流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。 
 

韓信-30

項羽は、宋義の言うことが本当に正しいのか、
まじめに考えた。
そんな様子を見て宋義は項羽に対して
韓信と同じような感想を持ったようである。
自分に対しなにも言えない項羽の弱みにつけ込み、
楚軍の中での勢力を打ち消そうと考えた。
このあたりの宋義は、いかにも老練な政治家らしい。
宋義は軍中に触れを出し、
「虎のように獰猛、羊のように言うことを聞かず、
狼のように欲深な者は、みなこれを斬る
(猛きこと虎のごとく、很(もと)ること羊のごとく、
貪ること狼のごとくは、皆之を斬る)」と記した。

名こそ出していないが、明確に項羽を示したものである。
しかし項羽はそれでも我慢し続けた。
滞陣は四十日を超え、士卒の士気が萎え始めた。
軍糧も底をつき始めていた。
おまけに冷たい雨が降る季節となり、
兵たちは凍え始めた

 陣中の誰もが不信を募らせ始めた頃、
宋義はようやく行動を開始した。
ついに軍を動かした、のではない。
宋義は懐王から行軍を遅らせる命を受けたのをいいことに、
その時間を利用して斉を相手に政治的遊戯に興じていた。
自ら率いる卿子冠軍は、その道づれである。

宋義はこの卿子冠軍に息子の
宋襄(そうじょう)を同行させていたが、
この息子を斉の宰相にするべく、
自ら無塩(ぶえん)という地まで見送りに行った。
ひと月以上も軍を留め、
わざわざこの時機に送り出したのは、
斉側の準備に時間がかかったからだろう。
無塩で別れの大酒宴会を開いた宋義が、
悠々と戻ってきたのには韓信もあきれた。
しかし次将として軍に責任をもつ項羽としては、
「あきれる」のひと言で済ませられようはずがなく
、烈火の如く怒り、翌朝になって猛烈な勢いで
宋義の幕中に飛び込んだ。

「士卒は飢え凍えているというのに、
宋義は酒宴などを開き、趙と力を合わせて
秦を攻めようともせず、秦の疲れに乗ずるという。
秦軍の強さで建国間もない趙を攻めたら、
趙が敗れることは必定、
趙が敗れれば秦が強くなるだけである。
なにが疲れに乗ずるだ! まして国家の危急時に
子の私情に溺れるとは社稷(しゃしょく)の臣に非ず」

項羽は斬りかかり、宋義は逃れながらも必死に反論する。
「楚と斉の間は、今良好とは言えず、
一本の細い糸でかろうじてつながっているようなものだ。
その糸をわしが太くしてやったことが、わからんのか。
貴様のように戦うしか頭にない男に
政略というものが理解できるはずがあるまい」

項羽は頭に血が上った。目尻から
血が噴き出さんばかりの形相で宋義を睨みつけると、
「今、問題にしているのは斉ではなく、趙だ。
貴様の言うのは詭弁である」と言って、
ついに斬り捨てた。 
そして宋義の子、宋襄を追い、
斉の地に入ったところでこれを殺した。
安陽に滞陣すること四十六日めのことであった。

懐王はこれを伝え聞き、宋義の愚か者め。
だから早めに処断せよ、と言ったのだ。と内心で
愚痴をこぼした。
しかし、こうなってはほかにとるべき道はなく、
あらためて項羽を上将軍に任命し、
宋義の下においた軍を項羽の下に再配置した。
これによりやっと楚軍は進撃を開始したが、
遅れは取り戻せそうになく、
関中王の座は劉邦に奪われることを
覚悟せざるを得なかった。

籠城戦は救援の見込みがあってこそ成り立つ戦法であり、
籠城していた側の張耳としては、
見込みがないわけではなかった。
ともに刎頸(ふんけい)の交わりを結んだ弟分の陳余は、
北方で兵を集め数万の兵を引き連れて
鉅鹿の北に陣していたし、
燕、斉、楚にも救援の依頼はしてあった。

しかし、他国の軍が到達するより前に、
真っ先に動くべきの陳余が動こうとしない。
頭にきた張耳は使者をやって陳余をなじらせたが、
陳余は動かず、わずかに五千人の兵を
その使者に与えることしかしなかった。
その五千人も秦軍の前にあえなく全滅し、
これによっていよいよ秦軍を警戒した陳余は
陣を構えるばかりで、まるで動こうとしなくなった。
諸国の軍もぽつりぽつりと到達してきているが、
どれも陳余にならって見物しているだけである。
こうして鉅鹿は完全な孤城となった。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る

歌は心の走馬灯、 花に例えた古い歌
今さら聞いても、歌っても、何処に置いても、飾っても
花も歌も、枯れてゆく....人生、絵模様、万華鏡...



時代おくれの酒場/cover新二郎



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……

人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる










P R

きれいなお風呂・宣言 

お風呂物語