流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想……

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

創作、ドキュメンタリーです。
ストーカー行為から脅迫に至った
加害者を相手に、
刑事、民事と奮闘したあげく、
独りで裁判に持ち込みました。
このストーリーでは、
民事裁判の手法や解説を交え、
被害者が直面されるであろう
問題点についても訴えています。

Author: 壇次郎


独りっきりの裁判 25話 
(提訴:受付)

スーツに着替えた私は、自ら作成した訴状と資料を
アタッシュケースに詰め込み、
簡易裁判所の門をくぐりました。
裁判所と言うと、守衛さんが訪問者のチェックをし、
人の出入りには厳しいところと思っていましたが、
ロビーの出入りは自由で、よくある役所のロビーと、
何ら変わることはありませんでした。
しかし、あくまでも簡易裁判所のロビーですので、
高等裁判所となれば、また、
雰囲気が違うのかもしれません。
私は、相談窓口のあるコーナーへと入って行きました。
窓口には大勢の相談者が訪れていました。
そこは、銀行の相談窓口カウンターの様に、
相談している人の後ろに長椅子が置いてありました。
でも、銀行の様に、整理券はありませんでした。
私は、すぐに終わりそうな人の後ろで、
待つことにしました。順番を待っている間、
私の耳に入って来る言葉は、
どれも訴訟を受け付けないと言った様な、
裁判所の相談員からの冷たい言葉ばかりでした
。自分も冷たく突き返されるのかと、
私は不安でした。ついに、私の順番になりました。
相談員は、私よりも若く、
30歳代半ば程と思える男性でした。
私は、まず、相談員に事情、経緯、
訴訟を起こす理由を説明しました。
そして、持参した訴状と添付書類を見せました。
相談員は、私の予想に反し、
躊躇する事無く訴状を受理する方向で
受け入れてくれました。
文章表現方法も一字一句、手直しをしてくれました。
更に添付した方が良い書類、
口頭弁論の時に提出した方が効果のある書類など、
丁寧に説明してくれました。
私の事前勉強が功を奏した様子です。

【請求の趣旨】
民事訴訟ですから、当然、要求金額を明示します。
この金額の根拠となる書類を別紙として添える様、
勧められました。要するに、
見積書の内訳といった様なものです。

【請求の原因】
一番重要な部分は、「脅迫」の事実です。
必ずしも録音テープを証拠として提出する必要は無く、
言った内容が具体的に文章化されていれば良いそうです。
テープに記録された言葉を録音された日時と共に、
そのまま文章化することを勧められました。
この脅迫記録を証拠書類として
初めから訴状に添付せず、被告が否認した時に、
その場で提出すれば、
いっそうの効果があるそうです。
この様に、初めから全ての証拠を明らかにして、
相手に手の内をさらけ出すよりも、
次の手を用意しておく戦術も必要の様でした。

「この訴状、お独りで作ったのですか?」
思いがけない相談員の方からの労いの言葉に、
私は、「弁護士さんに頼むと、
費用が高いですから・・・」と答えました。
この様な裁判書類は、弁護士に頼むより
司法書士に頼む方が安く済み、
自分で作るより書式も確実だそうです。
そして、相談窓口で配布している訴状の用紙も、
参考の為、頂く事となりました。
皆、この用紙に手書きで記入し、申請するそうです。
一方、民事裁判で判決に勝ったとしても、
賠償金を受け取れるとは限りません。
被告が判決に従って、賠償金を支払えば
問題無いのですが、いつまでたっても
支払いの無い場合は、強制執行の申し立てを
裁判所に起こします。
この申し立ては地方裁判所に起こす事になります。
従いまして、財産や給料を
差し押さえたりできる強制力は、
民事裁判の判決にはありません。
この件の認識についても、
私は相談員から確認されました。
提出書類のチェックを終えて、
私は自分の事務所に戻りました。
自ら訴状を作り直し、再度、裁判所に出向いて、
訴状受け付け窓口に行きました。
受付窓口では、私よりも先に来た
二十代前半と思われるスーツ姿の男性が、
督促状の申請書を提出していました。
彼の後ろに並んで待っていると、別の職員が来て、
すぐに対応してくれました。
受付職員は、私の持参した提出書類
訴状等)に目を通し、
一部分の修正を指摘しました。
『原告の生命、身体に対し危害を・・・』
との箇所で、本件は原告が会社の為、
『生命、身体』は存在せず、
この部分の削除を勧められました。
そして、私は職員に言われるまま、
その場で文面に二重線を引き、
修正印を押しました。
その他の書類や内容については、
相談窓口を通したこともあり、
すんなりと受理してもうことが出来ました。
これで訴状には全く問題なく、
裁判に臨むことが出来るものと、
この時の私には、疑いなど存在しませんでした。
次に、提出時に必要な印紙、
切手の種類と枚数が書かれたメモを渡され、
それを持って裁判所地下の売店に行き、
購入して来ました。
売店には、印紙や切手を求める人々が、
絶え間なく訪れていました。
皆さん、督促状を出す様です。
簡易裁判所は、滞納家賃や借金の催促の為に、
なんとも手軽に利用できる施設でもありました。
第16話に記した「督促状」は、この場で、
いとも簡単に申請や受付がされていました。
身に覚えの無い督促状が
裁判所から届くといった詐欺があると、
以前、聞いたことがあります。
特に裁判所では、申請された督促状の
中味にまで立ち入りませんので、
架空であろうと督促状が出来上がってしまいます。
もし、届いた督促状を放っておくと、
裁判の判決と同じ効力の支払い義務が
課せられてしまいます。
もし、身に覚えの無い督促状が
裁判所から届いたら、発行された裁判所に
異議申し立てをしなければなりません。
一方、裁判所に似た名前を使った
架空請求詐欺もあるそうで、
いろいろと注意したいものです。
地下の売店で購入した印紙、切手を持って、
私は再度、申請受付窓口へと向かいました。
先程、対応してくれた職員に対し、
私は訴状に印紙、切手を添えて提出しました。
訴状を読んだ受付の職員は、
「被告は、口頭弁論に出廷しないかもしれませんね。
もし、被告が出席しなければ、
訴状の通りの判決が出ます。
しかし、判決だけでは強制執行出来ない事は、
ご存知ですね?」と、私に確認をしました。
私は、「脅迫やストーカーの様な行いを
止めさせるのが目的ですので、
無理やりに賠償金を取る様なことは、
特に考えておりません」と、私は答えました。
最後に、職員の「ご苦労様でした」との
挨拶を聞き、私は裁判所を後にしました。

そんな訳で、私は、とうとう自分ひとりで
裁判を起こす事に成功しました。
相談窓口では、全ての書類にチェックをしてもらい、
申請受付窓口でも問題点は全くありませんでした。
訴状の提出というものは、
たくさんの書類を風呂敷包みに包んで、
裁判所に持って行くイメージですが、
私の様にA4数枚でも立派な「提訴」です。
この時、私は、勝訴を勝手に確信しており、
後に起こるどんでん返しなんかを
想像さえしていませんでした。


続く

Author: 夢庵壇次郎
http://www.newvel.jp/library/pso-1967.html


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


昨日という日は歴史、
明日という日はミステリー、
今日という日はプレゼント
(贈り物)



歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



義に篤く、利にはうとく、
信ずることのためには損得を考えずに
突き進むという……

作詞:佐藤惣之助、作曲:古賀政男

やると思えば どこまでやるさ
それが男の 魂じゃないか
義理がすたれば この世は闇だ
なまじとめるな 夜の雨





時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる





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