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流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

歴史・履歴への許可証

歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


夢はでっかく、根はふかく。
花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 
根はみえないんだなあ


Kobanasi_3



『百物語の幽霊』

むかしむかし、因幡の国(いなばのくに)の町に、
小さな宿屋がありました。ある冬の晩の事。
この宿屋に泊まった男が、真夜中に
人の声がしたので目を覚ましました。
「兄さん、寒かろ」「お前、寒かろ」
それは、ささやくような子どもの声です。
「はて、どこの子どもだろう? 
この部屋には、誰もいないはずだが」
男は布団を抜け出して、隣の部屋の様子を
うかがってみました。
「・・・・・・」

しかし、物音一つ聞こえてきません。
「おかしいな? 確かに聞こえたはずだが」
男がもう一度布団にもぐってねむろうとすると、
今度は耳元ではっきりとささやいたのです。
「兄さん、寒かろ」「お前、寒かろ」
男はびっくりして飛び起きると、
急いで行灯(あんどん)の灯をつけましたが、
部屋には誰もいません。
聞こえてくるのは、自分の心臓の音だけです。
男は行灯をつけたまま、横になりました。

するとまたしても、悲しい、
ささやくような声がするのです。
「兄さん、寒かろ」「お前、寒かろ」
何とその声は、かけ布団の中から
聞こえてくるではありませんか。
男は布団を払いのけると、転がるように
部屋を飛び出して、宿屋の主人のところへ
駆けつけました。

「た、大変だ! 布団がものを言い出した!」
「はあ? そんな馬鹿な。お客さんは、
夢でも見ていたんでしょう」
「夢ではない! 本当に布団がものを言ったんだ!」
「はいはい、夢とは、そういうものですよ」
「だから、夢ではない!」
男がいくら説明しても、宿屋の主人は
とりあってくれません。
それどころか、しまいには腹を立てて、
「縁起でもない! 
悪いが、出ていってもらいましょう!」と、
男を宿屋から追い出してしまったのです。

ところが次の晩、同じ部屋に泊まった客が
真夜中に逃げ出してきて、やっぱり同じ事を言うのです。
「おかしな客が二度も続くとは。・・・
まさか、本当に幽霊がいるはずは」
気になった主人はその部屋に行き、
しばらく布団のそばに座ってみました。
すると、かけ布団から、ささやくような声が
聞こえてきたのです。
「兄さん、寒かろ」「お前、寒かろ」
びっくりした主人は、青くなって部屋から飛び出しました。
「や、やっ、やっぱり、ほっ、本当だったのか。
それにしても、こんな布団を売るなんて、
とんでもない店だ!」

次の日、主人はさっそく、布団を買った古着屋へ
文句を言いに出かけました。
そこで主人は、この布団にまつわる、
とても悲しい話を聞かされたのです。
なんでもこの町のはずれに、貧しい四人の親子が
住んでいたのですが、何日か前に病気で
寝込んでいた父親が亡くなり、
続いて母親までも亡くなったのです。
あとには、六歳と四歳の兄弟だけが残されました。
身寄りのない兄弟は、その日その日の
食べる物もなく、たった一枚残された布団にもぐって、
じっと寒さとひもじさに震えていました。

「兄さん、寒かろ」やさしい弟が、
布団を兄にかけてやろうとすると、
「お前、寒かろ」と、兄がその布団を、
弟の方にかけてやります。
けれども強欲な家主がやってきて、家賃の代わりに、
たった一枚の布団まで取りあげた上、
二人を家から追い出してしまったのです。
何日も食事をしていない二人には、
もう歩く力もありません。
そして雪の降る夜、近くの家の軒下で
抱き合いながら死んでいったのです。

この事を知った町の人たちは、
かわいそうな兄弟を近くの観音さまに
ほうむってやったのです。
「そうだったのか。・・・かわいそうになあ」
宿屋の主人は観音さまにお参りをして、
かわいそうな兄弟のために、お坊さんに来てもらって
あらためてお経をあげてやる事にしました。
それからというもの、この布団は
何も言わなくなったそうです。

おしまい


小泉八雲の怪談「大亀」




『猫又屋敷(ねこまたやしき)』

むかしむかし、ある屋敷に、とてもネコの好きな
女中さんがいました。
この女中さんが可哀想な捨てネコを拾ってきて
飼い始めたのですが、この屋敷のおかみさんは
ネコが大嫌いで、ネコがそばに来ただけでも
殴ったり、蹴飛ばしたりします。

「どうして、ネコなんか飼うんだい! 
早く追い出しておしまい!」
ところが、おかみさんにいくら言われても、
女中さんはネコを捨てようとはしません。
そこでとうとう、腹を立てたおかみさんが言いました。
「ネコを捨てないのなら、お前には出て行ってもらうよ!」
女中さんは、どうすればよいのか、
すっかり困ってしまいました。
するとどうしたことか、ネコが急に姿を消したのです。
「やれやれ、これでさっぱりしたよ」
おかみさんは喜びましたが、
女中さんはさびしくてなりません。
毎日毎日、ネコの事を思って泣き暮らしていました。

ある日、旅のお坊さんがやってきて、
女中さんにたずねました。
「どうした? えらく元気がないように見えるが」
そこで女中さんが、可愛がっていたネコの事を話しますと、
「そうか、あのネコを可愛がっていたのは、
お前さんだったのか。よいよい、心配するな。
そのネコなら、この山奥にいるから安心するがよい」と、
なぐさめてくれたのです。

女中さんはそれを聞くと、どうしても
ネコに会いたくなりました。
それで一日だけひまをもらって、
お坊さんの言っていた山へ出かけました。
だけど広い山の中、ネコがどこにいるのか
さっぱりわかりません。
あちらこちらと探しているうちに、すっかり日が
暮れてしまいました。
ちょうどそこへ、木こりが通りかかったので、
「すみませんが、この辺りに泊まれるような
小屋はありませんか?」と、たずねますと、
「それなら、この道をもう少しのぼっていくがよい」と、
教えてくれました。

教えられた通りに進んでいくと、あかりが見えて
大きな屋敷に出ました。
「どうして、こんな山の中に屋敷があるのだろう?」
女中さんが不思議に思ってながめていると、
中から美しい女が出てきました。
女中さんは、頭を下げて言いました。
「わたしは、可愛がっていたネコに会いたくて
やってきましたが、日が暮れて困っています。
どうか今夜一晩泊めてください」
すると美しい女は、みるみる恐ろしい顔になって、
「フギャー! お前も、食い殺されたいのか!?」と、
言ったのです。

「きゃあー!」女中さんがびっくりして逃げ出そうとすると、
中からおばあさんが出てきて言いました。
「すみません、娘がおかしな事を言って。
さあ遠慮なく、ここへ泊まっていってくださいな」
おばあさんは女中さんを抱きかかえるようにして、
屋敷の中へ入れました。
でも女中さんは気味が悪くて、体の震えが止まりません。
「おやおや、そんなに心配しなくても大丈夫。
安心して休んでいくがいいよ」
おばあさんは女中さんに、あたたかいごはんを食べさせて
布団をしいてくれました。

ところがその晩の事、女中さんが夜中にふと目をさますと、
隣の部屋で何やら話し声がするのです。
(あの二人は、もしかして人食い鬼かも)
女中さんは起きあがって、そっと、
しょうじを開けてみました。しかしそこには美しい女が二人、
すやすやとねむっているだけです。
「おかしいな。確かに、話し声がしたのだけれど」
女中さんは思いきって、その次の部屋も開けてみました。
するとそこにも、美しい女が二人ねむっていました。
(気のせいかしら?)
自分の部屋に戻ってしばらくすると、
また話し声が聞こえてきました。
じっと耳をすませてみると、どうやらおばあさんが、
あの娘に言いきかせているようです。
「あの女中はネコに会いに来た、やさしい女じゃ。
だから決して、噛みついたりしてはいけないよ」
それを聞くと、女中さんは思わず立ちあがりました。
(ここは化けネコ屋敷だわ。このままでは、
今に食い殺されてしまう!)
女中さんはあわてて荷物をまとめると、
こっそり部屋を抜け出そうとしました。
するとそこへ、一匹のネコが入ってきました。
ふと顔を見ると、女中さんが可愛がっていたネコです。
「まあ、お前!」
女中さんは怖いのも忘れて、ネコに呼びかけました。
するとネコは、人間の声で言いました。
「ご主人さま。よくたずねてくださいました。
でも、もうわたしはあの屋敷へ戻る事は出来ません。
すっかり年を取ってしまったので、仲間と一緒に
ここで暮らす事にします」
「そんな事を言わないで、戻っておくれ。
お前がいないと、わたしはさびしくてたまらないのよ。
あの屋敷が駄目なら、ほかの屋敷で
一緒に暮らしてもいいわ」
「ありがとう。あなたのご恩は、決して忘れません。
でも、ここへ来るのはネコの出世なのです。
ここは、日本中から選ばれたネコがやってくる
『猫又屋敷』です。
ここにいるみんなは人間にいじめられたネコですから、
あなたに何をするかわかりません。
さあ今のうちに、これを振りながら逃げてください」
そう言ってネコは、白い紙包みをくれました。
「・・・わかったわ。ではお前も元気でね」

女中さんが屋敷の外へ出ると、何千匹というネコが、
うなり声を上げながら集まってきました。
女中さんが白い紙包みを振ると、
ネコたちはいっせいに道を開けてくれました。
おかげで女中さんは、無事に山をおりる事が出来ました。

さて、家に帰って紙包みを開いてみると、
内側には犬の絵がかいてあり、
不思議な事にその犬は、本物の小判を
十枚もくわえていたのです。
「まあ、そんな大金どうしたの?」
おかみさんが、驚いてたずねました。
そこで女中さんは、ネコに会ってきた事を
詳しく話しました。
「へえーっ、それじゃ、わたしも山へ行ってくるよ。
女中のお前が小判十枚なら、その主人のわたしは、
百枚はもらえるだろうからね」

次の日、おかみさんは女中さんが止めるのも聞かずに、
山をのぼっていきました。
やがて女中さんの言った通り、
大きな屋敷の前に出ました。
「もしもし、わたしは、可愛がっていたネコに
会いに来ました。今夜一晩泊めてください」
大声で呼ぶと、中から美しい女が出てきました。
女はじろりとおかみさんを見て、
すぐ屋敷の中に引っ込みます。
そしてまもなく、おばあさんが出てきました。
おばあさんは女中さんと同じ様に、
おかみさんに温かいごはんを食べさせてくれて、
布団までしいてくれました。

さて真夜中の事。
おかみさんは話し声もしないのに、
隣の部屋のしょうじを開けました。
するとそこには大きなネコが二匹いて、
じっとこちらをにらんでいるのです。
「うひゃーっ!」おかみさんはあわてて、
次の部屋のしょうじを開けました。
するとそこにも大きなネコが二匹いて、
じろりとおかみさんをにらみつけます。
目がらんらんと光って、今にも食いつきそうです。
もう、小判どころではありません。
おかみさんは逃げ出そうとしましたが、
腰が抜けて動けません。
「あわ、あわ、あわ……」
おかみさんが震えていると、そこへ
自分の屋敷にいたネコが入ってきました。
「おっ、お前、会いたかったよ。さあ、一緒に帰ろう」
おかみさんは必死になって、ネコに話しかけました。
そのとたん、ネコは、「しらじらしい事を言うな! 
よくも長い間、いじめてくれたな!」と、言うなり、
おかみさんに飛びかかって、のどぶえに噛みつきました。
「ぎゃあーー!」
のどを噛み切られたおかみさんは、
血まみれになって死んでしまったそうです。

おしまい



Mituo
人の為(ため) と
書いて、
いつわり(偽) と
読むんだねぇ 

 
 
誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴と、言い訳になるから……。



時は絶えず流れ、
  今、微笑む花も、明日には枯れる  


P R
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