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流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

妄想劇場一樂編

妄想劇場一樂編

信じれば真実、疑えば妄想……


「サヨナラ模様」伊藤敏博
作詞:伊藤敏博・作曲:伊藤敏博


うつむく私に 時は待ってくれないけけど
このままじゃ帰れない
聞かせてほしいの「何故?」
風に吹かれて「サヨナラ」が枯れ葉の道を
ころがり消えてゆく
涙にかすむ私には 行方捜せない

※だから ねェ ねェ ねェ ねェ
抱いてョ いつもの
グッバイ言う時みたいに 抱き寄せて
たった一言で 別れ告げないで※




高校卒業後、日本国有鉄道金沢鉄道管理局に就職し、
車掌として勤務。車掌区在職中に製作した
「サヨナラ模様」が
1981年ヤマハポピュラーソングコンテスト
グランプリを獲得し、
70万枚を売り上げる大ヒットとなった。
現在までの売り上げ枚数は200万枚



昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


Mituo 人の為(ため)と
書いて
いつわり(偽)と
読むんだねぇ 

 
 


『初めてのデート』


それは強引だった。 池田ヒカルは、
イベント会社のバイト先で知り合った男の子に、
デートに誘われた。
「今度の土曜日って空いてる?」と訊かれて、
その瞬間、あっ、この人、
私のこと好きなんだと思った。
たまたま同じ大学の一年先輩であること。
そして、「竹中慎太郎」という名前を
知っている程度だった。

それほど、嫌なイメージがなかったので、
つい、「はい」と答えてしまった。
すると、唐突に、「デートしよう!」と言われた。
彼は、ただニコニコ笑っている。
(いきなり?)と思った。普通は、
「美味しいイタリアンの店知ってるんだけど」とか
「ディズニーシーで何が好き?」と
遠回しに聞いてくるのものだ。

ヒカルが戸惑いつつも、勢いで
首を縦に振ってしまうと、続けて、
「じゃあ、朝10時に大学の正門前で。よろしく!」
そういうと、手を振って帰ってしまった。

カオルは残りの仕事の片付けをしながら
ブツブツ呟いた。「なんて強引なのよ・・・」

そして土曜日。 よほど断ろうかと思ったが、
電話番号も聞いていない。 かといって、
すっぽかすのも気が引ける。
大学もバイトも同じだと、次に顔を合わせるとき
気まずくなる。(まあいいか。悪そうな人じゃないし、
まずはどんな人か、性格を見てみれば)

カオルの母親は、昔から口うるさい人だった。
「履物はきちんと揃えなさい」「時間を守りなさい」
「人にお金を借りてはいけません」
「お年寄りには親切に」
「部屋はいつもキレイに」・・・。
言われるたびにケンカになった。
大学に合格して、一人住まいするときは
ホッとしたものだった。

でも、そのおかげで、人を見る目が
養われたと思っていた。
食事をしたり、家に遊びに行くだけで、
友達の人柄や性格がわかってしまう。
ちょっとイジワルだけど、
「彼の中身を見抜いてやろう」などと思って家を出た。

最寄りの駅に着くと、改札の上の表示板に
テロップが流れていた。
「架線事故のため上下線共に不通」
カオルは、思わず「え!」と声を上げた。
そして、母親の顔とともに、
いつも言われていた言葉が思い浮かんだ。

「約束の時間には、早めに行きなさい」 と
いうものだった。
ずっと、「行こうか」「やめようか」と
迷っていたので、 支度をするのがギリギリに
なってしまった。
次の急行に乗らないと間に合わない。
慌てて、駅員に尋ねる。
「すみません。不通って、どれくらい待てば・・・」

「大変ご迷惑をおかけしております。
まだ復旧の目途が立っておりません。  
誠に申し訳ございません」
ヒカルは焦った。頭の中で他のルートを考えた。
3キロくらい離れた私鉄の駅から電車に乗る。
3つ目の駅で地下鉄に乗り換えれば、
遠回りになるがたどり着ける。
もっとも、約束の10時には30分近く遅れてしまうが・・・。
そう決めて駅ビルを外へ飛び出した。

非常時だ。仕送り前で、
財布の中身が気になったが、
停まっていたタクシーに飛び乗った。
運転手さんに、「ごめんなさい。急いで」と言った。
「ラジャー!」と威勢のよい返事。
しかし、その期待はすぐに裏切られた。
バイパスに入ると、いきなり渋滞。
「おかしいねぇ。おや、どうも事故か何かだね」
ヒカルにも遠くから救急車のサイレンの音が聞こえた。
イライラが募る。

「すみません。抜け道ってないんですか」
「あかんねぇ。一旦、バイパスに乗ると、
降りられないんですよ」と言う。
ヒカルは、母親の「約束の時間には、
早めに行きなさい」という言葉がグルグルと回った。
さらに、「待たされる人の気持ちになってみなさい」とも、
よく言われたことを思い出した。

相手がどんな人間か、見抜いてやろうなどと
考えていたのに、 これでは自分が「ダメなヤツだ」と
思われるに違いない。(嫌われる)
竹中慎太郎という男の子に、
何の感情も抱いていなかったくせに、
今は「嫌われたくない」という気持ちでいっぱいだった。
手当たり次第に友達に電話をして、
「竹中慎太郎のケータイ番号を知らないか」と
聞こうかとも思った。

しかし、まだカレシでもない男の子との関係を
妙に疑われるのが嫌で思いとどまった。
「運転手さん、ここで降ります!」
「あんた、こんなとこで危ないよ」
「いいからお願い!」それは、陸橋の上だった。
無理やり千円札を渡すとドアを開けてくれた。

駈けた! 駈けた! ヒカルは駈けた。
背中のデイバックが跳ねるように揺れた。
ここのところの運動不足も祟って、
1キロも走らないうちに息が切れてきた。
汗が首をつたう。しんどくて、しゃがんでしまった。

好きでもない相手の顔が目に浮かんだ。
それは、怒った顔をしていた。
ヒカルは、自分が嫌になって再び走り出した。
駅に着くと時刻表を見た。
こういう時は、悪いことが重なるものだ。
電車は今、出たばかりだった。
イライラしながらホームで15分待った。
電車の中でも、走り出したい気分だった。
地下鉄に乗り換えるのも、 扉が開くと同時に
ダッシュした。

その間も、母親の「待たされる人の
気持ちになってみなさい」という声が、
どこからともなく聞こえてくる気がした。
何度、時計を見たことだろう。
左手の腕時計は、10時52分を指していた。
その角を曲がれば、大学の正門だ。

(いた!)怒って、
もう帰ってしまったに違いないと思っていた。
でも、待っていてくれた。どうやって謝ろうか。
本当のことを言うしかない。
自分に落ち度はない。 全部、不可抗力なのだ。
そう思いつつ、「ごめんなさ~い」と
声にならない小さな声を発して、
慎太郎の前まで走り寄った。

「何かあったの?」
「う、ううん。電車の事故で・・・
それと車の事故も・・・」
「え!? 車の事故だって? 
大丈夫?」慎太郎が、ケガでもしていないかと
ヒカルの手足をキョロキョロ見回した。

「大丈夫です。事故で渋滞になっちゃって。
それよりごめんなさい」
「ふられたかと思ったよ」
「ううん、ずっとね、気になって気になって。
お母さんから言われていた言葉が気になって」
「え?」
「待たされる人の気持ちを考えなさいって。
ごめんなさいね、イライラしたでしょ」

「ぜーんぜん」慎太郎は、急に笑顔になって答えた。
「僕もさ、オヤジから口うるさく
言われていたことがあるんだよ」
「え?・・・」
「待たされる人より、待たせる人の方が
ずっと辛いんだゾ!って」 「・・・」
ヒカルは、言葉を返せなかった。
その代わりに、目頭が熱くなるのを感じた。
優しさに、ノックダウンされた。
ヒカルは、慎太郎の顔を見上げた。そして思った。
この人と、付き合いたいと。

……終わり

Author:志賀内泰弘


時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる




モスバーガーのおばちゃん 』 




誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば言い訳になるから……

P R
カビの生えない・きれいなお風呂

お風呂物語
                           
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