流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

漢の韓信

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


こうして、こうすりゃ、こうなるものと、
  知りつつ、こうして、こうなった


メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!
アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Kanshin021111 韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。 

 
 
漢の韓信-(126)

「話は変わるが、兵たちは、君の言うことをよく聞くか?」
韓信の質問は唐突ではあったが、灌嬰には
彼がなにを言いたいのかよくわかった。

「旧来の漢の兵たちは問題ありません。しかし、
新たに加わった斉兵はどうも……
彼らは反抗こそしませんが……
どう表現すればいいのでしょう……
熱心さが足りないように感じられます」
「ふむ。そうだろうな。無理もないことだ」

征服された斉の兵士たちは、いうまでもなく捕虜である。
しかし、この時代の捕虜に人権は認められない。
被征服者の兵は、征服者側の兵として戦うことを
強要されるのだった。
彼らが自分たちの主義・主張を態度で示すことは、
禁じられていたわけではないが、現実的に難しい。

我を通して旧主への忠誠を示そうとすれば、
征服者によって斬殺されるのが関の山なのである。
よって、軍は勝つたびに新参者の兵が増え、
膨張していくことになるのだが、それら新参の兵を
心服させることは、征服者にとって重要な課題のひとつである。
彼らが反乱などを起こさないにしても、常に命令に対して
消極的な態度で臨むようであれば、軍全体の士気
低下していくのは目に見えていた。 
ましていま韓信が問題にしているのは、一癖も二癖もある
斉人なのである。

彼らの国民性を思えば、自分の目の届かないところに、
しかも国境の最前線に彼らを配置するのは危険が
大きすぎたのだった。
「軍の編成を新たにし、君の部隊は漢兵を主体としよう。
斉兵は私が引き受けて臨淄に連れて帰ることとする。
構わないな?」

灌嬰に異存はなかったが、斉人を斉に帰す、というのは
多少不安に感じられた。小規模なものといっても、
ひとたび戦闘ともなれば、多少なりとも味方に
戦死者は発生する。灌嬰は、残酷なようではあるが、
斉人にもっとも死の危険が高い任務を与え続けてきた。
どうせ失う兵であれば、斉人に死んでもらおう。

彼ら斉人が故郷に帰れば、旧知の人物たちと謀略を企み、
よからぬ行動を起こすかもしれない。それを思えば、
前線で死んでもらった方がよい、と考えたのであった。
しかし、国を統治することを考えれば、それでは
いけないのかもしれない。

斉人を捨て駒にし続けることは、彼らに不服従の精神を
植え付けることになり、反乱の種をまくことに
なるのかもしれなかった。灌嬰はそう考え、不安に感じたものの、
韓信の能力を信じ、同意した。

「私には、一抹の不安がございますが……
それでも斉王のご判断は正しいと思われます。
あなたにならば、なにかと問題の多い斉人でも
従う者は多いでしょう。
そして斉は次第に安泰な強国へと育っていくはずだ」

これを聞き、韓信は気恥ずかしそうな顔をして言った。
私にそのような徳はない。げんに国政はほとんど
曹参に任せきりにしているくらいだ。
軍事以外になんの取り柄もない私に残された仕事は、
前線の視察くらいさ。……まあ、暇つぶしのようなものだ」

「そうでしょうか? おそれながら漢の将軍である私でさえ、
あなたには従っているのです。
どうして斉人が従わないことがありましょう。
どうか自信をお持ちください。……
そして、斉国の安泰を望むのであれば、早めに王妃を迎え、
後継者をお決めになることです」

韓信は灌嬰の言葉に目を白黒させながら答えた。
「王妃……後継者……。将軍、私は確かに
王として斉国の安泰を願ってはいるが、
斉の国王であることは私の人生の最終目標ではない。
私は、漢が楚に勝った暁には斉国を漢王に
献上するつもりなのだ」

灌嬰は韓信のこの言葉に驚いた様子であったが、
すぐに態度を改め、茶化した態度で反論した。
「仮に斉王がそのようなことをなさっても、
漢王がお許しになるはずがないでしょう。
引続き斉の国政を見よ、と命じられるはずです。

斉王の人生の最終目標がなにかは存じませぬが、
諦めて王妃を迎えることです」
「……はたして漢王はそのような命令を下すだろうか。
私としては確信が持てないうちは王妃を迎えようという
気にもならない。そして、私自身漢王からそのような命令を
下されることを望んでいないのだ」「そのようなことを! 

いまの言葉を聞けば、魏蘭は悲しみますぞ!」
そんなことはない。そんなことはないのだ、灌嬰……。
灌嬰は韓信と魏蘭の二人の夢を知らない。
知らないがゆえのおせっかいな発言であったが、
韓信はそれを腹立たしく感じたりはしなかった。
まだ自分の周囲には、自分のことを思い、
意見してくれる者が存在する。

自分がそれに応えられるかは別問題として、
韓信はそのことが嬉しかったのだった。灌嬰と別れた韓信は、
その言葉のとおり前線の斉兵たちを引き連れて臨淄に戻った。
しかし、このことがのちに悲劇を生むことになる。
灌嬰の不安は、やはり正しいものであった。
「…………」

つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.



愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
歌は世につれ、世は歌につれ、
人生、絵模様、万華鏡…



『名古屋ブルース 』




人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、言えば、……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる

P R

    カビの生えない・きれいなお風呂

    お風呂物語

入れてもらえば気持ちは良いが、
  どこか気兼ねなもらい風呂


S01