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流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

漢の韓信

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


こうして、こうすりゃ、こうなるものと、
  知りつつ、こうして、こうなった


メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!
アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Kanshin021111 韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。 

  
 
 
 
漢の韓信-(123)

一方、広武山での楚・漢の対立は泥沼化し、なかなか進展を見せない。
楚は軍糧の補給に苦労し、このときの軍中には、
次第に飢えの徴候が現れてきている。
これに対し漢は敖倉を後背に抱え、食料に関する問題は抱えておらず、
楚が飢えて弱ったところを攻撃すれば、あるいは勝てたかもしれなかった。
しかし項羽の圧倒的な武勇が、劉邦にそれを思いとどまらせた。
加えて劉邦の父と妻を人質に取られているという事実は、
彼らに行動に慎重さを要求した。

このため、広武山の攻防において、常に先手を打つのは楚の側である。
谷を挟んで、楚軍はしきりに漢軍を挑発したが、
劉邦はどのような嘲りを受けようとも、まともに取りあおうとはしなかった。
それに苛立った項羽は、軍中から壮士を選抜し、
一騎打ちで漢に挑ませることに決めた。

退屈しのぎの余興のようにも思われるが、項羽としては狙いがある。
楚の壮士が次々に漢の壮士を撃ち破れば、
さしもの劉邦も自軍の士気の低下を恐れ、
自ら姿を現すに違いない、と考えたのだった。
かくして武勇自慢の楚の壮士の一人が軍門から出撃することになり、
その壮士は騎馬で谷を降りていった。

「我と勝負せよ」長柄の矛を構えた壮士は、そう言って漢軍に勝負を挑んだ。
「誰もいないのか。漢は腰抜けばかりの集団だと聞いていたが、
なるほどその通りよ!」
壮士がそんな調子で漢軍を狼藉し始めたので、
たまりかねた劉邦は左右の者に、ぼそりと言った。
「仕方ない。誰か、出せ」この命を受けて、漢の軍門から左手に
短弓を抱えた一人の騎馬武者が姿を現した。
彼は巧みな騎術で谷をくだり、馬上で矢をつがえながら言った。

「私が、相手だ」言うと同時に短弓から矢が発射される。
その矢は突進してくる楚の壮士のこめかみを正確につらぬいた。
あっという間の勝負である。
「あれは……楼煩だ! そうに違いない」
楚軍の兵士はみな一様に恐れ、おののいた。
漢の楼煩兵はそれを当然の如く受け流し、つぶやく。

「一人目……次、出てこい」その声が聞こえたかどうかは定かではない。
しかし先に仕掛けた以上、引くことのできない楚の側としては、
次の壮士を前面に出すしかなかった。
しかしこの状況で楼煩の弓術にまともに張り合おうとするのは、
無謀とも言える。楚の壮士がいくら剣術や槍術に長けていても、
接近することができなければ、威力を発揮することはできない。
よって二人めの壮士は突進しつつ弓を構えて
相手の楼煩に狙いを定めて射ったが、楼煩兵は馬を操り、
そのことごとくをかわした。

そして相手が短弓の射程内に入ったことを確認すると、
静かに狙いを定めて矢を放ったのである。
矢はやはり正確に楚兵の目と目の間を貫いた。
「二人目……。次!」言うと同時に楼煩は馬を走らせ、
楚の軍門との距離を縮めた。
相手が射程に入るまで待つ時間の無駄を省こうとしたのである。

楚の三人めの壮士は軍門を出たと同時に、射殺された。
「次!」そのとき楼煩兵の視界に大柄な兵の姿が見えた。
手には戟をとり、きらびやかな甲冑を身に付けている。
「四人目……」楼煩は矢をつがえ、その人物を射とうとした。
しかし、不思議なことに、それ以上体がいうことをきかない。
手はこわばり、目は目標を直視することができなかった。

彼は突如恐れをなしたようにその場を離れ、一目散に
軍門のなかに逃げ込んだ。
「……項王だ! 項王がいる!」逃げ帰った楼煩は狂ったように喚いた。
項羽は楚の四人めの壮士として、自分自身を前線に配置したのであった。
項羽とあえて一騎打ちを挑もうとする者など、漢軍の中にはいない。
出れば殺されるのはわかっており、劉邦自身もそれを理解していた。
しかし、理解していながら、この場に至っては
出ざるを得ないのが実情であった。

漢は楚に比べて全体的に武勇で劣るので、生存を望む兵は
楚に靡くのが自然な流れである。
だが漢は食を保証することで兵の流出を防ぎ、どうにかここに至っている。
だが、それも限界であった。項王を恐れ、
すごすごと逃げ出すような王に兵がいつまでも心服するはずがない。
いま、この場に韓信がいたら……。劉邦はそう考えたが、
すぐさま首を振ってそんな考えを頭の中から追いやった。
韓信項羽に打ち勝つことになったら、兵は韓信に従うだろう。
そんな事態になっては、彼の存在意義など無きに等しい。
劉邦は意を決し軍門を出て、項羽と対峙することにした。
しかしわかりきったことだが、武を競い合って敵う相手ではない。
劉邦は両軍の兵たちが見守る中、項羽
論破することにしたのである。

項羽! 貴様ほど悪逆な者は天下にはおらぬ」
谷を隔てた会見が始まった。
両軍の兵士は等しく息をのみ、誰もひと言も発しない。
「天下を貴様の手に渡すわけにはいかぬ。
なぜならば貴様はあまりにも罪の多い男だからだ。
わしはそれを証明するために、いまここに貴様の罪を列挙してやる。
数えきれないほどの罪だが、だからといって、
どれも見過ごすわけにはいかん」
項羽は本来こらえ性のない男であったが、この場では
怒りをあらわすことなく、なにも言わなかった。
劉邦の出方に虚をつかれたのか、それとも
お手並み拝見、とでも思っていたのか、この時点では定かではない。

劉邦はそれをいいことに声高らかに演説し出した。
「貴様の罪の一つ! かつて懐王は先に関中に入った者を
関中王と定めるとしたが、貴様は約束を違え、わしを蜀漢の王とした」
「二! 貴様は卿子冠(宋義のこと)を偽って殺し、
 自ら大将軍の座についた」
「三! 貴様は趙を鉅鹿に助け、それが終わると懐王に断りもなしに
 諸侯を引き連れ、函谷関に入った」
「四! 懐王は秦国内では暴虐な行為を働くなと命令された。
 にも関わらず、貴様は宮殿を焼き、始皇帝の墓を暴き、
 財物をことごとく私物化した」
「五! 貴様はやはり断りもなく、独断で秦王子嬰を殺した」
「六! 貴様は悪逆な方法で秦の士卒二十万を新安で穴埋めにし、
 秦の降将章邯を勝手に王に封じた」
「七! 貴様は自分の部下にばかりよき地を与えて王とし、
 もとの王を辺地に移し、天下に争乱を起こさせるに至った」
「八! 貴様は義帝(懐王)を郴県に追いだして、
 欲望のまま広大な領地をとった」
「九! 貴様は江南においてひそかに人に命じて義帝を殺させた」
「十! 貴様は人臣の身でありながら主君を殺した。
 また、降伏する者を殺した。政治をとっては不公平、
 誓いを破ってばかりで義に背く。天下に轟く大逆無道とは貴様のことだ」

劉邦はあらかじめこのような項羽に対する誹謗を
暗誦でもしていたのであろうか。
この場に及んでこれほど項羽に対する中傷を列挙してみせるとは、
よほど胆力の座った男でなければできない行為である。
単なるごろつきの出身であったと言われる劉邦であったが、
やはり天下に覇を唱えようとする資質があった、ということか。
だがそのこと自体が「一種の狂人である」とも言えないことはない。

「貴様はわしと決戦しようと、そこに突っ立っておるが」
劉邦は次第に気分が高揚してきたのか、滑舌も良く、調子に乗っている。
「貴様を討つことは、わしにとって賊に誅罰を与えるのと同じことだ! 
よって貴様を討つのは、貴人たるこのわしの仕事ではない」
項羽は狼藉を浴びせられながら、まだなにも反論しないでいる。
劉邦はそのことにさらに気分を良くし、最後のひと言を発した。

「貴様を討つ仕事はわしではなく、刑余の罪人こそがふさわしい!」
おお、というどよめきが両軍の兵士の中に起こった。
しかしそれもつかの間のことであった。
どよめきは漢兵の悲鳴によって、かき消されたのである。
劉邦があおむけに転倒しているのであった。
どういうわけか、ぴくりとも動かない。
誰もなにが起きたのか、理解できないでいた。
これを確認した項羽は、後方に控えた兵に声をかけ、
その場をあとにした。

つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.



愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
歌は世につれ、世は歌につれ、
人生、絵模様、万華鏡…




『ひとり上手 』




人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、言えば、……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる



P R
    カビの生えない・きれいなお風呂
    
    お風呂物語