流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。




韓信-33

楚軍の兵たちはかつて、咸陽に賦役をした際に、
そこで秦の役人にこき使われたり、
辺境守備の軍役にかり出されたときに、
秦人の上官に酷使されたりした者たちばかりであった。

立場が逆転した今、楚の兵士たちは
秦兵たちを些細なことで侮辱し、
事あるごとに奴隷のように扱ったりした。
秦兵たちが自分たちの境遇を嘆くのは無理もなく、
彼らは集まる機会があると、口々に愚痴をこぼした。

「今に皆、殺される。とてもこのままでは……」
そう話している姿が、楚の兵たちにとっては
反逆の相談をしているように映り、
軍中の噂の種になった。

項羽もそのまま放っておくわけにはいかなくなり、
黥布と鐘離眛を呼び、ひとつの策を授けた。
韓信にもその策は伝わった。
策とは驚くべきもので、韓信は鐘離眛を引き留め、
二人きりになったところでやめるよう説得しにかかった。

「眛、君が……そんな汚れ役をやるというのか。
人道にもとる作戦だ。栽荘先生が生きておられたら、
何と言うと思う。理由はなんでもいい、
体調が悪いとか言って辞退するんだ。
君が辞退すれば、
上将軍(項羽)も作戦を考え直すだろう」

「信。君はこれが楚の一大事だということを
わかっていない。今
ここで秦兵どもが暴動を起こしてみろ。
楚軍は崩壊する。
阻止するには今が最後の機会だ。
関中に入ってからでは、遅すぎる。……

新安の地で決行だ。
それに、かりに私が嫌だと言っても、
黥布将軍がおられる。
彼一人でも決行は可能で、
作戦が中止になることはないだろう」
「だったら君は辞退すればいいではないか。
眛、君は決行に参加しないことで
上将軍の不興を買うことを恐れているのではないのか」

鐘離眛は、むっつりとしてその問いには答えず、
そのまま踵を返した。
新安城は高台の上にそびえており、
特にその南側はえぐりとられたような深い谷になっている。
項羽は全軍をここに留め、
一夜を明かすことにした。
夜も深くなり、何も知らぬ秦兵たちが寝静まった頃、
作戦は決行された。

北側から黥布と鐘離眛に先導された楚軍が
音もなく進軍し、
秦兵たちに近づいたところで一斉に
閧の声をあげた。
驚いて跳ね起きた秦兵たちは南側に逃げるしかない。
夜の闇の下、足もともろくに見えない中で、
恐慌をきたした秦兵たちは相次いで谷底へ落ちた。

落ちることを免れた者は楚兵に追い立てられ、
やはり強引に落とされる。
死体の上に死体が積み重なり、
やがて谷底は埋め尽くされていった。
楚軍は自らの血を一滴も流すことなく、
夜明け前には秦兵の大量虐殺を完遂したのである。

朝になって谷の下の様子を見た項羽は、
安堵した様子を見せ、低い声で言った。
「混乱の要素は、除去された」
こうして約二十万人に及ぶ秦兵は、
章邯と副将の司馬欣、董翳を除き、
すべて坑(穴埋め)にされたのである。

つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、 花に例えた古い歌
今さら聞いても、歌っても、何処に置いても、飾っても
花も歌も、枯れてゆく....人生、絵模様、万華鏡...


星空のトーキョー すぎもとまさと




誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……

人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ


時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる










P R

きれいなお風呂・宣言 

お風呂物語