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流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin 韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。

漢の韓信-(96)滎陽脱出

周苛は沛の城下に生まれた。
そして青春時代に劉邦と巡り会い、
雷鳴に打たれたような衝撃を受けた。
しかしそれは決して良い意味ではない。

世の中には、こんな男もいるのか。
劉邦は沛の城下の酒場に入り浸っては、
いつもツケで酒を飲み、
それでいて金を払う意思はまったく無かった。
酒場の主人からはさぞ煙たがれる存在で
あろうと思われたが、想像に反して
彼らは喜んでいたという。

劉邦がいる店には、劉邦を慕う者が多く集まり、
そのおかげで酒場の収支は黒字になるらしい。
劉邦自身は金を払わないが、
取り巻き連中の支払いが、
その損失を埋めてくれるのである。

些細なことではあるが、謹直を旨として
人生を歩んできた周苛にとっては、
信じられない世の中の矛盾であった。
世間というものは、真面目な者だけを
受け入れるものではないらしい。

周苛は、劉邦のそばについてその生き方を
学びたいと考えるようになった。
謹直な者ゆえの思考回路であろう。
やがて劉邦が挙兵し、泗水郡一帯を平定した際に、
周苛は劉邦食客となった。

もともと自分が武勇に長じた男でないことは、
周苛も自覚している。
食客とは主人から経済的援助を受けるかわりに、
さまざまな形で主人の行動を助け、
時には生命をかけてその危地を救わねば
ならない存在である。

ところが謹直なこと以外にとりたてて
取り柄のない周苛には、
主人の劉邦の危地を救う機会が訪れなかった。
それにも関わらず、劉邦は漢王となると、
周苛を御史大夫に任命した。

御史大夫とは、王の側近中の側近で、
政策の立案やその執行状況を管理する
副宰相格の地位であり、これは破格の
待遇というべきものである。

劉邦は常に適当な態度を構えながらも
人を見る目に濁りがなかった、と言われているが、
このときも謹直な周苛に対して
その能力に応じた地位を与えたのだろう。
「身分不相応な待遇を与えられながら、
その知遇にこれまで応えられず、
大王を後悔させること久しい私ですが、
ようやく長年にわたる恩義に報いる機会に恵まれました。

滎陽の守備には不肖私が将を務め、
一命をもって大王のご脱出の手助けをいたします」
真面目な周苛らしい整った口上である。
しかし、この周苛の言を劉邦は喜ばなかった。

「お前を厚遇したのは、ここで死なせるためではなく、
のちのちお前には活躍の場があろうと思ってのことだ。
確かにお前には陳平のような人を誑かす
謀略の才はなく、張良のような壮大な軍略もない。
そして韓信のような軍の指揮能力もないが、
お前の忠実で誠実な人柄は
人民を統治するにあたって、必ず役立つのだ。
活躍の場を間違えるな。
お前は平時にこそ必要な人材だ」

周苛は首を横に振りつつ、自嘲気味に答えた。
「おそれながら、平時に有用な人材は、
私でなければならないということはなく、
他に代替えの要員がいくらでもおりましょう。
私が思うに、韓信将軍などは政務をとらせても、
おそらく人並み以上にはこなせます。
ですが、私に彼の代わりは務まりません」

「それを言うな。韓信の代わりになるような
男など、そうそういない」
「わかっております……人には人それぞれの
個性があり、能力もさまざまなものです。
私は若い頃、大王のおそばで
大王の生き方を学ぼうとつとめた時代がありました。
また、先の韓信将軍の武功を耳にするにあたり、
どうしたら自分に彼のような活躍ができるのか、
思い悩んだ時期もありました。

しかし、やはりしょせん私は私……。
大王の真似をしようと思っても、
韓信の真似をしようと思っても、
どだい無理な話です。
私は大王のおっしゃる通り、
忠実で誠実なだけが取り柄の男。
どうか大王にはそれを私に証明させる
機会をお与えになり、私に滎陽で死ね、と
ご命令ください」

「……そんな命令は出したくない。考え直せ」
「しかし、私がやらなければ、
他の誰かがやらねばならない任務でありましょう。
にもかかわらず、どうしてもご命令くださらないとあらば、
私は大王に信用されない立場を恥じて、
いまこの場で死ぬことにします」

周苛はそう言って、腰の剣を抜き、
それを迷わず首に当てようとした。
「待て! ……仕方ない、命ずる。
そのかわり他に副官を任命するゆえ、
お前は可能な限り生き残ることを考えるのだ。
これこそが、命令である」

劉邦は滎陽の守備に周苛に加え、
樅公(しょうこう)、韓王信、
そして魏豹を残すことにした。
しかし、のちに周苛は他の将と共謀し、
魏豹は反覆常ない男で信用できず、
共に戦うことはできないとして、殺害した。

このことは彼のこの局面にかける思いが
尋常でないことを象徴的に示している。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る



歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…


『無法松の一生』 島倉千代子




人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴と、言い訳になるから……


『無法松の一生 』美空ひばり




時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる





P R

カビの生えない・きれいなお風呂

お風呂物語

Furo1