流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

歴史・履歴への許可証

歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

夢はでっかく、根はふかく。
花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 
根はみえないんだなあ


Kobanasi_3


『ともかづき』三重県の民話

むかしむかし、伊勢の海辺の村に、
みよという娘の海女がいました。
この伊勢の海には、『ともかづき』と呼ばれる
お化けがいて、海女たちから
恐れられていました。

そこでみよが海女になったばかりの時、
先輩の海女たちからこう教えられたのです。
「いいかい、みよちゃん。ともかづきは、
あたしたちと同じ海女の姿で現れて、
アワビを、あげよう』と、言うけど、
それを手で受け取ってはいけないよ。
手で受け取ると、ともかづきに
手首をつかまれて、海の底に
引きずり込まれてしまうからね。
どうしてもそのアワビが欲しい時は
背中を向けて、背中に
はりつけてもらうんだよ」
「はい」みよは先輩海女の教えを守って、
ともかづきに会わない様に
気をつけていました。

ある年の秋の事、しけが続いて、
もう七日も海に潜れません。
「困ったわ。このままでは、
ご飯を買うお金がなくなってしまう」
そこでみよは家族が止めるのも聞かずに、
しけのおさまりきらない海へと
小舟を出したのです。

しかしいくら海に潜っても、
アワビもサザエも見つかりません。
「駄目だわ。もっと別の場所に行かない」
そこでいつもと違う場所へ潜っていくと、
海草の間から、おばあさんの海女が
大きなアワビをかかえて現れました。
そしてみよに、こう言いました。
「おや、こんな日に潜るなんて、
えらい娘さんだね。
さあ、このアワビをあげるから、
遠慮しないで持っておゆき」
(まあ、なんて親切な海女さんだろう)
みよは喜んで、そのアワビを手で受け取りました。

そのとたん、おばあさんはニヤリと笑って、
みよの手首を力一杯つかみました。
「ああ、やっと身代わりが来た。
これで成仏できるよ」そしておばあさんは、
みよを海の底へと引っ張ったのです

。(あーっ、しまった! ともかづきだ!)
みよは必死でもがきましたが、
そのまま海の底へと沈んでしまいました。

ともかづきは海で死んだ海女の幽霊で、
自分の身代わりになる海女を作らないと、
いつまでも成仏できないと言われています。
そして今でもこの海では、
死んでともかづきになったみよが、
自分の身代わりになる海女が
来るのを待っているそうです。


おしまい


小泉八雲の怪談「ろくろ首」




『絵から抜け出した子ども』兵庫県の民話

むかしむかし、あるところに、
子どものいない夫婦がいました。
「子どもが欲しい、子どもが欲しい」と、
思い続けて毎日仏さまに願ったところ、
ようやく玉のような男の子を授かったのですが、
病気になってしまい、
五歳になる前に死んでしまったのです。

夫婦はとても悲しんで、
毎日毎日、泣き暮らしていました。
でも、ある日の事。
「いつまで泣いとっても、きりがない」
「そうね、あの子の絵をかきましょう」

夫婦は子どもの姿を絵にかいて、
残す事にしたのです。
それからというもの、
父親は座敷に閉じこもって絵筆を持つと、
食べる事も寝る事も忘れて
一心に絵をかきつづけました。
やがて出来上がった絵は、
子どもが遊ぶ姿をかいた、それは
見事な出来映えでした。
二人はその絵をふすま絵にして、
我が子と思って朝に晩にごはんをあげたり、
話しかけたりしました。

ある晩の事、父親はふっと目をさますと、
なにやら気になって子どもをかいた
ふすま絵を見ました。
すると絵には子どもの姿はなくて、
絵だけを切り取ったように
白い跡が残っていたのです。

「絵の子どもは、どこへ行ったんや?」
朝になって、もう一度ふすま絵を見た時は、
子どもは元通り絵の中にいました。
「あれは、夢やったんかな?」
でも、それからそんな事が
何度もありました。
そしてそれは決まって、
月のきれいな晩でした。

その頃、死んだ子と同じぐらいの
年の子どものいる家に、夜中に子どもが
遊びに来るといううわさがたったのです。
なんでも寝ている子どもの手を引っ張ったり、
髪にさわったりして、
「ねえ、遊んでよ。ねえ、遊んでよ」と、
言うのです。

これを聞いた夫婦は、「きっと、うちの子や」
「そうよ。うちの子が、さみしがってるんやわ」と、
思い、ふすま絵にすずめを二羽、
かきたしたのです。

けれどもやっぱり、子どもは
座敷に月明かりが差し込みと、
どこかへすうーっと出ていくのです。
ある晩、子どもはいつものように出ていって、
明け方近くに絵の中へ戻ろうとしました。
その時、二羽のすずめが絵から
羽をぱたぱたさせて、
たたみに飛び降りてきたのです。

喜んだ子どもはすずめと一緒に
縁側から庭に降りて、
夜があけるのも忘れて遊んでいました。
すると、コケコッコー!と、
一番鳥が鳴きました。
驚いたすずめはどこかへ行ってしまい、
子どもも急いで絵の中に戻ろうとしたのですが、
庭石につまずいて、
ぞうりのはなおが切れてしまったのです。

さて、朝になって夫婦がふすま絵を見ると、
子どもは絵の中にいたものの
着物は泥だらけで、ぞうりは片一方しか
はいていませんでした。
そしてもう片一方のぞうりは、
ふすま絵のはじっこに転がっており、
すずめは白く形だけが残っていました。

この子どもはそれからも月明かりが差し込むと
絵から抜け出し、朝になると
顔の向きが違っていたり、切れたぞうりを
手に持っていたりしたそうです。
この不思議な絵は、一九九五年一月十七日の
阪神大震災で焼けてしまったそうです。


おしまい



人の為(ため) と
書いて、
いつわり(偽) と
読むんだねぇ 





誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴と、言い訳になるから……。



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる  



P R
カビの生えない・きれいなお風呂
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