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流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

妄想劇場一考編

信じれば真実、疑えば妄想……

冥談「ミステリー列伝」

タクシー運転手の経験談

(1)幽霊と熊


あるタクシー運転手が、夜中の2時ごろ、
飲み屋街で一人の男のお客を拾った。
行き先を聞くと、このあたりでもかなりの田舎であり、
山の中でもある。
タクシーを走らせて、その山の中まで来た。
お客が指示する通りに走っていると、細い道に入った。
車が一台通れる分の幅しかない。進んでいくと、
じわじわと道幅も狭くなっていく。街灯もないし、
ガードレールもない。

車の右側は切り立った崖のようになっていて、
うかつな運転をすると脱輪してしまいそうな道である。
しかも左からは木の枝と葉が垂(た)れ下がっていて、
不気味なこと、この上ない。
慎重に進んでいくと、お客が口を開いた。
「運転手さん、正面にちょっと大きな木が見えるでしょう。」
「あ、はい、ありますね。」

「何年か前に、あの木で女が首吊り自殺をしたんですよ。
それ以来、この道で、夜中に女が立っているのを
見た、という人が結構いましてね。
ここは幽霊が出るかも知れませんから、
帰りは気をつけて下さいね。」

「はい、ご親切にありがとうございます。
でも、自分が気をつけてても、出るものは
出ますよね・・。」
「はは、そりゃそうですね。」

それからもう少し走って、やっとお客の家の前に着いた。
道が極端に細い上に不気味なところなので、
距離にすればたいしたことはなかったのかも知れないが、
ずいぶんと長く走ったように感じた。
なんでこんな秘境に住んでいるのか。
お客が降りる間際にまた一言言った。

「あ、運転手さん、それからこの辺はクマも出るんですよ。
それも結構でかいのが。帰りは気をつけて下さいね。」
「あ、そうですか。ご親切にありがとうございます。
でも、自分が気をつけてても、出るものは
出ますよね・・。」
「はは、そりゃそうですね。」

お客の庭でUターンして、今来た山道を戻る。
しかし一人になると、運転手はさっきの言葉が
気になってきた。
もし仮に、走っている最中、何気にルームミラーを見ると
後ろ座席に知らない女がいきなり座っていて、
「うわあっ!」と思った瞬間、それと同時に
目の前に巨大なクマが現れたりでもしたら・・。
しかし幽霊とクマが同時に現れたという話は
聞いたことがない。
もしも、両者が同時に現れたとしたら、
どっちが怖いかというと、やっぱりクマの方に決まってる。
でも結局どっちも出なかったのでホッとして
無事に帰れたらしい。…



(2)助手席の女の子よろしくね

あるタクシー運転手が、夜の3時ごろ、
一人の男のお客を乗せた。50代くらいで
スーツを着ていて髪型もきちんとした、
いかにも管理職という感じの人だった。
家の前に到着して、そのお客が降りる間際に
運転手にこう言った。

「運転手さん、それじゃ、助手席の女の子、
あとよろしくね。」
この人は最初から一人で乗っていたので、
この人が降りると他は誰も乗っていない。
最初から自分一人で乗っているのに、酔って、
友達と一緒に乗って帰ったと勘違いする人は多い。

例えばお客が目的地まで寝ていて、到着した時に
運転手が「着きましたよ。」と言って起こすと
「あれ?あいつ、いつの間に降りたんや?」などと
言い出す。
「いえ、お客さん、最初から一人でしたよ。」といって
運転手が説明するパターンが結構ある。
運転手はまたそのパターンかと思い、

「助手席の女の子ですか? いや、お客さんは
始めから一人で乗ってらっしゃいましたよ。」と答えると、
「あっ! そうか。君には見えないんだった。
ごめん、ごめん、今の言葉忘れて。」と言って
降りていった。
一瞬運転手も身体が固まった。

・・・・・すると、何ですか、今、この助手席には、
自分の見えない女が座っているとでも
言うんですか・・。
彼は霊能者だったのか。いや、
多分酔っぱらいのいたずらだろう。
そう分かってはいても、それ以降、
運転手は助手席が気になってしょうがなかった。…



「よく見ると怖い・不思議な画像」




『日常や社会に存在する心霊現象』

自殺の第一発見者


恵子さんは、ある大学病院で看護婦をしている。
病院内の勤務という仕事に就(つ)いていると、
どうしても人の死に直面する場面にはよく出会うことになる。
そしてそれに伴って奇妙な体験をすることもよくあるという。
トイレで鏡を見ていると、すぐ後ろに誰かが立っているので、
ハッとして振り向くと、そこには誰もいなかったり、
廊下で、この間亡くなった人とすれ違ったり、などの経験は
恵子さんも、たまにしていた。

ある日のこと。恵子さんが、4階の廊下を歩いていると、
窓の外の方から「ドン!」とも「ドサッ!」とも言える音が
聞こえてきた。
いかにも高い所から何かが落ちたような音だった。
何だろうと思って窓を開けて下を見てみると、
下の地面には入院用の服を着た一人の女性が倒れていた。
手足は不自然に曲がって、うつ伏せになっており、
周辺には血が飛び散っている。
入院患者の飛び降り自殺だということは、
見た瞬間に分かった。

「きゃあぁぁ!」と悲鳴を上げて恵子さんは
その場に座り込んだ。
開けた窓の真下に落ちていたということは、
ちょうど恵子さんが通りかかった場所の真上か
ら飛び降りたということになる。

もし、あの瞬間たまたま窓の方を見ていたら、
落下していく瞬間まで見てしまったかも知れない。

遺体はやはり、この病院に半年前から入院している
60代の女性だった。彼女の病気はガンで、
長い療養生活のせいか、最近ではずっとふさぎ込んでいて、
ほとんど誰ともしゃべらないほど精神的に
まいっていたようだった。

そしてその自殺があって一週間後。
この日、恵子さんは、夜勤だった。
夜もふけてきた23時ごろ、この時間帯、
恵子さんはナースステーションにいた。
普段通りの業務を行っていると、廊下から
パタパタパタと走ってくる足音が聞こえてきた。
次の瞬間、ナースステーションの戸が勢い良
くガラッと開いて、定時の見回りに出ていた、
同僚の看護婦の美由紀さんが飛び込んで来た。
「ちょっと!私、もう、一人で見回るのやだ!」と
美由紀さんが言う。
「どうしたのよ。」と、恵子さんが聞くと
「4階の廊下を歩いていたら、窓を誰かがノックするのよ!
コンコン、コンコンって。4階なのに、誰かが
外から窓ガラスを叩くの!」
「そんな馬鹿な。」
「本当よ!一緒に来てみてよ!」

恵子さんも口では「馬鹿な」と言ったが、
普段から不思議な現象はちょくちょく経験しているし、
この間の自殺のこともあって、「もしかしたら
あの時自殺した人が・・。」といった考えは
すぐに頭をよぎった。

「ね、その窓ってどこ?ちょっと行ってみましょうよ。」
美由紀さんが「2人でも怖い」というので、
もう一人の看護婦に声をかけて、3人で
問題の窓の所まで行ってみた。
「ここよ。この窓を誰かが叩くの。」
美由紀さんが指差した窓は、やはり、この間の
自殺の時に、恵子さんが開けて下を見た窓だった。
「やっぱり・・。」

3人で立ち止まってその窓をじっと見ていると、
さっそく聞こえて来た。
コンコン、コンコンと確かに誰かが窓を
外からノックしている。
もちろんガラス越しの向こうには誰もいない。
外に立つスペースもない。

「誰?!出てきなさいよ!」
気丈にも恵子さんは窓に向かって叫んだ。
「助けて・・。」か細い女性の声が
窓から聞こえてきた。
それが誰かは、恵子さんも分かっていた。

「助けられない!あなたはもう、死んだの!」
「助けて・・。」声はもう一度聞こえてきた。
次の瞬間、窓がカラカラカラと音を立てて
ゆっくりと開いた。
そして突然、突風が建物に中に吹いてきた。
そして窓の外には白いモヤのようなものが漂い、
それは人の顔のように見えた。

だんだんとそのモヤは形を成し、誰が見ても、
明らかに人の顔であろう形を形成していった。
顔の半分はつぶれている。
明らかに普通の顔ではない。
そして窓いっぱいに、白黒写真のように
巨大な顔が広がっている。
三人とも、恐怖で凍りついた。それが誰であるかは
三人とも分かった。

そして次の瞬間、恵子さんだけがずるずると
窓の方に引き寄せられ始めた。
脚はそのままの形を保っているのに、
滑(すべ)るように窓に向かって引き寄せられた、
体が窓に到達すると、今度は上半身が窓の外に
引っ張り出された。

「危ない!」美由紀さんと、もう一人が恵子さんの
体に抱きついて思い切り後ろに引っ張った。
引き寄せられる力よりも三人の力の方が
上回ったようで、
三人とも後ろにひっくり返ってしまった。
「あなたはもう、死んだのよ!どうにも出来ないわ!」
もう一度、恵子さんが叫ぶと、その瞬間から
窓の外の白い顔は次第に薄くなり、やがて消えた。

幸いにも、それ以上のことは起きなかった。
三人とも「ハァハァハァ」と息が上がり、
「見たわよね、今の。」
「引っ張られたわよね、恵子・・。」
「怖かった・・。」
何とか収まったものの、こんなことを入院患者の人たちに
伝えたら、みんなが恐怖に陥(おちい)るので、
そんなことは言えない。

翌日上司にだけ報告しておいた。
「今度はそういうことがあったか・・。
君たちもそのうち慣れるだろう。」とだけ言われ、
それで終了した。
上司の人もこの病院勤務が長く、こういった報告には
慣れているようだった。
看護婦の間でだけ、この話は伝わったが、
話を聞いてみると、4階の窓のノックの音を
聞いていた人は他にも大勢いることが分かった。

そしてこの一件以来、窓のノックの音は
誰も聞かなくなった。
だが、恵子さんにだけは相変わらず聞こえていた。
あの廊下のあの窓の横を通ると時々ノックの音が聞こえ
「助けて・・。」という声も聞こえてくる。
他の人の前には現れなくても、自分の死に立ち会った、
特定の一人だけにはいつまでも関わってくるようだ。…




Mituo 
時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、
明日には枯れる

 
  
 
一目惚れしたのは、私が先よ、
手を出ししたのは、あなたが先よ


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

P R

    カビの生えない・きれいなお風呂
   
  お風呂物語

Furo611