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流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

漢の韓信-(94)

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin 韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。 
 
 

漢の韓信-(94)滎陽脱出

これに前後して韓信が趙を討伐し平定に奔走する間、
劉邦率いる滎陽の漢軍は決断を迫られていた。
「脱出しましょう」策を献じたのは、陳平であった。
かつて楚軍に反間を潜入させ、
内部から切り崩しを試みた男である。

しかしその策は范増を死に至らしめるなど
一定の効果はあったが、きわめて
一時的な影響を与えることしかできなかった。

いま項羽は諸将への信頼を取り戻し、
以前にもまして攻撃を密にしている。
とはいっても城を直接攻撃するのではなく、
城につながる甬道を攻撃して、これを遮断するのである。

甬道とは塹壕が道のように連なったもので、
滎陽城から敖倉につながっており、
漢軍はこの甬道を利用して、敖倉に貯蔵された
穀物を糧食として城内に運んでいた。

その甬道が完全に楚の手に落ち、
ついに滎陽は食が尽きたのである。
「東門から婦女子を出します。
大王はその隙に西門から脱出を」
陳平という男の策は、常に王道の反対側にあるようで、
素直に受け入れることが難しい。
このため味方である漢軍の中にも陳平を
好まない人物が多いと噂されていたが、
これは事実のようであった。

その噂を裏付けるかのように、このときの劉邦
陳平の策に対して露骨に難色を示した。
「出した女どもはどうなるのだ。
いくらわしの命が貴重といえ、
殺され、犯されるだけのために女を戦場に
さらけ出すのはいかがなものか」

陳平はしかし、動じない。
彼の策には続きがあったのである。
「女どもには甲冑を着せ、武装させます。
それによって敵の目をくらましたうえで、
降伏を宣言するのです。
大王はその間に脱出なさってください」

「なんと! 降伏だと」「……私はこの時のために、
大王の替え玉になる人物を用意しておきました。
この者に偽って楚軍に降伏する旨を伝えさせます」
「その間に逃げよ、というのだな。
しかしそれではその者は……」
「死にます。確実に」
「むむ…………」

劉邦は言葉を失った。しかし陳平は
畳み掛けるように話し続ける。
彼なりの熱意がそこに込められていた。
「目の前に現れた大王を称する人物が偽物だと知り、
なおかつ降伏が偽りだと知った項王は、
怒り、我々を追おうとするでしょう。
それを阻止するために滎陽には最低限の
守備隊を残しておきます」

「! いまでさえ滎陽を支えきれないのに、
少数の守備隊で支えきれるわけがない。
守備隊の連中は……」
「十中八九、死にます。
あるいは早めに大王が兵力を回復し、
反転することができれば彼らを救うことができましょう。
しかし、現実的に無理です。彼らも死にます」

劉邦はさすがに戸惑い、作戦に許可を与えることを躊躇した。
自分のために死んでくれる者がいることには、
正直助かる。もともと王なのだから
臣下に自分のために死ね、と命令を出すことも
可能なのだが、そもそも王としての責務は
臣下なり領民なりに生と食を保証することにある。

もちろんそれは程度の問題であり、
少なからず臣下は自分のために死ぬものであると
理解してはいても、罪もない者に死ぬとわかっている
任務を与えることには一人の人間として
抵抗を感じざるを得ない。

「迷っていらっしゃいますな……。おそれながら大王、
お覚悟が足りませぬ。王という地位は
それだけ重いのでございます。
臣下がそれを理解し、自らの命を大王のために
捧げようとしておりますのに、
大王ご自身がそれを理解していないようでは、
彼らが哀れでございます」

陳平はこのときすでに人選をすませており、
二名の士卒を劉邦の前に引き合せた。
一人はその名を紀信(きしん)といい、
もう一人は周苛(しゅうか)といった。
ともにまだ三十歳にもならない、未来ある若者であった。

劉邦は、二人の顔をまじまじと見ると、
やがてため息まじりに問い始めた。
「お前たち二人は、死を賭してこのわしを
守ろうとしているそうだが……
その気持ちはありがたい。しかし、
お前たちに直接恩賞を与えることはできん。
なぜかと言えば……お前たちは死ぬからだ。
そこで問う。わしは何をもってお前たちの
忠誠に報いればよいのか。
そして……お前たちはどこまで本気なのか」


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る



歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…


釜山港へ帰れ』 美空ひばり




人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴と、言い訳になるから……


『演歌みち 』松原のぶえ



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる 





P R

カビの生えない・きれいなお風呂

お風呂物語

Furo1