流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。 

 
韓信-19・乱世
陳勝麾下の将軍鄧宗(とうそう)は九江(きゅうこう)郡
(寿春を郡都とする旧楚の中心地)の制圧を命じられ、
その軍が淮陰の城壁まで迫りつつあった。
ついに淮陰も戦渦の影響を受け始め、韓信も気が気ではない。
肉親をなくし、友人には旅立たれ、
師にも先立たれた韓信は、もはやこの地に
未練もないと思っていたが、実際に
故郷が蹂躙されるというのは我慢ならないことだと気付いた。

そこで韓信は、県の庁舎に赴き、
守備兵の仲間に入れてもらおうとしたが、
ある若い門番は彼に向かってこう言った。
「県令なら、いないよ」韓信は聞いた。
「いつ、戻ってくるのだ」若い門番は、あきれたように答えた。
「戻ってきやしないよ。ここの偉い連中は、
みな荷物をまとめて逃げ出したんだ。
彼らは中央から派遣された連中だから、
咸陽にでも帰ったんだろう。
残ったのは帰るところなんてない地元の連中だけだ」
韓信は驚愕を受けながらも、なおも門番に問いただした。
「守備兵はどうした」
「とっくに解散して、それぞれ故郷に帰ったよ。
県令が逃げたのだから、それも仕方がない」
秦の統治下では一生で最低でも一年は
自分の属する郡の衛士とならなければならない。
いわゆる守備兵である。
しかし郡の中のどの県に所属されるかは定められていないので、
この場合は、守備兵の中に淮陰出身者がいなかった、
ということだろう。

「では、お前は門の前に突っ立って、なにを守っているのだ」
「なにって……県令や守備兵が逃げ出したなんて知れたら、
敵の思うつぼだろ。いつもと変わらない風を装って、
こうしているんじゃないか」
「馬鹿だな、お前は。敵が来るまでそうして突っ立っている気か。
父老には相談したのか」父老とはいわゆる長老のことで、
邑のまとめ役のことである。
「まさか。年寄りに相談したところで、降伏しろと言うだけだろう? 
鄧宗の軍は略奪の度が過ぎると評判だから、
俺たちはできることなら対抗したいんだ。
でも残っているのは役所の下働きの者ばかりで
指揮を執れる者がいない」

「……中に入れろ」門を開けさせ、
押し入るように中に入った韓信の目に映ったのは、
かっこうだけは甲冑などをつけて整えている頼りない集団だった。
「武具を身に付けているということは、
戦う気があるということなのだな?」
もともと県令の馬の世話や、食事の用意などをしていた連中である。
彼らは自分たちが鎧を身に付けている意味を知らず、
韓信の言葉に震え上がった。
韓信はあきれた。「武器は残っているか」
彼らが案内した武器庫の中には、盾が約三十、矢が一千本余り、
長戟(ちょうげき)が百本以上備えられていた。
長戟とは、槍の先端に(ほこ)を備え、
敵を遠距離から突き刺すのに都合良くできた兵器である。
なおかつ枝のように刃が側面にも装備され、
振り回して敵を引っ掛けるように斬ることもできた。
それらの携帯的な装備のほか、
武器庫の奥には大きな投石機が五台、鎮座していた。
本来は攻城兵器であるが、使えないことはない。
てこの原理を利用し、一端に石、もう一端には紐が付けられており、
複数の人間が紐を引くことで石が発射される仕組みである。

淮陰一帯はかつて国境が入り組んだ地域だったことで、
このような兵器が常備されていたのだった。
「充分ではないか」これだけのものがあれば、
県城に押し寄せる敵を殲滅するのはなんとか可能である。
あとは、やり方次第だ……
韓信の頭の中が、鬱屈した若者のそれから
策士のそれへと変貌しつつあった。
つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る
 
歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても、歌っても、 
 何処に置いても、飾っても
  花も歌も、枯れてゆく....
  人生、絵模様、万華鏡...

 
くちなしの花 八代亜紀


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……

時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる
 
 
 
 
 
 
 
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