流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

漢の韓信-79

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。 
 

漢の韓信-79ー(愛・反間・苦肉


「漢が韓信を使って北の諸国を
討伐しているのは憂慮すべき事態だが、
これは逆に絶好の機会でもある。
つまり、本隊の守備に韓信はおらず、
漢を降すにいまより好機はないのだ! 
和睦などもってのほか。
今すぐ士卒に命令なさって陽を陥とすのです」

范増は口から唾を飛ばしながら、力説した。
しかし項羽はすでに范増を疑い、
その言葉に従う気はない。項羽は言った。
「亜父、我々の敵は漢のみにあらず、
後方に斉もいる。いまわしが陽を
本気で陥とそうとして自ら出撃したら、
彭城は斉に奪われるだろう。

それとも亜父はそれを見通してわしに
献策なさるのか?」
范増は目を剥いた。項羽が自分に対して
このような口の聞き方をしたのは初めてである。
「なにを言っておられるのか。
陽を獲ればよいのだ。
彭城がその隙に奪われることがあっても、
あとから奪い返せばよい。
王にとって先に潰す相手は、斉より漢だ。
なにを迷われるのか」

「……亜父、貴公を亜父などと呼ぶのは
今日でやめにして、他の武将と同列に扱うことにする。
以後は後方へ下がれ。
それが不満ならば劉邦のもとに馳せ参じるがよかろう。
本来漢に通じていることなど許されない大罪ではあるが、
貴公のこれまでの功績をかんがみて、
特別に不問に付す」

范増は耳を疑った。「大罪? 不問? 
なんのことだ。王はわしが漢に
内通でもしていると言っているのか? 
王よ、気でも狂ったのか?」

「黙れ! 貴公の裏切りはすでに明らかだ。
殺されないだけでもましだと思え」
項羽はついに怒気を発した。
范増はいたたまれなくなり、退出せざるを得なかった。

いったいどういうことか?
范増は身に覚えのない疑いをかけられ、
その原因を探った。
それは間もなく明らかとなったが、
漢の詭計に陥った項羽に落胆した范増は、
自らにかけられた疑いを晴らそうとはしなかったという。

「天下はだいたいおさまったことだし、
あとは王自ら治められますよう。
わしのような老将はもはや必要ありますまい……
骸骨を乞い(辞職を申し出ること)、
(一身を捧げてきたが、骨だけは返してもらいたい、
という意。
故郷に帰らせていただこうと存じます」

項羽はこれを許し、范増はひとり彭城に向かったが、
その途上で背中に悪性の腫瘍ができ、
それがもとで死んだ。
范増の死は病気が原因ではあったが、
憤死といって差し支えなかろう。

項羽が真相を知ったのは、
范増の死後間もなくである。
漢による詭計だと判明した結果、
鍾離眛など諸将はその地位を回復したが、
范増はすでに亡く、取り返しがつかなかった。
そのため項羽劉邦を激しく憎み、
いっそう陽の囲みを強化した。
漢・楚の対立は激しさを伴い、続いていく。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.

愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る



歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



夢芝居美空ひばり



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



『しのぶ 』 美空ひばり



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる







P R
カビの生えないお風呂

お風呂物語

furo