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流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

妄想劇場・特別編


信じれば真実、疑えば妄想……

 

Mituo 
昨日という日は
歴史、
今日という日は
プレゼント
明日という日は
ミステリー

 
 
 
『似たもの親子』


ある日曜日のこと。 新島明日香は、娘を叱った。
「サヤカ! 何度言ったらわかるの。
ちゃんと片付けなさい」
サヤカは小学四年生。友達が遊びに来た後、
部屋が散らかしっぱなしになるのだ。
クレヨン、絵本、折り紙、お菓子の袋、
輪ゴム、リボン・・・。
「はいはい」 「はいはい、じゃないわよ!」
「うるさいわねぇ~、お母さんはどうなのよ!」
いつもは、あまり口答えしないサヤカが
めずらしく言い返してきた。
そこへ夫の政伸が口をはさんだ。
「お母さん、サヤカの言うことにも一理ある。
なぁ、サヤカ」
「何よ、あなたまで味方して。
サヤカのために言ってるのよ!」
「じゃあ、キッチン見てみろよ、なぁ、サヤカ」
「ねえ~」 「・・・」

明日香は、夫に痛いところを突かれた思いがした。
お鍋やジューサー、蒸し器など、一度使うと、
ついついそのまま置きっぱなしにしてしまうのだった。
そのため、キッチンテーブルは、
料理を作るスペースが狭くて不自由している。
ちゃんと、すぐにしまえばいいのに、
ついつい・・・なのだ。

「お前に似たんだぞ、サヤカは」そう言われると、
何も言い返せない。
今さらではあるが、慌ててキッチンの片付けを始めた。
その日の午後、夫と娘の三人で、
近くの大型スーパーへ買い物に出掛けることになった。
「お~い、まだか~」
先に車庫から車を出して待っていた夫が、
しびれを切らして呼びに来た。
「は~い」 「今、行く~」
明日香とサヤカが、同時に返事をした。

一度、玄関の鍵を閉めかけて、
「あっ、カード忘れた」と、明日香は居間まで
小走りに戻った。
「私も、ドーナッツのポイントカード持って来よっと」
そう言うと、サヤカもまた部屋に戻ってしまった。
ようやく出発した車の中で、政伸は機嫌が悪い。
「お前たち、なんで人をそんなに待たせるんだ」
「ごめんなさい・・・」
「ホントに悪いところばかり似たんだから」
「何よ、悪いとこばかりって・・・」

普段は温厚な夫だった。しかし、
今日はよほど腹に据えかねているらしい。
「時間にルーズで、段取りが悪い。
整理整頓ができない。それでケチだ」
「何よ、そんなに悪く言わなくてもいいじゃないの!」
こういうとき、サヤカは黙っている。

一緒に反論すればいいのだが、
きっとスーパーで何か買ってもらおうと
思っているに違いない。
「お前に似たんだぞ。教育上よろしくない。
なんとかしろ!」
たしかに・・・思い当たることは多い。
他はともかく、「ケチ」というのは大当たりだ。
明日香の実家は名古屋だ。
明日香自身は、大学に入るときに東京へ来てしまったが、
今も両親は名古屋に住んでいる。

質素倹約、無駄遣いはせず、
せっせと貯金をするという土地柄だ。
その遺伝子は、間違いなく、明日香から
サヤカへと受け継がれている。
オマケ、割引、無料サンプルが大好き。
だから、二人とも、あちこちのポイントカードを
たくさん持っているし、 お菓子一つでも、
コンビニで買うなんてことは絶対にしない。

何より、顔がそっくりなのだ。
電車に乗って、隣に座ると、目の前の乗客が
ひそひそと 「向かいの人、間違いなく母娘ね」
「うふふ、そっくり」「歳の離れた双子みたい」 と
ニヤニヤ笑われることもある。

母娘だから、似ていて当たり前だ。
でも、明日香は夫に言われてショックだった。
ダメなところばかりが似ているとしたら・・・。
将来、どんな大人になってしまうか。
ふと、不安が頭をよぎった。

スーパーの入口で、子供たちが募金活動をしていた。
中学生1年生くらいか。 五人の男女が制服で
「お願いしま~す」と呼びかけている。
「おっ、日曜日に感心だな」と政伸が言う。
明日香もサヤカも、それに答えることなく、
スタスタと募金箱を手にしている子供たちの方へと
近づいて行った。明日香は、
手にしたバッグから財布を取り出し、
千円札を手にした。 その横で、
サヤカが肩に掛けたポシェットから小銭入れを手にした。

明日香が千円札を、一番右側にいた、
ちょっとイケメンの男の子が抱える募金箱に入れる。
すると、「ありがとうございま~す」と五人の声が、
スーパーの入口辺りにこだました。
政伸は、ドキッとした。(おいおい、千円も・・・)と
心の中で呟いた。
続いてサヤカが、500円玉を手にして、
募金箱に近寄った。

政伸がついつい口に出して言う。
「おい、サヤカいいのか・・・500円も」
「何言ってるのよ、お父さん。ケチねぇ」
「ケチってお前・・・ケチはお前たちだろ。
それに」サヤカの一か月のお小遣いは千円だ。
それも、ほとんど無駄遣いせずに貯金している。
「あのね、お父さん。
名古屋の嫁入りって知ってるでしょ!  
名古屋人はね、普段はケチで貯金が好きだけど、  
娘の結婚式のときには、ドーンとお金を遣うのよ。  
いざっていうときにね。それと同じ」

政伸は返す言葉がなかった。
募金も「いざ」という時ってことか。
そう思うと、何だか嬉しくなった。
(どうやら、二人が似てるのは、
悪いところばかりではないらしい)
サヤカが、募金箱に500円玉を入れた。
再び、「ありがとうございま~す」
「ありがとうございす」と声が響いた。

(やっぱり、男の好みも一緒か)
サヤカが募金したのは、母親と同じ一番右側の
イケメンの男の子だった。
ニヤニヤしながら、政伸もポケットから
小銭入れを取り出した。……

Author:志賀内泰弘




『いまだ解明されていない
世界の不思議な現象」




人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴と、言い訳になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる





P R
カビの生えない・きれいなお風呂

お風呂物語
  
                                                   
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