言いました。
「この間は、危ないところを助けて頂いて、
ありがとうございました。
恩返しに、何かを差し上げたいと思います。
わたしの家にはキツネの倉(くら)と言って、
無い物は無いという倉があります。
よろしければ、あなたの望みの物を
好きなだけお持ち下さい」

それを聞いた男は、キツネと一緒に
キツネの倉へ行きました。
「さあ、これがキツネの倉です。
どうぞ、中へ入って好きな物を取って下さい」
喜んだ男が倉の中へ入って行くと、
キツネが倉の戸をバタンと閉めました。
そして大きな声で、
「泥棒だ! 倉に泥棒が入ったぞ!」と、
叫んだのです。

すると、あちこちからたくさんの人が集まって来て、
「泥棒は殺せー! 泥棒を殺すんだー!」と、
言うのです。
倉に閉じ込められた男は、ビックリです。
「違う、違うんだ。おらは泥棒でねえ」
男は必死で言いましたが、
外の人たちは聞いてくれません。
「泥棒は殺せー! 泥棒を殺すんだー!」
男は怖くなって、倉のすみっこで
ブルブルと震えていました。

「だっ、だまされた。キツネの奴に、だまされた」
でもしばらくすると外の騒ぎがおさまって、
倉の戸がガラガラと開きました。
そして、さっきのキツネが言いました。「

ビックリさせて、すみません。
さあ、クワでも着物でもお金でも、
好きな物を持てるだけ持って出て来て下さい
」男は訳が分からず、
取りあえず言われたまま持てるだけの物を持って
倉から出て来ました。

「どうです。さっき閉じ込められた感想は?」
「どうだったも何も、
恐ろしくて、生きた心地がしなかった」
男がそう言ったので、キツネは満足そうに頷くと、

「そうでしょう。実はわたしも先日、
同じ思いをしました。
あなたに助けてもらった時は、
心の底から喜びましたよ。
でもその後で、また子どもたちに返された時は、
もう生きた心地はしませんでした。
そして最後には、再び助け出されたわけですが、
あの時の事を考えると今でも体が震えます。
あなたに恩返しをする前に、
これを知って欲しかったのです 」と、
言ったという事です。

おしまい



ヘビとカニ・イソップ童話




引っ張り合図
むかしむかし、ある村に、
とても世間知らずの婿さんがいました。
ある日の事、その婿さんが嫁さんと一緒に
実家に呼ばれました。
二人に、ごちそうをしてくれると言うのです。
嫁さんは、少し考えました。
(この人がごちそうを食べる順番を
間違えて笑われない様にしないと)

そこで嫁さんは、婿さんの服に
糸をぬい付けるとこう言いました。
「あなた、あたしが横で、この糸を引っ張って
合図をします。
『ツン』と、一回引っ張ったら、おつゆを飲むのです。
『ツンツン』と、二回引っ張ったら、
ごはんを食べるのです。
『ツンツンツン』と、三回引っ張ったら、
おかずを食べるのですよ」
「うん、わかった」

さて、二人が実家に着くと、
さっそくごちそうが並べられました。
横に並んだ嫁さんが、『ツン』『ツンツン』
『ツンツンツン』と、上手に合図を出してくれるので、
婿さんは、おつゆも、ごはんも、おかずも、
順序よく落ち着いて食べ始めました。
それを見て実家の両親は、
「世間知らずと聞いていたが、
なかなか大した者じゃ」と、感心しました。
でもそのうちに、嫁さんはトイレに行きたくなったので、
(まあ、少しの間くらいは大丈夫でしょう)と、
持っていた糸を後ろの柱に結んで、
部屋を出て行きました。

するとそこにネコがやって来て、
ゆらゆらとゆれる糸にじゃれつき始めたのです。
『ツンツン、ツン、ツンツンツンツンツン』
ネコが無茶苦茶に糸を引っ張るので、
婿さんはびっくりです。
「これは大変だ! 急がないと」
婿さんはネコが引っ張るのに合わせながら、
おつゆも、ごはんも、おかずも、
夢中で口に放り込みました。
その様子を見ていた実家の両親たちは、
「やっぱり、この婿さんは相当な世間知らずじゃ」と、
あきれ果てたそうです。


おしまい



水の枯れた沼のカエル・イソップ童話




人の為(ため) と書いて、
いつわり(偽) と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。



時は絶えず流れ、
  今、微笑む花も、明日には枯れる
 








furo
P R

きれいなお風呂・宣言 

お風呂物語