流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


夢はでっかく、根はふかく。
花を支える枝 枝を支える幹 
幹を支える根 根はみえないんだなあ


Kobanasi_3


『火たき長者・』岩手県の民話

むかしむかし、あるところに、とても貧乏な夫婦がいました。
ある大晦日の事、奥さんが旦那に言いました。
「明日はお正月です。ここにわたしが作った
笠(かさ)がありますから、それを町で売って白いお米を
買ってきてくださいな」

そこで旦那は、奥さんが作った笠をかついで町にやってくると、
「笠はいりませんかー。うちの嫁が作った、
丈夫な笠はいりませんかー」と、売り歩いたのですが、
だれも買ってはくれません。
「仕方ない。帰るとするか」

旦那が帰ろうとすると、道の反対側から
炭俵を背負ったおじいさんがやってきました。
「炭、炭はいりませんかー」そのおじいさんと目が合った旦那は、
おじいさんに尋ねました。「なあ、じいさま。炭は売れたか?」
するとおじいさんは、首を横に振って、
「駄目だ。さっぱり売れん」と、言うのです。

そこで旦那が、おじいさんに言いました。
「もしよろれば、おらの笠と、じいさまの炭を取り替えねえか? 
このまま笠を持って帰っても、仕方がないし」
「いいぞ。おらもこの重たい炭俵を持って帰るのは、
大変だからな」

こうして二人は笠と炭を交換すると、それぞれの家へと
帰っていったのです。
でも、お米ではなく炭を持って帰った旦那を見て、
奥さんはがっかりです。
「お正月なのに、米もねえとは、残念だ」
「そうは言うが、おらは一生懸命売り歩いたんだ。
大体、そのまま笠を持って帰るよりもましだろう!」
旦那は怒って、持ち帰った炭をいっぺんに火にくべました。

すると火は大きくなり、家の中がたちまち温かくなりました。
すると家の隅(すみ)の方から、小さな話し声がしました。
「熱いな、熱いな。おら、こんなに汗をかいてしまったぞ」
「そうだな。こんなに熱くては、ここの家にいる事はできんぞ」
「それなら、みんなでこの家から出て行こう」

「そうしよう。しかし、長い間やっかいになったんだから、
何か土産を置いていこう」
「それなら、白い米と魚を置いていこう」
小さな声はそう言うと、土間に何かをドサッと置きました。
その声と音に気づいた旦那が、戸の隙間から、
そーと、様子をうかがうと、数人の小人が汗を拭きながら
家から出て行くところでした。
(あれは一体?)

旦那が見ていると、ちょうど戸口の所に白いヒゲを生やした
小人のおじいさんが現れて、
「こら貧乏神ども。お前たち、まだいたのか?」と、
叱ったのです。
「へい、これは福の神さま。今すぐ出て行きますので」
貧乏神と呼ばれた小人たちは、すぐに戸口から出ると、
そのまますーっと消えてしまいました。

一方、福の神とよばれた白いヒゲの小人のおじいさんは、
「これが、これからやっかいになる家か。
貧乏神どもが住み着いていただけあって、
小さくてみすぼらしい家だ。しかし、このおれが来たからには、
もう少し立派な家にしてやらんとな」と、言いながら
戸口から入ってきて、そのまますーっと消えてしまったのです。

それらを見ていた旦那は、急いで寝ている
奥さんを起こしました。
「お前、はやく起きろ! 今、この家から貧乏神が出て行って、
福の神がやって来たんだぞ!」
「あん? 何を馬鹿な事を。きっと夢でも見ていたんじゃ」
奥さんはそう言いましたが、旦那に土間へ連れて行かれて
びっくり。「あら、米俵がこんなに。それに魚も」

奥さんはさっそく、お米と魚でお正月の用意を始めました。
そしてこの家では良い事が続いて、
福の神が言っていたように立派な家を建てる事が出来ました。
そこで人々はこの家を『火たき長者』と呼ぶようになり、
自分たちも貧乏神を追い出して福の神が来るようにと、
大晦日には大火(おおび)をたく家が多くなったそうです。

おしまい



(花のおじいさん )




『冗談のお願い』兵庫県の民話

むかしむかし、仏さまを一生懸命に拝んでいる
おばあさんがいました。
おばあさんは、毎日の様にお寺にお参りしては、
「ナムアミダブツ、ナムアミダブツ・・・」と、拝んでいます。

そのうちにおばあさんはすっかり年を取ってしまったので、
近頃は早く極楽(ごくらく→天国)からお迎えが来ないかと、
そればかり考えていました。
「ナムアミダブツ、ナムアミダブツ。
仏さま、わたしはもう年で、これ以上生きていても
仕方がありません。どうぞ一日も早く、
わたしをお迎えに来て下さい」

さて、それを聞いていた、お寺の小僧(こぞう)さんは、
(あんな事言ってるけど、本当に早く死にたいのかなあ? 
よし、一つ試してやろう)と、思いました。

そこである日、小僧さんは仏壇(ぶつだん)の後ろに隠れて、
おばあさんの来るのを待っていました。
やがておばあさんがやって来て、いつもの様に拝みます。
「ナムアミダブツ、ナムアミダブツ。
どうぞ早く、わたしを楽にして下さい」

その途端、小僧さんが仏壇の後ろから言いました。
「よしよし、そんなに言うのなら、明日迎えに来てやろう。
望み通り極楽へ行って、ゆっくりするがよい」

さあ、それを聞いたおばあさんはビックリです。
「いえ、いえいえ、わたしはまだ、
生きていとうございます。お迎えに来るのは、
うーんと、うーんと、先にして下さい」

おばあさんはたたみにおでこをこすりつける様に、
何度も何度も頭を下げました。
「まだ死にたくないのなら、
なぜそんな事を頼むのじゃ?」
「いえ、その、あれは、ほんの冗談(じょうだん)です。
さっきのお願いは取り消しますから、
どうぞ長生きさせて下さい」

おばあさんはそう言うと逃げる様にお寺を出て行き、
大きくため息をつきました。
「やれやれ、この仏さまは、何と耳が良いのだろう。
これじゃ、うかうかと、お参りも出来ないねえ」
それからおばあさんは、二度とお寺には
来なかったそうです。

おしまい


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば、言い訳になるから……。


Mituo 人の為 と
書いて、
いつわり(偽) と
読むんだねぇ 

 
 
 
時は絶えず流れ、 
  今、微笑む花も、明日には枯れる  



鬼が餅つきゃ、閻魔が捏ねる、
  そばで地蔵が食べたがる

     



      P R
        カビの生えない・きれいなお風呂
        
        お風呂物語