読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想……

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。 

 
漢の韓信-67ー京・索の会戦


こんなはずでは、なかった。
包囲の輪が小さくなっていく中、
鍾離眛は退路を断たれ、追い込まれていく。
次第に兵との間隔が狭まり、密集の中に
身を置きながらも、
究極的な場面で感じられるのが孤独であることに、
彼は驚きを禁じ得なかった。

漢の指揮官が韓信であることは、彼にもわかっていた。
今、この場に及んで思い出されるのは、
過ぎし日の韓信とのやり取りであった。
(おまえのような臆病者が将になったとして、
兵がついてくるものか)
その臆病者に滅ぼされかけているのは、
自分であった。

(私が将になったならば、味方の兵を死なせない。
そのくらいの気構えはあるつもりだ)
韓信はかつてそんなことを言った。
その言葉の通り、味方の兵を数多く死なせたのは、
彼ではなく、自分であった。

(眛、お前の目はひどく濁っているぞ)
だからどうしたというのだ。目が濁ったとしても、
それはこの乱世の中で人の死を大量に見てきた証拠だ。
お前のように現実から目を背けてきたわけではない。
彼はかつて、聞いたことがあった。
それは、人は死ぬ直前に過去のことを大量に思い出す、
ということである。

そのことが、このとき彼の脳裏をよぎった。
なんということだ! 今の自分こそが、それではないか。
眛の心の中に、諦めに似た感情が浮かび始めたとき、
部下の叫び声が耳に入った。

「将軍! 敵将と思われる騎馬の一団が、
こちらに向かって突進してきます!」
眛は我に帰った。
死の淵から引き戻された感じがした。
「……断じて来させるな! 
逆に包囲して討ち取るのだ」
漢軍に包囲され、絶望的な劣勢に立たされた楚であったが、
それにもかかわらず進撃しようとすると彼らは抵抗した。

「カムジン、前を行け!」韓信はカムジンを先頭に立たせ、
行く手を阻む楚兵たちをひとりずつ矢で射たせた。
カムジンの短弓から放たれた矢は、
正確に、無慈悲に楚兵の心臓を貫き、
次々にその命を奪っていく。 
そして、やがて司令官らしき男の姿が韓信の目に入った。

「眛……」それは焦燥しきった鍾離眛の姿であった。
韓信! わざわざおでましか。
私に討ち取られに来たのか」
韓信は強がりをいう鍾離眛の目を見ることができなかった。
「今に至ってそのようなことを言うな……。
状況はすでに決している。降伏しろ、眛」

「降伏……情けをかけるな! 
……斬ってみせろよ、信! 
どうせお前には斬れまい……。
お前は昔からそういう奴だったからな!
 だが私は違うぞ! 
遠慮なくお前を斬ることが……私にはできるのだ!」
言い放った鍾離眛は剣を抜いて韓信に斬ってかかった。

それを見たカムジンがとっさに韓信の前に立ちはだかり、
短弓から矢を放った。
「うっ! ……」矢が眛の右肩に突き立った。
彼はその激痛で剣を落としたが、
痛々しい所作でなんとかそれを拾い上げようとする。

「やめろ、カムジン。……いいんだ」
韓信はカムジンを抑え、さがらせた。
その間に鍾離眛は再び突進し、
韓信に剣を突き立てようとした。
韓信はしかし剣を抜かず、
手にしていた長槍をさかさまに持ちかえると、
その柄の先で眛の腹を突いた。
衝撃に耐えられず、眛はその場に転倒してしまった。
「汚いぞ、信! 剣で勝負しろ。
……家宝の剣が泣くぞ!」

しかし韓信はそれに答えず、全軍に撤収を命じた。
後方に項羽の軍が到達するのを確認したからである。
項羽はすでに散開した漢軍を深追いすることはせず、
壊滅寸前となった鍾離眛の軍を救出して軍を返した。
互角以上の兵数が予備兵力としてあるとしても、
この戦いは項羽にとって、負け戦であった。
戦いは流れが大事であり、
その流れを覆すのには倍以上の兵数が
必要だったのである。

かくして項羽率いる楚軍の撤退により、
漢は滎陽以西を勢力圏として確保することが
できたのだった。
「なぜ? 将軍。なぜ斬らなかった……のですか?」
カムジンは韓信に質問したが、
はかばかしい答えは得られなかった。
「うむ。最初は斬るつもりでいた。
しかし、相手は鍾離眛だ。……
彼とは無二の親友なのだ。
幼いころから人慣れしなかった私の唯一の友である彼を、
私が……どうして斬れよう?」

まだ若く、戦争の理不尽さも深くは知らないカムジンには、
無二の親友が敵味方に分かれていることの意味が
どうしても理解できなかった。
カムジンはさらに質問しようとしたが、
表情に暗い影をおとす韓信に、
それ以上なにも言うことはできなかった。

一方の鍾離眛。彼は誰にも聞こえないよう
気をつけながら、小声で呟いた。
頭で考えるだけではなく、声に出さないと
気が済まない。そんな感じだった。

「信……どうして斬らなかったのだ。
お前が私を斬ってくれたなら……
私は恨まないだろう。しかし生かされた以上、
再び戦場でまみえることになったら、
私はお前を斬らねばならない。
私はそれが……どうしようもなく嫌でたまらないのだ。
お前が私を斬ってくれたら……
そんな思いとは無縁でいられたのに」
鍾離眛の目には、涙が滲んでいた。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.

愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…


「銀座の恋の物語」
石原裕次郎と牧村旬子
作詞:大高ひさを・;作曲鏑木創


心の底まで しびれる様な
吐息が切ない 囁きだから
泪が思わず 湧いてきて
泣きたくなるのさ この俺も
東京で一つ 銀座で一つ
若い二人が 始めて逢った
真実(ほんと)の 恋の 物語り




デュエット曲「銀座の恋の物語」は
1961年にテイチクより発売。
歌手は石原裕次郎及び牧村旬子。
作詞は大高ひさを、作曲は鏑木創。

「銀座の恋の物語」は1961年に公開された
日活映画「街から街へつむじ風」
石原裕次郎主演)の挿入歌として
使用されたものであり、
公称300万枚を超える大ヒット曲となった。
現在でもカラオケなどにて
定番のデュエット曲として愛唱されている。
1962年に公開された同名の日活映画
「銀座の恋の物語」は主題歌として
使用しています。



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








P R
カビの生えないお風呂

お風呂物語

furo