流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想……

妄想劇場・番外編

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、



東京ラプソディー 藤山一郎
「東­京ラプソディー」は原曲が「スペインの花」
昭和モダンを高らかに歌いあげます





「東京ラプソディ」藤山一郎主演の音楽映画。
P.C.L.映画製作所、佐伯孝夫原作、
永見柳二脚本、伏見修監督作品。


金持ち文化人が歌手を育てる計画を練り、
選ばれた歌の上手い洗濯屋が、
町一番のラッキーボーイになるはずだったが…、


洗濯屋の若旦那 若山は、大の歌の名人。
今日も朝から、仕事をしながら自慢の咽を披露している。
そんな若山に、店の向いでいつも仕事をしている
靴磨きのとし坊が、今日は鳩ぽっぽが遅いねと挨拶をする。
鳩ぽっぽとは、同じく、洗濯屋の向いにある
タバコ屋の売り子で、若山の恋人である鳩子の愛称であった。
その鳩子は、ダンスホールの踊子マキと同じ部屋で
同居暮ししていたが、その日は寝坊したのだった。
そんな鳩子が若山と仲が良い事を知っているマキは、
彼に洗濯を頼んだピンクのドレスが
まだ届かなくて困っているので、
早くホールに届けるように催促して来てくれと
頼んで送りだす。
電車で勤め先のタバコ屋にやって来た鳩子は、
さっそく洗濯屋の若山に会いに行くが、
残念ながら、若山は今、マキのドレスを
ホールに届けに行っていて不在だと、
やはり二人の仲を知っている店員たちがからかう。
一方、ダンスホールに来たマキが、
バンドでサキソフォンを吹いている船橋
談笑をしている所に、若山がドレスを届けに来る。
三人もかねてより馴染み同士だった。
やがて、ホールで踊りが始まり、
マキは、常連の紳士別井に誘われて踊り出す。
配達から帰って来た若山は、
いつものように、とし坊と鳩子に土産で買って来た
菓子を渡しながら、鳩子には、
今日も仕事が終わったら、例の所で会おうと誘う
例の所とは、都会のネオンが見える
ビルの屋上のことだった。
アコーデオンを奏でながら、若山は、
鳩子の為に歌を披露する。
それを聞きながら、幸福な気分に浸っていた鳩子だったが、
何時かこの幸せが逃げてしまうのではないかと、
秘かな不安も感じていた。

同じ頃、銀座ホテルに泊まっていた別井に
招待されていた女性文化人の矢野ハルミは、
原稿依頼を受けている出版社に、
締め切り時間を遅らせてくれと電話していた。
そこへ戻って来た別井は、
窓の外から聞こえて来る歌声に気がつき
、眺めてみると、近くのビルの屋上で歌っている
若山と鳩子の姿を見かけ、
原稿を書いていたハルミを呼び寄せる。
若山の歌声を聞いていたハルミは、
その素人離れした実力を認めると共に、一つ、
自分達二人で、あの青年を人気歌手に
育ててみないかと思いつきを提案する
その唐突な提案に、最初は戸惑いを見せた別井だったが、
才能の世に出してやるのは意義があると考え賛成する。
才気活発なハルミは、又、
やりがいがある仕事を見つけたと張り切る。
屋上にいた若山と鳩子は、ホテルのボーイに呼びに来られ、
別井の部屋に招かれると、
歌手にさせてやると言う話を聞かされるが、
正直、若山には気乗りしなかった。
しかし、ハルミたちにハッパをかけられ、
しぶしぶ承諾する事になる。
数日後、新人歌手として新聞に載った
若山の写真を観ていたマキは、
すっかり有名人になった若山のことを羨むと共に、
鳩子に、船橋と三人で、
若山の出世祝いをしてやろうと提案する。

一方、ハルミが手際良く開いた事務所で
待機状態となった若山は、鳩子に会いたいが、
煙草を買いに出かける事さえ許されない状況になっていた。
若山は、マネージャーになったハルミが言うがまま、
スケジュールをこなさざるを得なくなり、
早速事務所を訪れて来たレコード会社の猪俣にも
挨拶させられていた。
その後、どうにか事務所を抜け出し、
鳩子の店にやって来た若山だったが、
とし坊からいつものように靴を磨かせてくれと言われ、
台に置いた靴はピカピカの新品で、
有名人になった友達の靴を磨こうと
張り切っていたとし坊を白けさせていた。
鳩子は、今夜9時、家でささやかなお祝をするので
来てくれと誘い、若山も快諾する。
ところが、事務所に戻って来た若山は、
その夜、吹き込みの打合せがあると
ハルミから言われてしまう。
その夜、船橋を伴って帰って来たマキは、
手料理を前に、鳩子が一人で待っているのに気づく。
気を利かせて、少し遅れて帰って来たつもりだっただけに、
若山が来ていないのを船橋とともに不思議がる。

同じ頃、若山は、連れて来られたキャバレーで、
接待に浮かれる音楽関係者たちと、
面白くない時間を過ごしていた。
ボーイに鳩子の家に連絡を頼んでもらうが、
先方に電話がないのでどうしようもない。
空腹のまま待たされている舟橋らに気づかった鳩子は、
秘かに置き時計の針を1時間戻してしまう。
結局、若山はやって来ず、舟橋は帰ってしまうし、
マキからは、人間なんてこんなもので、
自分さえ良ければ人のことなんか考えなくなる。
もう、純情に若山の事とを慕うなんて
止めた方が良いと忠告された鳩子は泣き出していた。


『つづく』

浮世舞台の花道は  表もあれば裏もある
花と咲く身に男がいれば、咲かぬ花には、
女あり ...



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる






P R
きれいなお風呂・宣言 

お風呂物語