妄想劇場・番外編
妄想劇場・番外編
信じれば真実、疑えば妄想……
昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、
落語の原型とも言われている
江戸小咄は、 江戸時代の庶民の
楽しみとして広く伝わって
おおらかに性を笑いに取り入れて
現代にまで至っています。
お色気小咄は日本だけではなく、
外国にもあります、西洋小咄です
お城ンなかにこもったきりじゃ身体によくない、
気分も晴れないてぇんで、野行きでございます。
お姫様、お駕籠ン乗って田舎の方へと
お出かけンなりまして、
小さな湖のほとりでご休憩でございます。
すると、渡り鳥がギャァ、ギャァと鳴きながら
飛び立ちました。
お姫様、それを見て
姫 爺、あれを見やれ、ガンが飛ぶぞ
爺 姫様、ガンと申すは下世話の言葉。
やんごとなきお方様は「雁(かり)」と
呼ばれるがよろしかろう
姫 ...さようか...
しかられて、しょぼんとしております。
さて、爺が一服つけようてぇんで、
煙草入れを取り出し、キセルに刻みを詰めまして、
スパスパッと煙草を吸います。
この灰を、コンコンッとやって落とそうとすると、
キセルのガン首が緩んでてポロリと取れた。
姫 爺、あれ、カリ首 ?! が落ちた!
昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、
えぇ...まことに困ったもんでございます。
このお姫様がお駕籠に乗って道を行きます。
春も真っ盛りでぽかぽかと暖かく、
お駕籠の御簾をおろしていては暑苦しいほどで、
ちょっと開けて涼をとっている、
その様子を見て、沿道で若いものが
云いたいことを云っております。
甲 おぅ、見てみなよ...お姫様だよ...
ヘェッ! いい女だねぇ...いゃぁ、
うちのカカァたぁえれぇちげぇだ
乙 そりゃぁあたりめぇだ。おめぇのカカァなんぞと
一緒にすることがどだいまちげぇってぇもんだ。
拵えからしてぜんぜん違うぜ
甲 おめぇ、それはねぇだろ...とはいうもんの、
いゃぁ、やっぱ、いい女だ。
ああいうおんなといっぺんでいいから、
やってみてぇもんだ
乙 へっ、なにをいってやがんでぇ。
おめぇなんぞ、そんないい女とやれるような
ご面相かよ! うちへけえって
せんずりでもかきゃぁがれ!
云いたい放題ですな。これを聞いたお姫様、
せんずりをかく?? と、これがなんだか分からない。
そこで奥女中のひとりに聞いてみた
姫 これ、あやめや、あやめ
女中 はい、こちらに
姫 さきほど沿道のおのこが、
「せんずりをかけ」と申しておった。
あれはいかなる意味かえ?
お女中も、これには弱った。
女中 は、はい...あの...
うちへ帰りまして...
あの、ゆっくりと休息することを、
下世話にてそのように申します と、
その場は うまくごまかした。
さて、翌朝でございます。
ご家老の三太夫が登城して参りまして、
姫様の前にてご挨拶
姫様には麗しき御尊顔を拝し奉り、
三太夫、恐悦至極に存じ奉ります
姫 そなたも、老体の身で、
毎日の登城、大儀である。
苦しゅうない。次の間に下がって、
せんずりをかけ …!!
おあとはよろしいようで…
歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
今さら聞いても仕方がないが
何処に置いても飾っても
歌も花も、枯れてゆく……
人生、絵模様、万華鏡…
18禁 「まわり道」
誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……
時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる
P R
きれいなお風呂・宣言