流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

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 幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント

明日という日はミステリー、


無脳症って言うんだけど~
お母さんのお腹の中では生きられるけど、
脳がないから、産まれても生きられない。
唯一医者が中絶を勧める病気である。
今の段階での治療法は、何もない。…


 二人目を妊娠したとある夫婦の日記。
「お腹の子は、無脳児でした。」
~葛藤と感動に包まれた5日間の記録~

 「大事な話があるから、
電話に出られるようにしておいてね。」と、
妻のはなちゃんからLINEが入った。
昼休み。丁度、店内でチキンクリスプの包み紙を
開けるところだった。
「そうかあ、本当にだめだったのか。」と
心の中で深くため息をついた。
確かに、はなちゃんは病院に行く前から気にしていた。
「もうちょっとお腹大きくなってもいいころなのに。
ちゃんと育っているか心配。」
1か月くらい前から、何度かそう話していた。
でも、不安になるのは心配性のはなちゃんにはよくあること。
正直あまり気にしてなかった。
正確には、気にしないようにしていた。

妻の7月7日  
脳がないから、産まれても生きられない。
妊娠14週。いつも通り10:30に産婦人科へ。
血圧正常、体重900g増加。よし。
まだプラス1kgもいっていない。
「次からUSB持って来たら赤ちゃんの映像
とってあげられるからね。」
よし。次回は絶対持っていかなきゃ。
エコー始まる。
お。ピコピコ心臓動いてる! 一安心。

無言。無言。無言。
あれ? 一人目のそうたろうの時には、
「これが足で、これが手だよ。」「これが顔ね。」
「今は○○㎝だね。」と会話が普通にあったのに。
「あ、これ心臓ですよね?」
無視。え?無視?
しかも首をかしげながら映像を見ている。
何か異常があったのかな。
だからこんなに無言なのかな。そうしたら、
「ど、どう?最近はつわりはおさまってきたかなー?」
ギコチナイ棒読みで。
「全然まだなんですよ!先週末も吐いて、
けっこう辛かったです。」
「そ、そうなんだー? 風邪とかひいてない?」
「風邪?たぶんひいてないです。」
無言。無言。
「家族はどう? 風邪ひいてる人いない?」
「はい。誰もひいてないですよ。」
無言。無言。
「上の子は、えーっとー、5歳になったのかな?」
「はい。」「どう?上の子は風邪ひいてない?」
「?はい。別にひいてないです。」
無言。

どうしてこんなに、周りに
風邪をひいてる人がいないか聞くんだろう?
そこ重要なのかな? かなり不安。
長すぎる。エコーが長すぎる。
「はい。じゃーー……えーっと……。ね。
あとでね、先生の方からお話がありますので、
待合室の方でお待ちください。」
この意味深な言い方に、
「何かあったんですか?」と、すごく聞きたかったけど、
聞いたら後悔する気がして、怖くて聞けなかった。

結局、いつもなら渡されるエコー写真を
もらえないまま待合室へ。待つこと1時間以上。
後から来た人たちがどんどん帰っていく。
もしかして、わざと最後になるように
回されてるのかな?と気がついた。

「半田さーん。」やっと呼ばれて診察室へ行こうとしたら、
看護師さんが「今日は一人で来たのかな?」と聞いてきた。
絶対おかしい。この質問絶対におかしい。
心臓がバクバクしながら、診察室のドアを開けた。
室内は、たくさんのエコー写真が並んでいて、
先生と5人の看護師さんが小声で、
何か深刻そうに話し合っている。何?この光景。
頭の中は真っ白。心臓バクバクどころじゃない。
イスに座っても、誰も何も話してくれない。
やっと話してくれたと思ったら、
「今日は一人で来てる? 誰か一緒に来てない?」と
また確認される。

そうとう内容が深刻なのはよくわかった。
やっと先生がしゃべったと思ったら、
「ちょっと中から見たいから、内診台の方
あがってもらおうかな。
「何かあるんですか?」すごく震えた声で、
やっと聞けた。
「うーん。ちょっとね。うん。胎盤の位置を
確認させてね。
なんとなく怖くてエコー画面が見れない。
それよりも、先生たちのヒソヒソ声が
気になって仕方がなかった。
うーん。やっぱりどうのこうの。
ここがあーのこーの。
だからあーのこーの。全然聞き取れないけど、
かなり深刻気味。内診が終わっても、
足がガクガク震えてパンツがうまくはけない。

また先生の前に座る。
「これね、今日のエコーなんだけど。
心臓が痛い。今から何か言われると思うだけで、
過呼吸になりそう。
「ここわかる? 下が黒くなってるでしょ?
頭の下と、ここ背中なんだけど、
背中の下も黒くなってるでしょ。」
「はい。」「これね、赤ちゃんむくんでるんだよね」
全く知識がないせいで、会話の先が読み取れない。
「でね、ここ、頭の後頭部なんだけど。
体の大きさに比べて、頭の大きさが
ちょっと小さいんだよね。ていうのは、
後頭部が成長してないのよ。」
「はい?」
「前回のエコーではね、
そんなふうには見えなかったんだけどね。
んーーー。まー、要は脳がないんだよね。」
「え?!」
… …

つづく

引用元:「お腹の子は、無脳児でした。」
ご夫婦の日記



少女の笑顔(夜の牛丼屋)


 
誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。


時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる
 





P R
きれいなお風呂・宣言

お風呂物語