流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想……

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。



漢の韓信-63ー京・索の会戦

劉邦韓信が滎陽にたどり着いたのを確認し、
手放しで喜びを表現した。
「天下無双の武勇。漢の至宝。
わしの麾下で項羽と渡り合える者は韓信のみである」
「とんでもありません」喜ばしいことではあったが、
他の将軍たちの手前、韓信はあからさまに
功を誇ったりはしない。
劉邦はそれに多少物足りなさを感じた。
「相変わらず、そっけない奴だ。
わしがこれほど歓喜しているのにお前という奴は
謙虚に過ぎる。謙虚すぎて、面白くないわい。
男というものはもっと……」
「大王、お話があります」王の話の腰を折る、
というのは普通許されないことである。
しかし劉邦は放っておけばいつまでも話し続ける
手合いの男であったし、話し続ければ
ひとりで感情が高ぶり、始めは冗談のつもりが
いつしか本気の罵りになることが多かった。

よって劉邦に伝えたい用件があるときは、
中身のない話に付き合わず、単刀直入に話すに限る。
「……滎陽に到着して間もないのですが、
私の見たところ漢軍の陣容は以前と変わらぬ程度に
整いつつあるようです。
主だった将軍にも落命した者はないように見受けられます。
そこで早いうちに楚に反撃したいのですが」
多弁な劉邦が言葉を失った。
戦いたくない、という気持ちを持っていることは
明らかである。

韓信は説得しなければならない。
「趙はすでに連合を離脱し、邯鄲に
撤退したという情報を得ています。
そして楚と盟約を交わしたとか。
これは趙の陳余が漢より楚の方が強いと
判断した結果でしょう」
戦いたくない劉邦は、必死になって反論した。

「それはあのへそ曲がりの陳余に張耳が
生きていることを知られたからだ。
奴はそれを理由に漢と訣別する旨の書状まで
送ってきおったわい。
しかし、それでも構わないではないか? 
お前はもともと反覆常ない陳余のような男の力を
借りることには反対であっただろうが」
「それはそうです。しかし、敵対するよりは
味方にしておいた方がまだましです。

このままでは、いまに陳余はおろか魏も態度を覆して
楚に味方しましょう。
それは漢が楚に対抗できぬと彼らが思っているからで、
これ以上の離反を食い止めるためにも、
ここで一度楚には勝っておきたいと存じます」
そもそも滎陽に漢軍が集結したといっても、
それを楚軍がただ見ているはずはなく、
いずれは襲撃されるのである。

韓信が言っていることは、やられる前に
やれ、ということに過ぎない。
それでも劉邦の自尊心を汚さぬよう、
自発的に戦いの決断をしてもらおうと韓信
言葉を選んだのだった。

「わしが今、平穏を望んだところで、
楚は許しはしないであろう。
いずれ楚がこの滎陽に攻め込んでくるということは、
わしにもわかっている。
……信、お前の言うことはわかった。
一晩考えさせてもらおう」
韓信はあまり釈然とはしなかったが、
再会したばかりのときにあまりしつこくするべきでは
ないと思い、その場を退去した。

韓信をさがらせた劉邦は、その夜、やはり滎陽で
再会を果たした張良に話を持ちかけている。
「気の早い韓信は、来た早々に楚を迎撃したい、
と言っているが……子房はどう思う?」
彭城でいいところがなかった張良は後ろめたさがあるのか、
やや遠慮がちに答えた。

「そうですか……。韓信がそうしたいと言うのならば……
異存はございません。
私としてもいずれは迎撃しなければならない、とは
思っていました。ただし時期が問題ですが、
今がその時期だと韓信が言うのであれば、
彼としては勝算があるのでしょう」


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



『涙の連絡船』キム・ヨンジャ




人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








P R
カビの生えない・きれいなお風呂

furo



お風呂物語