流れ雲

繰り返しと積み重ねの、過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく (^o^)

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

Author:紀之沢直

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。 

 
 
楚の滅亡ー4
遺体を片付けたあと、穴を埋め、
最後に儀礼的に哭礼こくれいを行う。
韓信の父は最初は泣きまねだけをしていたが、
そのうち本気で涙が流れてきた。
泣き終えたあとは、気分もすっきりし、
剣をみやげにして上機嫌で淮陰の自宅へ帰ることができた。
しかし剣については家に持ち帰ったのはいいが、
妻に、「あなた様は幼い信を兵にさせるつもりですか。
私は死んでもそうはさせません」などと言われ、
これには韓信の父も、「そんなつもりはない。
ただ、子供というものはこういうものが好きであろうと
思って持ち帰ったまでだ」と、
そう妻に詰問されるような返答しかできなかった。 
しかし、まだ乳児の韓信はこの剣をたいそう気に入ったようで、
父や母が韓信の見えないところに剣を片付けてしまうと、
とたんに機嫌を悪くし、泣き喚いた。
韓信の父は、半ば本気で剣を持ち帰ってきたことを後悔した。

秦国内では、二十万の兵で充分だと主張し、
その結果失敗した李信が更迭され、
王翦(おうせん)が楚討伐の指揮官に任命された。
実はこの王翦こそが最初に六十万の兵が必要だと
主張した人物であり、今回はその主張どおり、
六十万の兵を引き連れていた。
楚を撃ち破るには充分な兵数であったが、
王翦がその気になれば秦をも撃破するに
充分な兵数である。
秦王政のよほどの信頼がなければありえない人事であった。
しかし王翦は大軍を擁しながらむやみに戦うことをせず、
堅牢な砦を築くと防御に徹した。
このため項燕率いる楚軍は攻めあぐね、
戦況は膠着状態となった。
我慢比べの中、先に軍糧が尽きた楚軍が
退却を始めたところで王翦は出陣を命じ、
背後からこれを襲い、敗走させた。
翌年になって王翦は首都郢へ侵攻し、
楚王負芻を捉え、捕虜とする。

これにより事実上楚は滅亡した。
国体を失った楚の残党たる項燕は、
当時秦の国内にいた楚の公子である
昌平君(しょうへいくん)という人物を担ぎだし、
これを楚王として抵抗しようとしたが、無駄に終わった。
昌平君は乱戦の中で戦死し、
項燕は自害してその生涯を終えた。
ここで名実共に楚は滅んだのである。

秦の治世になると、韓信の父の暮らし向きも
なんとなく変わった。貧しいのはそのままである。
ただ、うっかり立ち話もできないような緊張感が、
淮陰の街全体に流れているのが肌で感じられる。
国が滅ぶとはこういうことか。
決して自分のことを誰かが見張っているわけでもないのに、
なぜかそのように感じる。秦という国の厳しさがそこにあった。
爵 級などもらっても、もともと無意味だとは思っていたが……。
まさかこれほど早く国がなくなって
意味をなさなくなるとは思っていなかった。
しかし、考えようによっては、よい機会かもしれない。
楚の時代、自分は不遇であった。
よく働く人物が、まっとうな暮らしを送れる
時代が来るかもしれない、と韓信の父は考え、
気分を良くした。

少なくとも息子の時代には、
家柄で人生が決まるような社会ではなくなるだろうと思い、
韓信に学問をさせようと決めた。
手始めに栽荘先生のところに彼を預け、
読み書きを覚えさせようとしたのだが、
それというのも父はろくにそれができなかったからである。
将来息子が秦の地方役人にでもなって、
自分のことを養ってくれるかもしれないと想像すると、
韓信の父の気分はさらに良くなった。
他力本願なような気もするが、
彼が将来に初めて希望を抱いたことには変わりがない。
彼は秦に期待したのである。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.

愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても仕方がないが
 何処に置いても飾っても 、
  歌も花も、枯れてゆく……
  人生、絵模様、万華鏡…



惚れた女が死んだ夜は



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる





P R
きれいなお風呂・宣言 

お風呂物語