流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…

 

 

国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。 
 
 
韓信-37 
安陽で宋義を討ち、鉅鹿で趙を救い、
殷墟で章邯を降伏させ、
新安で二十万の秦兵を穴埋めにして、
ようやく函谷関にたどり着いた項羽軍が目にしたものは、
関門に林立する劉邦軍の旗印と、
侵入を拒むよう配置された、無数の守備兵たちだった。
入ることができない項羽は、怒りを抑えることができない。

すでに咸陽は劉邦によって平定された、と聞いたときには
さらに怒り、「撃ち破れ。踏みつぶしてしまうのだ」と、
黥布をけしかけて関を実力で突破してしまった。
項羽は沛公のことなど、友軍だとも思っていない。
自分のために道を開けてくれる存在だとも
思っているのだろう。

しかし沛公がいつまでそんな地位に甘んじるか……
韓信は、新安で二十万の秦兵を穴埋めにした
項羽を信用できなかったばかりか、
顔を見るのも拒むほど嫌った。
黥布などは感情のない、殺人兵器のように見える。
鍾離眛には、裏切られたという思いが強かった。
例の穴埋め作戦の一件以来、
韓信と鍾離眛の関係は思わしくない。
秦兵を穴埋めにするのに鍾離眛が
積極的だったことを韓信が責めると、
鍾離眛は韓信項羽の作戦行動に
なんの寄与もしていないことを責めるのである。

「眛……。君と私とでは考え方が違うようだ。
しかしここで袂を分かったとしたら、
我々はお互いに敵になるということなのだろうか。
君と私は、昔からの仲だ。
できれば殺し合うような関係に陥ることは、避けたい。
何とかならぬものか」韓信の問いに対して、
鍾離眛は興味がなさそうな態度で答えた。

「信、お前と私とでは、幼少の頃から考え方が違った。
今に始まったことではない。
それに……以前にお前は言ったはずだ。
敵同士になったときには、ためらわずに斬る、と。
あれは嘘だったとでも言うのか? 
まあ、もしお前がそれを避けたいと言うのであれば、
お前自身が考えを正せばよい」

「正す? 正すとはどういうことだ。
私の考え方が間違っていると言うのか。
間違っているのは君の方だ。
二十万もの士卒を穴埋めにする行為を、
いったい誰が正しいと言えるのか! ……
しかも君は喜んでそれをやったのだ!」
韓信が語気を荒げても鍾離眛は動じる様子を見せない。
他ならぬ項羽から寵愛を受けている、という
自信のなせる業であった。

「今さら言うまでもないことだが、
戦争に犠牲が生じるのは仕方のないことだ。
いずれ天下が定まれば、
私のしたことは正しいと評されるだろう。
お前はそうやって私や上将軍のことを
批判ばかりしているが、なんのことがあろう。
私はまったく気にならない。……
お前は口ばかりで、結局は何もできない男だからな!」
韓信はこれを聞き、心底落胆した。

あの幼き日、母をともに弔った日の眛は
どこに行ってしまったのか。
「眛、君は変わったな。私の知っている眛は、
正義感が旺盛で、長いものに巻かれて
生きるような男ではなかった。
私が見るに、君の変わりようは考え方だけではない。……
眛、君自身は気付かないだろうが……
今の貴様の目はひどく濁っているぞ!」

韓信はもはや関係は修復不可能と悟り、立ち去った。
あとに残された鍾離眛は、
たいして気にも留めない素振りをみせた。
しかし、陣中に戻ると急に思いついたように
配下の者を呼び止め、
「おい、お前。私の目は以前と同じように黒いか?」と
確認したりした。

項羽という男は素朴で直情的な性格であったが、
そのためか思考にやや安定性を欠いた。
敵対する者を憎み抜く一方で、
慕う者を溺愛した彼には、
必死に許しを請う者に慈悲の心を示す傾向があった。
劉邦はそのような彼の揺らぎがちな心に
一縷の期待を寄せ、行動に出た。

その結果として劉邦項羽の関中王としての
覇権を認める形となったが、
一命を取り留めることになる。
その過程には不思議とも思える人の縁と、
壮絶な忠誠心が存在した。
韓信はそれらを目の当たりにする。

つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、 花に例えた古い歌
今さら聞いても、歌っても、何処に置いても、飾っても
花も歌も、枯れてゆく....人生、絵模様、万華鏡...



王将- 美空ひばり



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる










P R 
きれいなお風呂・宣言 

お風呂物語