流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想……

妄想劇場・番外編

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、



禁じられた恋のボレロ 
フラメンコ・ギター パコ・デ・ルシア



銀座の猛者(「銀座三四郎」改題短縮版)
1950年、新東宝富田常雄原作、八田尚之脚本、
市川崑監督作品。

大きなリュックを背負ってとあるビルに入って来たのは、
ひげ面でメガネをかけた引揚者のような男だった。
ビルの中にある診療所の受付で
ベアはいるかと声をかけると、
看護婦がどなたですかと聞いて来たので、
タンクと言えば分かるとその男は答える。
待合室のソファに腰を降ろしかけたその男は、
横に座っていた先客が腹を押さえて苦しみ出したので、
ソファに横になれ、俺が診てやると言い出したので、
男は心配するが、
俺は荒井の先輩だと言う。
何を食べたと聞くと、腹痛の男は、
寿司を食ったとあれこれネタの名を挙げ始める。

その時、看護婦が受付の窓口から
ウィスキーの瓶とコップを差し出して、
これを飲んで待っていてくれということですと伝える。
間もなく診療室から顔を見せた荒井熊介通称ベアは、
そこに立っていたタンクこと松原大三の姿を見ると、
一瞬誰だか分からないようだったが、
すぐに表情を崩して喜ぶ。

診察室に招き入れられた松原は、
一緒に入って来た腹痛の患者の容態を伝えると、
奥の休憩室に入る。
そこに下げられていた鳥籠の中の
カナリアを観た松原は、
何か思い出さんかと荒井から聞かれ、
そう言えば、大陸にカナリアと呼ばれた
看護婦がいたなと思い出す。
その時、電話が鳴り、それを取った荒井は、
急患だから出かけて来ると言い残して
診療室を出て行くが、
患者の所に向かう荒井に気づいた
顔なじみらしき靴磨きの子供(青柳入頓)が、
そんな汚れた靴では恥ずかしいよと言いながら、
頼まれもしないのに荒井の前にやって来ると
その場で靴を磨いてくれる。
荒井が金を手渡そうとすると、
そんなものはいらないというので、
荒井は思わず笑顔になる。
待ち合いにやって来た荒井は、
女将さんが死んでしまったと、
布団の周囲で落ち込んでいる芸者たちに、
死んだように見えるだけで生きている。
ヒステリーは時々こんな症状になるんだというと、
寝かされていた女将がぱっちり眼を覚まし、
アラ?先生などと口走る。
そんな女将に荒井は、あんまり焼きもちは
焼かんことだと注意して帰る。
ところが、診療所に戻ってみると
タンクこと松原の姿がない。
看護婦の木戸美子は、2時半の汽車で
お国に帰るのとおっしゃってましたと言うので、
5年振りだ!と荒井が声を荒げると、
でも又来るとおっしゃってましたと美子は答えるが、
国は北海道だ!と言って、
荒井はゆっくり話も出来なかったことを悔しがるので、
もう4時で間に合わないことを悟った美子は
すみませんと小さく答えると泣き出す。

「鳥銀」の主人銀平は、
馴染みの荒井から電話を受け、
晩飯は他所で食うと連絡を受けたので、
今日はフグの良いのが入ったから
一緒に食おうと思ったのに…と残念がる。
そこに、娘で女学校の体育教師をやっている
絹江が帰って来たので、
一緒にフグを食べないかと誘うが、
お父さんが作ったの?
遠慮しとくと言うので、怒った銀平は、
このオールドメス!と叱りつける。
絹江が、オールドメスじゃなくてオールドミスよと
訂正してやると、女はメスだ!と
銀平は癇癪を起こす。翌朝、
いつものように診療室奥の個室にやって来た絹江は、
もう8時よと言いながら、
ベッドで寝ていた荒井の額を脚気診察用のハンマーで
叩いて起こす。
起きて来た荒井が、絹江さんはもう25だろう?
どんな男が好みなんだ?と聞いてきたので、
芸術はまるで理解せず、読むのは探偵小説ばかりの
先生みたいな男性ではなく、
最低でもシューベルトスタンダールを理解するような人が
良いわと答える。
荒井は、多少、ユーモアくらいは解するぞと言うと、
絹江は苦笑する。
フグはおいしかったかい?と荒井が聞くので、
頂かなかったわ、ミスのまま天国に行くの嫌だから…と
言い残して学校に出かける。
「鳥銀」にやって来た荒井は、
まだフグ鍋が煮えていたので呆れながらも、
以前から気になっていた、棚に置いてある
片目のだるまのことを聞くと、長年の願い事が成就したら
だるまの目玉を入れるつもりなんだと銀平から聞かされる。
それを聞いた荒井は、
俺に出来ることなら片棒担ぐよと言いながら、
血圧を測ってみようと銀平の手を取ろうとするが、
銀平は、俺の心臓は鋼鉄製よと粋がり、計らせない。
そこに姿を見せた銀平の妻の種子は、
一度診てもらえば良いじゃないと言い、
夫の頑固さに呆れたようだった。
その頃、絹江は女学校で体操の指導をしていた。
一方、荒井は、空き地のバラック小屋に住む、
靴磨きの少年の母親の治療を無料で行っていた。
その日帰宅した絹江は、
両親が不機嫌そうな顔で待ち構えていたので戸惑う。
種子は絹江に、あんたは一体どこの嫁になるんだい?と
問いつめる。絹江は、
先方が木石じゃ仕方ないでしょう?
クマさんは私のことを妹みたいにしか思ってないのよと
冷静に答える。
お前が女学生で、クマさんは大学生だったからな…と、
銀平は、荒井と家族ぐるみで
古くからの知りあいであることを恨めしそうに言う。
あんたの口から一言言ってくれれば良いじゃないと
種子が口を出すと、俺はクマさんの恩人だぞ。
その俺が何か頼み事をすれば、
クマさんは何も言わずに引き受けてくれるはずだ。
恩を売り物にすりゃ、一生クマさんは
そのことを重荷に思うんだぞと銀平は諭す。
種子は、三菱商事の神田さんの息子さんを知っているか、
話があるんだけど…と絹江に伝えるが、
ベアさんが他の人と結婚したら考えるわと言い残して
2階の自分の部屋に登って行く。

その後、当の荒井がやって来て、
強引に銀平の腕をひねって身動きできないようにすると
血圧を測る。腕力は振るわない約束だぞと
銀平は膨れるが、種子は、さすが柔道六段!と感心する。
絹江ちゃんは?と荒井が聞くと、
今日は音楽会に言っていると答えた種子が、
絹江のことを決めとくれと言い、
銀平も偉い所から縁談があるんだよと荒井に伝える。
種子はさらに、あの人には良い人がいるらしいのよ。
心当たりない?と遠回しに催促し、
銀平は思っている人があるのか?と
荒井に聞いて見ると、あると言うではないか。
生きているか、死んでいるか分からないのだと
荒井は言うので、いるのか…と銀平はがっくり肩を落とす。
種子は、絹江はもう25よ!といら立つが、
早く嫁にやれ。あの子はちょっとヒスの兆候があると
荒井は答えて帰ってしまう。

ある日、診療所にやって来たのは、
顔なじみの警察署の次席川本五郎だった。
次席の用件は、精神病院に行ってもらいたいと
いうものだったので、
俺はおかしくないぞと荒井が怒ると、
友人の医者から電話があって、
凶暴性のある患者がいるらしいので、
君の柔道で押さえて欲しいんだと言う。
しかし、荒井は、柔道を止めていると断ろうとしたので、
人助けだ、頼むと川本は頭を下げる。
仕方なく精神病院の個室に出向いた荒井は、
そこに入れられていた患者と向き合い、
笑顔で懐柔しようとするが、
突然掴みかかって来た相手は、荒井を
柔道の技で投げ飛ばし、さらに首を絞めて来たので、
やむを得ず、荒井は、自ら禁止していた柔道で
患者を投げ飛ばすのだった。
すると、その患者は号泣し始める。

その頃、診療所では、看護婦の美子が1人
焼き芋を食べながら新聞を呼んでいたが、
そこに北海道から戻って来た松原が、
軽く頭を小突いて気づかせる。
荒井は?と聞くので、美子が精神病院ですと答えると、
とうとう入院したか!と松原はうなる。
しかし、荒井がそこに帰って来たので、
松原は、女房は3年前に死んだと教える。
気の毒がった荒井は、俺も今、
戦争の犠牲者に会って来た所だと悲しそうに教える。
俺たち医者は、病人1人も作らない
世の中を作るのが先決だと荒井は呟く。
その後、料亭で久々に酒を酌み交わすことになった松原は、
栄養病理学の研究はどうした?
俺はお前に病理学の研究を続けて欲しいと言うが、
荒井は、俺は町医者の仕事に精を出すのが
良いと思っていると答える。

その夜、松原と一緒に診療室の奥の部屋で寝ていた荒井は、
新橋の「カナリヤ」という店で急患ですと
戸を叩かれたので、出かける用意を始めるが、
一緒に眼を覚ました松原も同行すると言い出す。
バーらしき店に出向いて見ると、
ヤクザ風の男が刺されたのか胸から血を流している。
荒井がその患者の治療を始めようとしている間、
店の酒を嬉しそうに眺めていた松原は、
二階フロアに立っていた1人のホステスに眼を留めると、
カナリヤにカナリヤがいた!と驚きの声をあげる。
その声で、荒井もその場にやって来て女性を観る。
その女性こそ、戦時中、荒井と松原が大陸にいた頃、
カナリヤと呼ばれており、荒井が思いを寄せていた
看護婦立花マリエだった。
松原は、カナリヤはカナリヤにいたわけだと感心した
松原が患者の治療をしてやると言ってくれたので、
久々に再会した荒井は、変わったね…とため息をつき、
マリエの方も変わったでしょう?と
悲し気に聞いて来たので、
荒井は又、変わったよ。
こんな所で会うとはねと正直な感想を言う。
マリエの方も、こんな時ににねと調子を合わせて来る。
カナリヤでしこたま飲んで診療所に帰って来た松原は、
すぐにベッドに横になり寝入ってしまうが、
荒井に着いて来たマリエは、
部屋にあった鳥籠のカナリヤに気づく。

つづく

浮世舞台の花道は  表もあれば裏もある
花と咲く身に男がいれば、咲かぬ花には、
女あり ...


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる






P R
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