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流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

妄想劇場・特別編

妄想劇場・特別編

信じれば真実、疑えば妄想……

Mituo
昨日という日は
歴史、
今日という日は
プレゼント
明日という日は
ミステリー


 
 
 

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴と、言い訳になるから……



「カレーハウスCoCo壱番屋」の創業者、
宗次徳二氏の人生
カレー一皿、数百円で築いた途方もない財産。
苦労した幼少期から資産220億円までの道のり

ココイチの愛称で親しまれている「カレーハウスCoCo壱番屋
(社名・壱番屋)が、ハウス食品の子会社になる決断をした。
現在、ハウス食品壱番屋の株式を約20%保有するが、
2日から12月1日にかけてTOB(株式公開買い付け)を実施し、
51%まで高める。
両社ともに合意した友好的な買収劇だ。
 ココイチは国内外で約1400店を展開する
カレーチェーンの最大手。
食品大手のハウスと組むことで“世界のココイチ”へ
飛躍する狙いがある。

30日に会見した壱番屋の浜島俊哉社長は、
「7月に創業者から株式を売却したいとの意向を伝えられた」と
話した。 
ココイチの創業者・宗次徳二氏(67)は知る人ぞ知る
ユニーク起業家だ。
「宗次氏は、波瀾万丈がピッタリな人です。

石川県に生まれ、3歳まで児童養護施設で育った。
養父母に引き取られたあとも、
養父は競輪好きで、かなり苦労したと聞きました」

1967年に愛知県の高校を卒業し、不動産会社に就職。
3年後、大和ハウス工業へ転職し、
伴侶となる直美さんと知り合う。
この出会いが、宗次氏の人生を決定づけた。

「孤児院で育ったこともあって、
奥さんと常に一緒にいたい気持ちが強かったのでしょう。
2人は会社を辞め、喫茶店を始めます。
その店で奥さんの作ったカレーが大評判となり、
カレー専門店へと進出していくのです」
(経済ジャーナリストの松崎隆司氏)

78年に「カレーならここがイチバンや!」の
思いを込めた店名で創業。
客が自分の好みで、ご飯の量や辛さ、トッピングなどを
決められる販売方法がウケたとされるが
、実はそれだけじゃない。
「宗次さん本人が言っていましたが、カレー屋って、
みんな簡単だと思っているでしょう。
工場で作って大鍋で温めて……、
ココイチは大鍋からカレーを小鍋に移し替えて
温め直す。お皿も喫茶店のコーヒーカップと同じように
お湯で温めている。
『この作業を全店でできるのがウチの実力』と
言っていました。

出前もやっていますが、一人暮らしの老人は
店員が様子を見てくれてると言っていました」
(ノンフィクション作家の野地秩嘉氏)
こうした気配りが成功の秘密で、
2000年には株式公開を果たした。
ところが、その2年後、宗次氏は53歳という若さで
アッサリと会社を去る。

「現在の浜島社長は、創業まもないころから
働く苦労人です。
彼に経営を任せたからには、一切口を出さない。
その精神を貫いています。
息子さんはプロゴルファーだし、
会社は個人のモノではないという思いが強い。
だから、今回のTOBも迷うことなく応じたのでしょう」

53歳で現役を退いた宗次氏は、
NPO法人イエロー・エンジェルを設立し、
音楽やスポーツなどの支援活動を行っている。
06年にはクラシック中心の「宗次ホール」
名古屋市中区)をオープンさせた。
ココイチ株の売却資金は、こうした
支援活動に充てられると思います」
宗次氏と直美夫人、資産管理会社の
合計保有割合は全体の約23%。
すべて売却すると、単純計算で220億円以上だ。

Author :日刊ゲンダイ


 『日航機長のアナウンスとは・・・ 』




『コンビニ・物語』 トイレが近い…

「チッ!困ったものだな~。また、トイレかよ」
井口豊は、コンビニのオーナー店長だ。
以前は、機械部品を製造販売する会社で、
営業課長を務めていた。
しかし、豊には学生時代からの夢があった。
独立することだった。

どんなに小さな店でもいい。「一国一城の主になりたい」
そう思って、コツコツと独立資金を貯めてきた。
結婚するときにも、彼女に自分の夢を語った。
反対されるかな、と少し心配だった。
それを口にしたとたん、
婚約を破棄されるんじゃないかと。
でも、それは杞憂だった。
それどころか、「いいわねぇ」と賛成してくれた。
そして、結婚。子供が早くできたこともあり、
なかなか貯金は貯まらなかった。
それでも、いつか、いつか・・・」と夢を育んできた。
それが叶って、三十七歳のとき晴れて
大手のフランチャイズに加盟し、
コンビニを開業することができた。

オープンとともに売上は順調だった。
何より大きかったのは立地である。
大学の正門前のつぶれた書店の後に出店したのだ。
何より、豊が苦労したのは、アルバイトの確保である。
いつの世も「最近の若い者は」と口にするが、
これが豊の口癖だった。 なかなか定着しないのだ。

せっかく目の前の大学の学生を雇っても、
すぐに辞めてしまう。
仕方なく、最近では、年配の人を雇っている。
「チッ!困ったものだな~。
また、トイレかよ」
3ヶ月ほど前、アルバイトに63歳のオバサンを採用した。
本当は雇いたくなかった。
オバサンは動きが遅い。
それに時代に対する感覚が鈍い。
常に、流行の最先端を追い求めるコンビニ商品に
付いて行けないと思っている。
しかし、背に腹は代えられない。

オープン以来、働いてくれていた女の子が
海外に留学してしまったのだ。
「浅野さ~ん、早く早く!こっちのレジも開けてよ!
お客さん並んでるよ~」
「はいはい、今行きますよぉ~」

「浅野さん」と呼ばれたオバサンは、
トイレから出てくると小走りにレジへ向かった。
両手をハンカチで拭きつつ。
豊は顔をしかめた。
わかってはいる。承知しているつもりだ。
人は歳を取ると、小便が近くなる。
豊の田舎の両親も、夜中に交互にトイレに行く。
しかしだ。それにしても、
浅野千代子の場合は回数が多過ぎはしないか。
わざわざ数えているわけではないが、
1時間に一回はトイレで行っている気がする。
「は~い、お待たせしましたねぇ。
並んでいるお客様~、こちらのレジに
お回りくださいね!」
たしかに、接客態度はいい。少々下町風で、
その馴れ馴れしさを嫌がるお客さんも
いることは事実だ。

でも、「最近の若い者」のように、
あいさつ一つできないのと比べたら有難いと
思うべきだった。
(さすがに「トイレに行くな」とは
オバサンに向かって言えないしなあ)
豊はグッと言葉を飲み込んでレジを打った。

「はいはい、このプリン美味しかったわぁ~。
私も昨日食べたばかり」
「よかった。迷ったけど楽しみ!」
たしかに、あのフレンドリーな感じは、
おおむねプラスだ。
(プラスマイナス、ゼロってところかな)

豊は、浅野のオバサンが、
何度もレジを離れてトイレに行くことに、
しばらく目をつむって様子をみることにした。
オバサンを雇った翌月くらいから
売上が伸びているのだ。
売上と浅野のオバサンには何の関係もないが、

「何度トイレに行ったら気が済むんだ!」 と
言いそうになるのを思い留めるには
十分な理由だった。
(売上が上がっているんだ、
今は我慢しよう・・・疫病神とは言えないし)

その翌日のことだった。小さな小さな事件が起きた。
万引きが発生したのだ。
近くの中学生が、マンガ雑誌を
スポーツバッグの中に忍ばせて店を出た。
たまたま、駐車場のそうじをしていた豊が
ガラス越しに不審な様子を認め、
少年が外へ出たところを問いただしたのだった。

店の中へと連れ戻す。
そこへ浅野千代子がトイレから出てきた。
豊の心の中で、プチンッと何かが切れる音がした。
「浅野さん! 前から言ってるだろ! 
お客さんが少ないときでも、  
あんたがレジから売り場を見渡してるようにって!」

浅野のオバサンは、事態を察したようだった
。「あらあら、ボクどうしちゃったの?」
「・・・」少年は下を向いている。
「いいですよ、この子のことは! 
上の事務所に連れて行って、親御さんに連絡するから、
レジをちゃんとお願いしますよ!  
それかにいいですか! 
そうそう何度もトイレに行かないでよ。  
少しくらい我慢できるでしょ!」
そう言ってから、豊は少し後悔した。

しかし、「はいはい、わかりました。  
ボク、ちゃんと店長さんに謝りなさいよ」と
笑顔で言うのを見て、ガックリした。

万引き事件が片付いて、ホッとしていたところへ
バイクの集団が 駐車場へ入って来た。
6台。 中には、大型のハーレイも。
全員が黒いツナギを着ている。
ちょっと見は暴走族風だ。
ガラの悪いお客様は歓迎したくないが、
見てくれで人を判断するわけにはいかない。

店に入ってくるなり、リーダーらしき大柄の男が、
他のメンバーに言った。
「ここのトイレはよお~、いつもキレイだから気に入ってるんだ。  
ちょっと家からは離れてるけど、
ついついここへ来ちゃうんだよな」
「リョウさんはオシッコが近いからね」と、
髪の毛を真っ赤に染めている男が言った。

「バカヤロー」 「へへヘ・・・。
オレ、買い物してますから、ゆっくり行っててください」
そこへ、浅野のオバサンがトイレから出てきた。
「おう、オバチャン、いつもトイレ掃除ご苦労さん!」
「今、キレイにしたばかりだからね、
外にこぼしちゃダメよ!」
「わかってるよ」豊は、二人の会話を聞いてハッとした。

(まさか・・・。毎時間のようにトイレに行っていたのは・・・
掃除をするため)
そのすぐ後、セールスマンと思われる若い男性二人が、
車を止めて入って来た。
そして、先輩と思しき年上の方が言った。
「このコンビニはさあ、いつもトイレがキレイだから、  
ついつい来ちゃうんだね。覚えとくといいよ」

豊かは、しげしげとオバサンの顔を見た。
その笑顔が、急に福の神に見えた。

Author :志賀内泰弘


ビルゲイツと対等に話す日本人の清掃員のおばちゃん』




時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる