流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

歴史・履歴への許可証

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歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
明日という日はミステリー、
今日という日はプレゼント(贈り物)


うなぎのかぎ賃 

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むかし、ある町に、けちんぼうな男がいました。
男は毎日毎日ご飯どきになると、
うなぎ屋の前へ出かけて行っては
腹いっぱいにうなぎのにおいを吸い込み、
そのまま家へ飛んで帰ってうなぎのにおいで
ご飯を食べるのです。
さて、それに気づいたうなぎ屋の親父は、
「においだけで飯を食うとは、なんちゅうけちだ。
よし、あのような奴からは、においのかぎ賃を取ってやろう」と、
さっそく帳面(ちょうめん)につけておき、
月末になると男の家ににおいのかぎ賃を取りに行きました。
すると、けちんぼうな男は。
「やい、おれはうなぎ屋に、借金をした覚えはないぞ!」
「いえいえ、これは、うなぎのかば焼のかぎ賃でございます。
えーと、しめて八百文(→二万四千円ほど)ですな。
においをかいでうなぎを食べたつもりになっておりますので、
こちらも食わせたつもりで銭を取りに来ました」
うなぎ屋がすましていうと、
男は仕方なくふところから八百文取り出しました。
「へい、確かに八百文。ありがとうございました」
うなぎ屋がにこにこ顔でお金を受け取ろうとすると、
男はそれを板の間へ放り投げました。
チャリーン。 チャリーン。
お金が景気の良い音をたてると、男はうなぎ屋に言いました。
「においの代金は、音で払おう。
今、銭の音を聞いただろう。
本当に銭を受け取ったつもりで、帰んな!」
この勝負、うなぎ屋の負けでございます。
おしまい


踊る三毛猫( 日本昔話)


 
この正直者め 吉四六(きっちょむ)さん 

 
むかしむかし、きっちょむさんと言う、
とんちの上手な人がいました。
むかしは、ところどころに関所というものがあって、
通る人や荷物をきびしく調べていました。
きっちょむさんの村から町へ行くのにも、
この関所を通らなければなりません。
ところが、この関所には悪い役人がいて、
「こらこら! そのとっくりの中身は、何じゃ?!
何か良くない物を、隠しておるのではないだろうな!
今から、取り調べてやる」と、言って 
役人は荷物の中にお酒を見つけると、
取り調べと言いながらお酒を飲んでしまうのです。
そこでこまった村人たちが、きっちょむさんに頼みました。
「きっちょむさん。 お前さんのとんちで、
あの役人をこらしめてはくれんか?」
役人のうわさを聞いていたきっちょむさんは、
すぐに引き受けました。
「よし、まかせておけ。その役人が、
二度と酒を飲まないようにしてやる」
きっちょむさんはそう言うと、さっそく町へ
お酒を買いに出かけました。
町からお酒を買って帰ろうとすると、
あの役人がさっそくきっちょむさんを呼び止めました。
「こらこら! そのとっくりの中身は、何じゃ?!」
するときっちょむさんは、わざとこまった顔で答えます。
「はい。これは、その・・・。
実は、小便が入っております」
「何、小便じゃと? ・・・ほうほう、
多少は知恵を使ったようだが、このわしには通用せんぞ」
役人は、とりあえず用心にとっくりのにおいをかぐと、
ニンマリと笑って中のお酒をうまそうに飲み干しました。
「うむ、これは上物。なかなかに、うまい小便じゃ。
よし、行ってよし!」
空になったとっくりをきっちょむさんに返した役人は、
満足そうに言いました。
さて、それから三日後、きっちょむさんはまた町へ行くと、
とっくりを下げて関所を通りました。
するとやっぱり、あの役人が呼び止めます。
「こらこら! そのとっくりの中身は何じゃ?!」
「はい。これは、その、小便が入っております」
きっちょむさんが答えると、
役人はきっちょむさんを見てニンマリと笑いました。
「おおっ、お前はこの前の。
少しは知恵があると思ったが、またこりずに小便とはな」
役人はきっちょむさんからとっくりを取り上げると、
今度はにおいもかがずに、いきなりゴクゴクと飲みました。
しかしすぐに目を白黒させて、飲んだ物をはき出しました。
「ブーーッ! こ、こ、こら! これは、何じゃい! 
きさま! わしに小便を飲ませたな!」
役人は刀を抜くと、きっちょむさんに詰め寄りました。
ですがきっちょむさんは、平気な顔で言いました。
「だからわたしは、小便と申し上げましたよ」
「むっ、むむむむ」
これには役人も、返す言葉がありません。
役人は刀をおさめると、きっちょむさんに言いました。
「この、この正直者め。行ってよし!」
それから役人は関所を通る人の荷物に
お酒を見つけても、もう飲もうとはしなかったそうです。

おしまい


最後のうそ 江戸小話




幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない




P R

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