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流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想……

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin 韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。 

 
 
漢の韓信-(102)

「……実のところ、よくわからない。
嫌いではないことは確かだ。
だが、では好きかと聞かれると、
特別そのような感情はないように思える。
確かなのは、あのお方は私の意見を聞き、
私の能力を引き出してくださった、ということだ。
それは感謝しているが……
今や私の能力は、あのお方にとって
邪魔なものになりつつある。
どうすべきか……いや、そんなことより」
韓信は蘭に向き直って、話題を転じた。

「君にとってこの知らせがどういう意味を持つか
わからないが……魏豹が死んだそうだ。
仔細は聞かされていないが」
はたして蘭は悲しむのか、喜ぶのか。
韓信は蘭の反応に興味を持つことに罪悪感を感じたが、
事実興味があるのだから仕方がない。

「魏豹が……いえ、もういいんです。
関係ありません」蘭は表面上、
喜びも悲しみもあらわさなかった。
しかし……なにも感じないはずはあるまい。
そう考えた韓信は、「君が悲しむならば、
同情しよう。喜ぶならば、共に笑おう」と言って、
蘭の肩に手を置いた。
蘭はそれに対して微笑を返したが、
その目にはうっすらと涙が浮かんでいるようだった。

人の感情というものは、近い間柄であっても
容易に理解できないものだ。
韓信はそう思わざるを得なかった。
劉邦の心も、蘭の心も、よくわからない。
しかも彼は自分自身の心さえ、よくわからないのであった。

曹参、灌嬰が引き連れてきた兵を迎え入れ、
韓信の軍は編成を新たにし、
北東方面に向かって進撃していく。
しかし、その軍勢が済水のほとり、
平原という地に達したところで韓信は決断を迫られた。 

斉がすでに漢に帰順の意を示している、という
情報が入ったからだった。 
酈食其は六十半ばの老齢でいながら、
身長は八尺(当時の一尺は約二十三センチなので
おおよそ百八十四センチ)を超える大男であったという。
老齢、しかも大男というと一般に鈍重な印象を
持たれやすいものだが、その外見に反して、
彼の動作は常に機敏だった。
世に出る前の若い頃、彼は何かを思いつくと
後先を考えず行動に移すことが多く、
故郷の高陽では、なにかと暴力を伴うトラブルを
起こすことが多かった。

このため地元の県令や父老たちも彼と必要以上に
接触することを嫌がり、城門の外に追いやって、
そこに立たせて門番とした。
そのような問題児ならぬ問題青年の彼であったが、
周囲の者にとって意外なことに、
本質的には武を好まず、学問を好んだという。
嗜好と行動が一致していない酈食其のことを
高陽の人々は尊敬せず、陰で「狂生(気違い書生)」と
呼んで蔑んだ。

老年になってからは、まともな儒者らしく
温和な表情を保ち続けているが、
当時は単なる厄介者として扱われていたのである。
彼は幼年の頃から儒家思想に陶酔し、
その世界観の実現を夢見て暮らしてきていた。
しかし人生の半ばを過ぎても世の中は乱れ続け、
儒教世界の実現どころか、その兆候さえも見出せない。

酈食其は次第に焦りを感じるようになり、
その焦りが彼の行動を過激にした。
これが市井の者とのトラブルの原因になった。
暴力を用いてさえも、自分の思想を広めようとしたのである。
しかしその彼が高陽の門番時代に劉邦と出会い、
その軍に従うことになって、ようやくその鋭気は
和らげられることになった。

劉邦の率いる漢の軍事力をもって儒家思想を
天下に広めることが可能になったからである。
儒家の祖たる孔子は、本来武力による覇道政治を否定し、
仁・義・礼などの徳行の積み重ねこそが
王道だと主張して、その実践を奨励した。
そのため酈食其が選んだ軍事力で
儒家思想を広めるという行為は、
孔子の教えに大きく矛盾している。
そのことは酈食其自身も感じていたが
孔子の唱えた徳治政治が実現されるためには、
過程よりも結果を重視せざるを得なかった。

劉邦が天下を治めるべき存在になってから、
徳を積み重ねれば良い、と考えたのである。
この当時の儒家の学派間の論争で、
人の性は善か悪かというものがあったが、
酈食其はこれについて独特の視点を持っていた。
人は誰しも生まれたときには無教養であり、
真っ白な布のようなもので、
それが善か悪かは別問題だと考えていたのである。
真っ白な布はどのような色にでも染まり、
洗い直せばまた違う色に染め直すことができる。

しかし、いくら念を入れて洗っても、
再び真っ白な状態に戻すことは不可能に近い。
だから人は多少なりとも色を持つのが普通で、
いつまでたっても純白のままでいることは
なにも学んでいないことの証明だと思っている。

しかしその一方、数々の色に染められ、
布が限りなく黒に近いことも
彼にとって軽蔑の対象であった。
受け入れることは大事だが、ただ環境に影響され、
流されるまま生きていると考えるのである。

酈食其にとって理想的な人物は、
何度も洗い直した跡の残った布を持つ人物なのであった。
人の本性が善であろうと悪であろうと関係なく、
その人の現在が善か悪であるかを重視したのである。

つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る




歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



あんな男と憎んでみても 
一度の恋といまさら知った  
ひとりぼっちのこの淋しさに 
夜が切ない 新宿の女
『新宿の女 』 藤圭子




人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴と、言い訳になるから……

『最後の一本』美空ひばり



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる

P R
カビの生えない・きれいなお風呂
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