流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想……

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

幸せな家庭生活が妻の病死により一転、
悲しみの毎日へと変わった。
幼子を抱えて生きてゆくには
多くの人々の支えがあった。
精一杯生きる中での様々な出会いと
悲しい別れを繰り返し、
不思議な出来事にも遭遇する。
そして、そこには新たな愛が存在していた。……


Author: 壇次郎


どんぐりからの手紙 (第12話)

翌年も、運動会の季節が来ました。
今度は長野県の実家から、
私の年老いた両親が来てくれました。
忙しい農作業を中断し、
野菜をたくさん抱えて来てくれました。
姉夫婦も隆のためにお弁当を作って来てくれました。
咲子の両親までも、孫の隆を不憫に思い、
わざわざ転勤先の仙台から来てくれました。
おじいちゃん、おばあちゃん、おばさん、おじさん、
今年は、大勢でお弁当です。
父「たかし、徒競走、どうだった?」
隆「また、一等だったよ」
由美「ほら、おばちゃん、隆の好きないなりずし、
 たくさん作って来たよ。果物もあるからね」
母「隆は今度、何に出るんだい?」
隆「今度は、球入れだよ」
義母「しばらく見ない間に、隆は大きくなったね」
義父「隆は男の子だけど、母親の咲子に似てるよね」
義母「咲子がいたら、さぞ喜んでくれるだろうに・・・」
由美「隆、そんなに急いで食べたら、
 後で、お腹痛くなっちゃうよ」
隆「平気だよ!」
なんと隆は、急いでお弁当を食べ終えたと思ったら、
さっさと遊びに行ってしまいました。
それからは、主役の隆がいない大人だけの
へんなお昼になってしまいました。
もう、隆は、親よりも友達と遊ぶ方がいい様子でした。
でも、我々大人たちにとって、
少々、ほっとした一面も心のどこかにありました。
咲子がこの世を去ってから、4年の月日が経ちました。
隆も9歳になり、
元気に小学校に通っていました。
私の姉、由美は、専業主婦でもあり、
大学生になった子供たちの
手もかからなくなったこともあって、
よりいっそう、隆の面倒を良く見てくれました。
隆の遠足の日などは、朝早く、
お弁当を届けに来てもくれました。

ある日のことです。
学校で飼育しているウサギが増え過ぎて、
学校は、貰い受けてくれる生徒を募集しました。
隆はその事を私に話しました。
隆「ねぇ、父さん・・・。
 ウサギ、飼ってもいい?」
剛「だめだよ。面倒見られないんだから」
隆「僕、ちゃんと面倒見るよ。
 餌もあげるし、散歩も連れて行くからさぁ・・・」
剛「ウサギは、犬じゃないから、
 散歩しなくてもいいんだよ」
隆「じゃあ、餌と水だけでいいんだね」
剛「ウンチやオシッコするんだから、
 毎日掃除するの、大変だよ。
 父さん、仕事で疲れているから、
 世話、出来ないよ」
隆「いいよ、全部、僕がやるからさぁ、
 約束するからさぁ・・・」
私の会社は、中国からの安い輸入品に押され、
決してうまく行っている状態ではありませんでした。
中間管理職となっている私は、
リストラに脅え、帰りの遅い毎日が続いていました。
夕食は、近くに住む姉が、
作り溜めをしてくれていたので、助かっていましたが、
夜遅くまで、一人で私の帰宅を待っている隆に、
それ以上、ウサギを飼ってはダメだとは、
言えませんでした。

その3日後、大きなダンボールを抱えて、
隆が学校から帰って来ました。
ちょうど、その日は、姉が夕食の作り溜めをしに
訪れていた日でした。
隆「おばちゃん、おばちゃん、ほら、見て 見て!」
由美「えっ、2匹も貰って来たんだねぇ。
 どれどれ、あら~、かわいいねぇ・・・。
 もう、隆も寂しくないねぇ」
隆「うん、名前、どうしようかなぁ」
由美「隆のウサギなんだから、
 隆が考えて付けてあげなきゃね」
隆「でも、わからないなぁ」
由美「隆の好きな物の名前にしたらどう?」
隆「好きなもの?」
由美「そう、好きな物だよ。隆は何が好きなのかな?」
隆「母さんが焼いてくれたクッキー !」
隆は自分の母の死後、
寂しさを口に出すことはしませんでした。
隆がすっかり咲子のことを忘れていると
思い込んでいた由美にとって、
こんな隆の言葉は、切なく感じました。
由美は溢れ出す涙を抑えることも出来ず、
由美「そうか、クッキーがいいね。
 どっちがクッキーかな?」
隆「この、パンタみたいな方だよ」
由美「それじゃ、こっちの茶色い方は、
 どんな名前にしようか?」
隆「こっちは、ビスケット!」
由美「どっちも、おいしそうな名前だね」
クッキーとビスケットの寝床は、当面、
プラスチックでできた衣装ケースの中となりました。
これならば、ウサギがウンチやオシッコをしても、
風呂場でまるごと洗えば簡単です。
でも、隆が学校から帰って来ると、
衣装ケースの蓋を外すので、
ウサギたちは部屋中を飛び回り、
あちこちにウンチとオシッコをしてしまいます。
そんな中、隆は約束通り、
ウサギたちの面倒を良く見ていました。
部屋の中にしてしまったウンチやオシッコの片付けは、
まだ小さな手で、ちゃんと実行していました。
私は、子供の頃に犬を飼っていたことがあります。
動物は、いつか死にます。
人間よりも短い寿命を一生懸命に生き、
買主に愛情を注いでもらい、
それに対してたくさん自分の愛情で答えてくれます。
母の死により、幼くして寂しさを経験している隆に、
いつか死ぬウサギによって、
また寂しい気持ちにさせてしまうのではと、
心配な気持ちもありました。
また、私自身も、あまりウサギに愛情を注ぐと、
死後の別れが辛くなるのを知っています。
そこで私は、あえてウサギとは
距離を置いて接する様にしていました。

続く

Author: 夢庵壇次郎
http://www.newvel.jp/library/pso-1967.html


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



大利根月夜 美空ひばり




誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる


P R
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